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第27話▷Darkness road and Light road

聖廟攻略も中盤戦に差し掛かってきました。

派手に中ボスを葬ったスーリアと私はその勢いで第3層へと到着した。


―――のだが、、、


「これは……「なんにも見えませんわっ!!!」


第3層のスタート地点から続く回廊は漆黒の闇に呑まれていた。


この部屋から先に伸びている先は暗闇なんて生ぬるいものではなく、塗りつぶされた真っ黒の空間がずっと奥へと続いていたのだ。


「俗に言う、暗黒通路(ダークゾーン)か「ダークゾーン?」


私の言葉にスーリアが疑問をぶつける。


「ああ。ほのかに発光する壁の魔素がないだけでなく

普通は迷宮(ダンジョン)に存在しているはずの

最低限の光度などが意図的に

封じられている仕掛け(ギミック)らしいが、

実際に目にするのは私も

初めてだ「仕掛け、なんですのね。」


幸いなことに第2層から転移してきたこのスタート地点の部屋はまだ壁の魔素が光を発していたが、現実的にこの真っ暗闇に入っていくことは危険極まりないだろう。


恐らくは、第1層の【浄化(ターンアンデッド)】や第2層の【沈黙(サイレンス)】のように、ここ第3層の暗黒通路(ダークゾーン)もきっと神聖術を行使して攻略する必要があるはずだ。


ならば、あの術しかない。




「―――【明光(サーチライト)】」




私は右手を軽く頭上にかざし、神聖術レベル2に分類される【明光(サーチライト)】を唱えた。




ポワッ




暖かい光が周囲を包み込み、暗黒通路(ダークゾーン)の先までも明るく照らし始めた。


「さすがですわ! アリサさまさすがですわっ!!」

「いや、ここの聖廟はいかに神聖術を行使していくか

が攻略の鍵だと気付いたのでな。しかし、

明るくなったからと言って安全という訳では

ないからな。スーリアは私の後から

着いてきてく「かしこまりましたわっ!」


いつもの様にスーリアの前に立ち、彼女を護りながら第3層の探索を開始する。


多少曲がりくねった道程ではあったが、ここ第3層も1層や2層と同様にほぼ一本道だった。とはいえ直線ではなかったので暗闇のままでは確実に前へ進めなかったであろう。


おまけに道中には悪霊(ゴースト)や死霊(レイス)といった、中位クラス霊体 不死系(アンデッド)が道を阻んできたので、明かりがないままでは生命の危険すらあっただろう。


「ひっ! あっ、アリサさまっ、、、」


霊体 不死系(アンデッド)と対峙するのは初めてだったのか、スーリアが思ったより顔をひきつらせていた。


「スーリア気をつけろ。こいつらには物理攻撃は

ほぼ無効だ。こいつら自体の物理的攻撃力も

からっきしだが触れられたら生命力を吸い取られる。

体力やら精神力、魔力ならまだましだが、

厄介な奴になると我々の経験値やレベルまで

吸い取ってくるらし「そんなのまっぴらですわっ!」


何がスイッチだったのかいまいち解らなかったが、私の背中で震えていた公爵令嬢がとたんにやる気を出してきた。


「紫電に"聖属性弾"を充填!

不知火にも"聖属性弾"を充填!!」


ガチン! ガチャン!!


彼女の2丁の片手魔銃の撃鉄が起こされた音と遊底がスライドされた音が聖廟に響く。




「往生してくださいませッッッ!!!

FIREァァァッッッッッッ!!!!!」




ガァン! ガァン!! ガァンガァン!!!


いくら物理無効とはいえ、弱点である聖属性の銃弾はまた別だったのだろう。

瞬(まばた)きする間に悪霊(ゴースト)と死霊(レイス)がスーリアの銃弾を受けて霧散していく。


しかし往生もなにも、この霊体たちはダンジョンの魔素から生まれたギミックみたいなものなので、別に昇天する訳ではないのだが、私は空気を読んで黙っていた。


「ふんっ。こんなもんですわっ!」


鼻息荒くドヤ顔で腰のホルダーに魔銃を収納するスーリア。


「ふふっ。この階層も

問題なさそうだな「当たり前ですわっ!!」


紫電と不知火の片手魔銃は、神威滅式や無月散水のような威力はないが、銃弾に属性を付与出来るという特性があるので物理無効の霊体の魔物相手でもしっかりと対応が出来るということか。


道中さらに強力な冥界霊(スペクター)や幻霊鬼(ファントム)なども遭遇したが、スーリアは問題なく対処していた。


きっとこの階層の中ボスも霊体系なのだろう。




「!!」


突き当たりの扉の先の中ボス部屋で私たちを待ち受けていたのは予想通り、霊体系の魔物だった……のだが、、、


「済まないスーリア、私が見た事のない魔物だ。

まず間違いなくドレインタッチを持ってるはずだ。

気をつけ「では【看破(かんぱ)】してみますわ。」


スーリアが対象を注視している間、彼女を護るように位置取る。


積極的な攻撃性はなさそうなので「先手必勝」と言わんばかりに【ライトスラッシュ】でも放とうかと思っていた所にスーリアから【看破】の結果が伝えられた。


「あの魔物の名は"カオス・ファントム"

脅威度B-ですわ!

弱点属性は当然ながら聖属性ですわ!」

「了解した!」


中ボスにもかかわらずBクラスの脅威度か。

一気に畳み掛けて勝負を決めるか…………。


―――と、思っていたその時、、、




「!!!???」




一瞬、自分の目を疑った。


「あ、アリサさま、、、

わたくし、寝ぼけているのかしら……?」


カオス・ファントムが一瞬のうちに7体へと分裂したのだ。


「いや、私の目にも奴が複数に分かれて

増殖したように見えている……!」


そして一斉にそれぞれバラバラな動きで私たちを翻弄(ほんろう)するように活動を開始した。


「か、【看破(かんぱ)】しましたところ、

こいつらすべて本物ですわっ!!

分身ではなく分裂したのですわっ!!!」

「その様だな! スーリア気を付けろ「はいっ!」


複数の物理無効の霊体相手にまともに対峙しては苦戦は必至だろう。


しかも分体ということは、それぞれが生命力を吸い取る【ドレインタッチ】のスキルを有しているということか。尚のこと危険極まりない相手と言える。


「―――本来、私は騎士系 職業(クラス)なのだがな。」


言いながら私は聖剣(ソウルオブナイト)を天高く掲げる。




「―――【慈悲の雨(ホーリーレイン)】」




神聖術レベル5に分類される、不死系に強特攻の広範囲神聖術を展開する。


天上からまばゆい光が幾つもカオス・ファントムに降り注ぐ。


僧侶(プリースト)や修道女(シスター)のように術効果上昇の職業(クラス)恩恵がある訳ではないが、現時点で私が行使出来る最高威力の神聖術だ。

魔力もごっそり持っていかれたが、流石に効果は期待出来るはずだ。


「……や、やりましたわっ!」


跡形もなく霧散した7体のカオス・ファントムを見て、スーリアが ほっ とした声を上げた。


「ふふっ。一時はどうなるかと思ったが、

何とかなって良かっ「さすがにあの数を同時には

わたくしも対応出来ませんでしたわっ!」


言葉を交わしながらスーリアとハイタッチする。


しかしギミックも魔物も奥に進むたびに強力になって来ている。


いくら私が神聖術を行使出来る聖騎士(パラディン)とは言え、本職ではないのだ。

今まで以上に気を引き締めて行かねばなるまい。


改めて自戒の念を胸に刻みつつ、私とスーリアは出現した女神(ノネミア)像に手を重ねた。




* * *




第4層は、暗闇に包まれていた3層と打って変わって"光"が満ちあふれていた。


「こ、これは…………「あれは火花ですの?

ど、どう見ても尋常ではございませんわね……。」

「ここを進め、と言うのか「死んでしまいますわ。」


単純に"光"と言っても、聖なるものでもなければ我々に与(くみ)するものでもない。


回廊を隙間なく埋め尽くすエネルギーフィールド、もっと解りやすく言うならばダメージバリアから発せられる、力と熱がみなぎるパワーと暴力性から来る"光"だったのだ……!!

このダンジョン、C級にしては

難易度高いですよね笑

うっかり中ボスにBランク出してしまいましたけど

まぁ中位の神聖術使えるのなら

そこまで問題ないだろうということで。

神職2人いたらけっこう楽なんでしょうけどね。

ありちゃんとアイちゃん揃ってたりとかね。


和訳「闇の道と光の道」


2026/09/21

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