第26話▷The trial of the holy temple
第1章のセイヤくんたちはわりと
ダンジョンばっかもぐってたんですけど
ありちゃんはついに初(描写)のダンジョンですね。
あれ? ダイジェストでもどっか
ダンジョン入ってましたっけ?
大聖堂地下にある試練系ダンジョン"叡霊聖廟"入口までライル総司教に付き添って頂いた。
依頼主とは言え、彼の身分の高さを考えると、こうして見送りまでしてもらうのは少々恐れ多い気もする。
「この入口にあるノネミア様の女神像に手をかざすと
聖廟内へと入ることが出来ます。
入場は一方通行ですが、各階層のボスを倒すと
次の階層へ転移する女神像と
脱出用転移魔法陣が出る仕組みになっています。
恐らくこのダンジョンの難易度的に、
アリサさまたちならば何の心配も要らないと
思いますがお気をつけてくだされ。」
「ありがとう。とりあえず
期待に応えられるよう「行ってまいりますわ!!」
【沈黙】の効果から解放されたスーリアがいつもの様に私の発言に被せてくる。
言われた通りノネミア様を形どった女神像に手をかざすと、私とスーリアは一瞬にして聖廟内へと転移していた。
「よし」
これから私とスーリアは、Cランクダンジョン"叡霊聖廟"の攻略を開始するのだ。
「何とも清らかで、
どこか冷たくとも暖かい空気ですわね……。」
「……あぁ。心が安らぐと同時に
不思議と昂る感じだ「ですわね。」
淡く光を発している大理石の内壁を見ながらスーリアが口を開いた。
その大理石の回廊に等間隔で存在する柱に施された装飾の造形のきめ細かさにも思わず感嘆する。
まるで神殿のような内装に、一瞬ここがダンジョンなのかわからなくなりそうになる。
そして、内部を満たす清浄な空気と霊気に身が引き締まる思いだ。
騎士系とは言え、やはり私も神職の端くれなのだろうな。
そう思いつつも、いつまでもここにいた所で何も始まらない。
目指すは最奥。
求めるは"聖者の灰"。
そして要救護者 (言い方に多少難があるか)。
「よし、行くか「さぁ参りましょう!」
私とスーリアは回廊の先へと歩み出した。
* * *
とりあえずまだ第1層だが、構造は素直なほぼ一本道だった。
時折存在する大広間が玄室のような扱いなのだろうか。
スケルトンやゾンビなど低級 不死系の魔物が陣取っていたくらいだ。
「……この程度、スキルを使うまでもない。」
縮地ステップで群れに突入し、すれ違いざまに聖剣でなで斬り(スキルではない)で全滅させる。
たかだか20数体の不死系なぞ、私にとっては造作もない数だが、本来ならば神職の【浄化】の神聖術がなければ やや骨が折れる数ではあるのかもしれない。
骨だけに。
回廊の突き当たりのボス部屋で待ち構えていた中ボスのレッドスケルトンも【セイクリッド・インパクト】一発で沈んだ。
「アリサさまばかりずるいですわ!
わたくしもとどめのキルポイントで
経験値を稼ぎたいですわ!」
「ははっ。では次からは頃合いを見て
スーリアの手も借りるとしよう。」
私はスーリアをなだめながら、ボス打倒後に現れた女神像に手をかざした。
* * *
次に訪れた第2層の回廊は高低差があり、何処にも昇る道のない上段の回廊にはゾンビメイジやゾンビプリーストがひしめきあっていた。
そしてこちらの姿を認識するやいなや、一斉に魔術を詠唱し始めた。
「……成程。そういう趣向か。 【沈黙】!」
しかし奴等の術式発動より早く、私は神聖術【沈黙】を詠唱し、奴等の魔術を一斉に封じ込めた。
「…………!!」
「………………!?」
「……! ………………!!」
高みから戸惑うゾンビ魔術師たち。
ここ"叡霊聖廟"は神職・聖職に就く職業の試練に用いられるだけあって神聖術の行使に重点を置いているようだ。
1層の【浄化】(使ってはいないが)に続いて、ここ2層では【沈黙】の神聖術が求められている。
「やっぱりアリサさまの【沈黙】は
効果抜群でございますわね!!」
その効果を身をもって知っているスーリアの言葉はさすがに重みがある。
「……さて、このまま通過してもいいが、
それじゃつまらないな「え」
そう言いながら【ライトスラッシュ】を数発放ち、何体かのゾンビを昇天させながら先へと足を進めようとした。
「ずるいですわ! ずるいですわっ!!!
今度こそわたくしもキルポイントを
稼がせてもらいますわ!!」
少しふくれながらスーリアが収納空間に手を伸ばす。
「……? 別に構わないが、相手は死体も同然だ。
紫電や不知火では恐らくダメージが通らないだろう?
神威滅式も効率が悪いだろうし「ですので今回は
これを使いますわ!!」
そう言いながら彼女が取り出した魔銃は、またしても今までに見た事のないものだった。
長さは1m半ほどだろうか。
太さは男性の腕っ節と同程度。
神威滅式ほどの質量はないが、紫電や不知火のように
片手で扱うのはどうやら難しそうだ。
「スーリア、それ「こちらは中距離用散弾式魔銃、
"無月散水"でございますわ。」
言いながら両手でその中型魔銃を抱え込むように構えるスーリア。
中距離というのは何となく意味は解るが……。
「さ、散弾式?「ご覧になられた方が話は
早いですわね。FIREッッッッッッ!!!!」
ドパパパパパパパ!!!!!
言い終わるが早いか、スーリアが構えた無月散水から魔弾を発射させた。
しかも今まで魔銃と違い、1秒に何十発もの弾丸が連続で雨あられのように発射されている……!
「おーっほっほっほっほ!!!」
ズダダダダダダダダダダダダ……
「………………………………。」
わずか10秒にも満たない時間でゾンビ術師たちは全滅どころか、奴等が立っていた回廊は何百もの穴だらけになっていた。
「……散弾式と言うよりもショットガン式、
と申したほうがよろしかったかしら。
射程距離はそこそこで貫通力もございませんので
使い所はなかなか難しいのですが、
圧倒的弾数で場を制圧することが可能な、
総合攻撃力では最強の魔銃、
こちらが"無月散水"ですわっ!!!!」
その中距離魔銃を片手で抱き抱え、満足げに顔を輝かす公爵令嬢。
「…………オーバーキルが過ぎるだろう。」
かなり飽きれ気味の私の反応にスーリアはいつもの様に言葉を被せずに、満面のドヤ顔を返してきた。
ちなみに、この階層の中ボスの発光屍体も、スーリアの無月散水によって秒で塵と化して終わった。
ちゃんとダンジョンギミックがあるダンジョンも
これが初かもしれませんね~
てか2人が強すぎて、苦戦するシナリオが
思い浮かびません笑
ほんでここに来てようやく
2章の完結までのプロットが固まってきました。
大体今回あたりで丁度折り返したくらいの長さですかね。
和訳「聖廟の試練」
(2026/09/19)




