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第22話▷I'll "PARRY" everything

幕間以外で初じゃないすかね?

ありちゃんがじっくり魔物と戦うの。

いつも対人戦ばかりな気がするので笑

先程まで相手していたファイヤーバードたちがまるで小鳥のように思える。


翼の端から端まで目測で概算20mはあるだろうか。その怪鳥がみるみるうちにこちらに近付いてくる。


「スーリア!【看破】を「あれが"煉獄鳥(れんごくちょう)"ですわ!

間違いございませんわっ!!」


やはりそうか。

ファイヤーバードの上位種、進化形態であろう。


ボーグルがブラックボーグルに、

ゴブリンロードがゴブリンキングに進化するように、


この煉獄鳥もファイヤーバードが何らかの条件をクリアして進化した個体なのだろう。


そしてこの魔物こそが、目的の"煉獄鳥の羽根"をドロップする存在なのだろう。


恐らく一筋縄では行かないであろう強敵ということは容易に理解出来る。


私の大盾を握る手に緊張が走った。




「―――FIREッッッ!!!」




ガン! ガァン!!




スーリアが2丁の拳銃からそれぞれ属性弾を発射した。


しかし―――




「……!!??

め、命中しましたわよねっ??」


煉獄鳥の巨体の前では、いくら攻撃が高速だろうとも木の実ほどの大きさの弾丸では微々たるダメージしか与えられないようだ。


「……ッッッ! 来るっ!」


咄嗟(とっさ)に聖騎士大盾を前方へ構える。




ボァァァッ




間一髪、煉獄鳥が口から吐き出した炎のブレスを防ぐことが出来た。


「くっ! 【頭部射撃(ヘッドショット)】×2!!」




ビス! ビス!!




スーリアが更に発射した、それぞれ水属性の弾丸と氷属性の弾丸が、煉獄鳥の頭部に撃ち込まれた。


『グギィィ……』


その攻撃を受けて煉獄鳥は一瞬たじろいだのか、私たちを一直線に狙ってくるコースから僅かに逸れて、遥か後方へと流れていく。


「くらえっ!!」




シュン! シュン!!




すれ違った煉獄鳥の背後目掛けて、

私は【ライトスラッシュ】を放つ。


しかしそれを余裕で目視した煉獄鳥は、ゆったりとした挙動で私の放った聖属性衝撃波を難なくかわした。


やはり弾丸と衝撃波ではスピードがまるで違ったのだろう。低速の攻撃を当てるには至近距離を狙うしかないということか。


小癪(こしゃく)なっ」


だが私が悪態をつく間に煉獄鳥は次々とこちらに向けて炎弾(ブレス)を何発も放ってきた。


「くうっ、【シールドバッシュ】!!」


なんとか盾術スキルを発動させて、炎弾を押し返す。


「しまった!!」


しかしその隙を煉獄鳥は見逃さなかった。




ドガッ!!




「あぐぁっ!!」


煉獄鳥の強烈な体当たりをまともに食らってしまった。


「アリサさまっ!?」

「いや、大丈夫だ。それより早く

こちらへ「かしこまりましたわっ!」


吹っ飛ばされはしたが、【防護壁(プロテクト)】の神聖術で防御力を高めている聖騎士鎧を身に付けているお陰で、スーリアが心配するほどのダメージはない。


だが、このエリアボスのヘイトは完全に私たちをロックオンしているようだ。


即座に立ち上がり体勢を整え、スーリアに呼びかけこちらに合流して貰い再び陣形を整える。


「なかなか、強敵ですわね……。」

「あぁ。このままじゃジリ貧「ジリ貧ですわね」


あの巨体では【パリィ】でも衝撃は受け止めきれない。【シールドバッシュ】に頼るしか防御策はなさそうだ。


加えてあの飛行速度だ。

何度か試みてみたものの、【強撃(ラッシュ)】や【セイクリッド・インパクト】のような打撃技を放っても、威力が逃がされて分散されてしまい、効果的なダメージにはなっていないようだ。


私がひたすら(タンク)として防御に徹して、スーリアの射撃でちまちまと削るしかないのだろうか。


しかしそれでも煉獄鳥が自身の累積したダメージを理由に逃走してしまったら()(すべ)もない。


「さて、どうしたものだろうな……。」


高火力な魔術師でも連れてくるべきなのだろうか。


そう思っていたその時、、、


「なっ? す、スーリア?「アリサさまは

前を見てて下さいまし」


スーリアが収納空間(ストレージ)を発動させ、自身の2丁の魔銃を収納した。


そして次の瞬間、彼女の手には全く別の物体が握られていた。


大きさは丸太ほどもあり、その黒光りした筒状のものをスーリアは両腕でしっかりと抱えていた。


「……それは?「両手専用の大型魔銃で

ございますわ。片手銃と違って命中率と

連射速度には難がございますけれど、

威力は段違いでございますわっ!!」


なんと……!!

スーリアの魔銃は、不知火(しらぬい)紫電(しでん)だけではなかったのか!


「……っと、【シールドバッシュ】!!!」




ガウンッ




近くまで接近してきていた煉獄鳥に慌てて盾術スキルを発動し、なんとか体当たりの攻撃を凌ぐ。


「す、スーリア、それ「公爵家が誇る最強の大型魔銃、

"神威滅式(かむいめっしき)"。これで片をつけますわ。

紫電や不知火の100倍近い威力が出ますのよ。」




―――ひゃ、ひゃくばい??




なんと……! とんでもない代物(しろもの)じゃないか!!

それにしても用途別に他の魔銃、それも高威力の大砲のようなものまで用意してあるとは、さすが公爵家の資金力だ……。


「そんなにすごいのなら初めから

用意「いえ、アリサさま。先程も申し上げた通り

この神威滅式(かむいめっしき)は命中率に難がございまして

そればかりか一発ずつしか発射出来ず、さらに

その一発でわたくしの魔力はほとんど

すっからかんになってしまうのですわ!

実戦で使用するにはリスクがあるかと最初は

思いまして…………。」


……なるほど。


手軽でコスパも良く、安定したダメージをたたき出せる片手拳銃で事が済むなら普通はそちらを選択するだろうな。


しかし事態はそれが通用せず、ハイリスクハイリターンな戦術を採らねばならないということか。


「スーリア「なんでございましょう?」


煉獄鳥も先程まで鬱陶しかった2丁魔銃が姿を消したのを見て、組みやすしと判断したのかのびのびと私たちの周りを旋回し始めた。


我々を仕留める(すき)を狙っているのだろう。


「その神威滅式を命中させるために私が出来ることは

なんだ「一瞬で構いません。煉獄鳥の動きを

止めて欲しいですわ…………。」


……そうか。


と、いうことは、【シールドバッシュ】で煉獄鳥の体当たりを弾くのではなく、【パリィ】で受け止めるべきなのだな。


『キョカァァァァ!!!』


煉獄鳥が勝利を確信したのだろうか、万全の体勢で今までの最高速度でこちら目掛けて飛来し始めた。




―――行けるか?




私は右手に握る聖剣(ソウルオブナイト)を見た。


すると、私の愛剣は うっすらと ぼう と青白い光を放った。気がした。


そして刀身に刻まれた真紅のルーン文字が鮮やかに発光した。




―――ふふっ。愛剣(おまえ)もやる気か。




「来ますわっ!!!」


私のすぐ背後で神威滅式を構えたスーリアが叫ぶ。


目前に迫った煉獄鳥は勝ち誇った表情に見えた。


ならば見せてやろう。


聖騎士(パラディン)の真髄を―――――




「―――――【パリィ】」




ガキィィィィィンンン……




煉獄鳥の(くちばし)と私の聖剣(ソウルオブナイト)が激しく交差し、火花が散った。


「……っっ!」


巨鳥の勢いを受け止めたは良いものの、両足が地面にめり込み引き摺られるように後退し始める。


自身の身体も衝突の衝撃で悲鳴をあげている。


愛剣を握る腕も二の腕も断裂したかのような痺れる痛みに包まれている。


しかし、

あの巨体の全身全力の攻撃を私は受け止めきった。


時間にして1秒にも満たないだろう。


まさに一瞬。


刹那(せつな)の時間。


それでも、これで、

この程度で充分なのだろう?


ならばスーリア、

これで私たちの勝ちだな!!!




「――――喰らいやがれですわっ!!!!

FIRE(ファイヤー)ァァァァァァァッッッ!!!!!」




ドッゴォォォォォォンンンン……………………




とんでもない衝撃音で、私の耳の機能が停止する。


目もチカチカして視界が火花で(にじ)む。




ドガッ


「あいたっ」


背中に衝撃が走り、目を開けて初めて自分が至近距離の神威滅式の砲弾の衝撃でカプロット火山の岩肌まで弾き飛ばされた事に気付いた。


いくら【鉄壁】のパッシブスキルで自身の防御力が2倍に高まっているとはいえ、

いくら聖騎士専用装備で最高級の防御力を誇る聖騎士鎧を私が身に付けているとはいえ、

いくら神聖術【防護壁(プロテクト)】で更に更に岩石のようにガチガチに私自身の防御力を高めているとはいえ…………、、、


こんな至近距離であれほどの砲撃、放って良いはずないだろう?


私でなければ即死だぞ? 間違いなく!!


「……まったく」


見れば、その砲撃を放った本人も反動で遥か後方にぶっ飛ばされて、仰向けで大の字に伸びている。


私は彼女のもとに赴き、【治療(ヒール)】を唱えてやる。


「(゜Д゜)ハッ!! ど、どうなりましたかしら!!」


意識を取り戻した彼女は がばっ と起き上がり私にすごい剣幕で尋ねてくる。


私は彼女に穏やかな微笑を向けつつ、とある方向を指さした。


そこには直径5mもあろうかという大きな風穴を胴体に空けながら煙になって消えようとしている煉獄鳥と、それを中心に紅葉のようにひらひらといくつも舞い降りる笹の葉大の燃えさかる羽根―――煉獄鳥の羽根の姿があった。

前書きとか他でも

「ありちゃんは対人戦ばかり」って言ってますけど、

地味にスキルのお陰で、作中の人物では

対人戦最強だと思うんですよね~

たぶんもうこの時のありちゃんなら

アルクスフォン兄さんにもそこまで苦戦しないで

勝てそうな感じしますし。

(遠距離(ロングレンジ)攻撃スキルも身につけましたし)


ちなみに、

ファイヤーバードの進化形態が今回の煉獄鳥ですが

作中の世界ではその煉獄鳥がさらに進化すると

不死鳥フェニックス or 朱雀(すざく)

進化する感じです。(無駄な分岐設定)


そこらへんになると神話レベルの強さなので

勝つのは相当厳しいと思いますけど、

セシル×アリサは7大災厄にも勝ってるからなぁ……。


タイトル和訳は「私は全てをパリィする」ですが、

いや、パクリじゃなくてオマージュのつもりですほんとごめんなさい……。


(2026/08/26)

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