第8話▷"勇者"という存在
ここまで書いたものを読んで自分でも
「これどうなん?」
みたいなモヤっとしたものを今回
ご都合主義でつぶしてます笑
「んなわけ」とか思うかもしれませんけど
フィクションで異世界でなろうなので、
あしからず……w
朝日が昇り始めた。
丘を登りきった私は振り返る。
「こうして見ると、小さいものだな。」
眼下に広がる帝都。
そしてその中心にひと際存在感を放つ皇宮。
しかしここから見えるそれは、片手に余るほどの大きさでしかなかった。
―――私は、あんなちっぽけな場所で、
15年間過ごしていたのか…………。
いや、考えても仕方のない事だった。
私はそれに背を向け、再び歩みだす。
大事なのはこれからの事。
まだ見ぬ、まだ出逢えぬ"運命"を
この手に掴むのだ。
優しかった父母兄姉、
そして私の理解者だったフロルの元を離れての旅は
流石に相当の勇気が必要ではあった。
しかしながらこの胸から欠落した"なにか"を見つけ出したい。
この喪失感、焦燥感から解放された人生を歩んでみたい。
それが今の私の偽らざる本心である。
そうして満ち足りた自分となって初めて、神聖ラスティア帝国第二皇女の誇りというものを手にすることが出来る気がするのだ。
「…………………………。」
歩みながら思わず胸元のブローチに手を当てる。
私が幼い頃に病死してしまった母上が遺してくれた形見である。
この百合の花が型取られたブローチを身につけていると、いつでも母上が傍に居てくれてる。
そんな気がしてた。
常に肌身離さず過ごしてきたが、今は外套と革の胸当てを繋ぐ留め具として使用している。
機能性や安全性を考えると、革の胸当てよりもフロルから贈られた聖騎士鎧のほうが良いのだろうが、流石に物々しい装備で道中を行くのは目に付きすぎると、マジックバッグに入れてある。
重力軽減の術式や簡易着脱の術式が鎧に刻まれているので、いざとなれば片手でしかも一瞬で装着出来るので問題はないだろう。
それにしても、いま腰に差している聖剣も含めて、本当に一級品だ…………。
フロルに贈られたこの装備に恥じない自分で在りたいと改めて思わせるほどだ。
そしてそのフロルの手引きで問題なく帝都を出る事が出来たが、フロルの身に何もなければ良いが……。
私が出奔する直前に私と接触せずに侯爵家に戻った段取りになっていると言ってはいたが、時間の差も僅かなため疑惑は払拭出来ないだろう。
「私は、あなたに恥じない私で在りたい。」
改めて言葉として口に出した。
本当に、フロルには感謝しかない。
いつの日か満足の行く結果を出して、笑顔でフロルにそれを報告したい。
それが、フロルへの礼儀だと思っているからだ。
そんなことを考えながら私は、街道から遠く外れないように高台に沿って南へと歩いていく。
―――そして、歩きながらも私の思考は止まらない。
恐らく今頃は私の失踪が発覚して皇宮では大騒ぎになっている事だろう。
捜索の手が及ぶ前に一刻も早く帝国から出なければ。
それまでは不眠不休で歩く覚悟は出来ている。
それだけではなく、これから私には色々な困難が待ち受けている事だろう。
しかし今の私は希望に満ちている。
この青くどこまでも広がる青空の果てまで進んでいきたい。
生まれて初めての自由を満喫していた私の足取りは軽快だった。
―――のだが。
木々が生い茂る森を抜けて少し拓けた草原に差し掛かったところで、街道の真ん中に人影が立っているのが見えた。
「!!」
瞬時に判断し、ほぼ無意識で胸元に袈裟懸けに身に付けているマジックバッグに手を入れて、革の胸当てと聖騎士鎧を入れ替えて鎧を装着し、聖剣ソウルオブナイトと聖騎士の盾を構えた。
シュバッ!! ガィィィン!!!
間一髪だった。
その人物が放った剣圧による衝撃波を盾で防ぐ。
しかし、私の出奔が、まさかこんなにも早く露見していたとは…………!
「…………取り越し苦労である事を
期待していたのだけれど、
やはり僕の"スキル"は嘘をつかないね。」
衝撃波を私に放ってきた人影が、警戒を解かずに私に近付いてきた。
「それにしても、僕の【ソニックスラッシュ】を
完全に防ぐなんて流石は僕のアリサ。
いったい何の職業を授かったのかな?
重戦士? 騎士?
まぁ、とりあえず散歩はこの辺でお仕舞いにして
僕と皇宮に帰ろう?」
「…………あ、アルクスフォン兄さま…………!!」
―――最悪だ……!
よりにもよって、帝国の最大戦力が私を連れ戻しに来たとは…………!!
丁寧に書き置きを残したことが仇になったのだろうか……!
「僕からも皇帝陛下に一緒に謝ってあげるから。
それとも、手足の1本や2本吹っ飛ばされないと
わからないかな?」
アルクスフォン兄さまが、帝国の国宝でもある神剣ソムレインを構えた。
実直な性格の兄さまが冗談を言うはずがない。
本気で私の手足を何本か斬り飛ばすつもりなのだろう。
しかし、私も相当の覚悟と決意を胸に、皇宮を出たのだ。
おめおめと兄さまの言う通りに帰るつもりはない。
恐らく、私と兄さまの戦いは避けられないだろう。
―――しかし、勝てるだろうか…………。
我が神聖ラスティア帝国が誇る最強の人物、【勇者】の職業を授かっている、アルクスフォン兄さまに………………!!
アレなんですよ。
兄姉出した時に、
「こいつシスコンだと面白いんじゃね?」
みたいに思いつきで長男を妹激ラブにしてみたら
「アリサが出ていくのは許さん!」
て勝手に立ちはだかりました(わりとガチ)
書いてる作者にもわりと先が読めないとこもあるので
結構楽しいですね(これもガチ)
(2026/05/31)




