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第48話◆借りたものはちゃんと返さなくちゃ、だよね

瀕死の状態のアイちゃん視点です。

うまくまとめきれるか不安で仕方ないです。

なんか知んないけど、薄黄色?レモン色?に光ってるヒマワリのお花畑をひとりで歩いてた。


お空は夜?なのか真っ暗なんだけど、何百何千っていうヒマワリのお花いっこいっこが ほわー って光っててわりと明るくて「怖い」とか「さびしい」とかの感情は特になかった。


―――なんか安らぐな。穏やかだな。


そんなこと考えながら光ってるヒマワリ畑をぐんぐんと歩いてたんだけど、なんか急に真っ暗な空からあったくてやわらかい光がいくつも降ってきた。


―――そのひとつに触れたとき、目が覚めた。




仰向けに倒れていたアタシの目にまず入ったのは、割れた天井から覗く星空。


ここは? 確かサルアーフ王宮跡ダンジョン……。


いや、王宮跡は異空間なはずだから、

あの星空は、なに?




「グァァァァァッッッッッッ!!!」




信じらんないくらいの悲痛な叫び声にはっとして飛び起きる。


そうだ!


アタシたちはクリストフさんの魔力を奪って復活したサンドリアスと戦ってたんだ!


そしてアタシはアイツの瘴気でぶっ飛ばされて……………


思わず両手を見る。

手のひらをわきわきと開いたり閉じたりしてみる。


―――あれっ? なんともない??


あんな信じらんないくらいのダメージだったはずなのに……??


「アイッッッ! 起きたか? なんともないか??

行けるならお前も戦線に戻ってくれ!!」

「セイヤ!?」


アタシの騎士(ナイト)の声で、アタシはまわりを見渡す。


「【2段斬り】ィ!!」

ザザシュッ

「うぉわぁぁぁおのれおのれおのれぇぇぇ!!!」


セイヤが燃えさかる人型を斬りつけていた。


あの燃えてる人型の叫び声は、、、

サンドリアス……??


アタシが意識を失ってた間に、戦局がここまで好転してたなんて………………!!


アタシの全身にふたたび力がみなぎってくる。




「みんな待たせてごめんっ!!

あらためて【祝福】ッッッ!!」




両手を胸の前で組んで祈りを捧げる。


まずはアタシに出来ること。

アタシにしか出来ないことを!


解けかけのバフをもう一度【祝福】スキルでかけ直して、みんなの力の底上げをしなくちゃっ!!!


「アイちゃんんんん!!! 待ってた!!!」

「助かるわ!ありがとうアイ!」

「アイさん無事で良かったです!!」

「ハッハッハ!! 遂に聖女もお目覚めだな!」


―――!!??


最後に聞こえた、この声は、、、


「クリストフさんっっっ!!??

よかった無事だったんだねっっっ!!!」


やばいめっちゃ嬉しい!!

いくら吸血鬼(ヴァンパイア)って言ってもあんな真っ二つになっちゃっててさすがにヤバいんじゃないかって思ってたから、クリストフさんの元通りの無事な姿を見て本当に嬉しい!!!


「許さん許さん許さんぞお前らァァァァ!!!

殺す殺す殺す殺す……!!!!

未来永劫尽きることない絶望と苦痛を

貴様らに「うるさい」


焼けただれながら怨嗟を振りまくサンドリアスにレイトが一撃をお見舞いする。


「【点穴】!!」


シュドッ


「ヌワァァァァァ!!?」


レイトの白銀のレイピアがサンドリアスの胸元を貫く。


権天使(プリンシパリティ)! ガトリングフェザーだ!!」


『心得ました』


今度はナーシュの指示で天使が無数の羽根の弾丸をサンドリアスにお見舞いする。


……って、え? 権天使(プリンシパリティ)??


ダンジョンのギミックのパチもんじゃなくて?


いや、この権天使(プリンシパリティ)も召喚されてるってことは本物なんだけど本物じゃないっつーか、本体は普通にどっかにいるんだっけ?


もやっとそんなこと考えてたら、その権天使(プリンシパリティ)と目が合って、彼(彼女?)が にこっ と微笑みかけてきた。


「~~~~~///」


さっき対峙したダンジョンボスのギミック権天使(プリンシパリティ)と違って、こちらはちゃんと女神サマの使徒って感じがする……。


アタシも神職に就いてる身としては、なんだろ、天使さまにはやっぱり特別な思いがあるわけで。


しかもこの天使さまが死にかけてたアタシを治療してくれたんだよね。


―――アタシも精霊術師(サモナー)になってみよっかな。


そんなバカげたことを考えてたその時、、、


「死なばもろともじゃあああああああ!!!

喰らえ!【暗黒爆発(ダークエクスプロージョン)】!!!」


サンドリアスが炎につつまれながら上級闇属性攻撃魔法を放ってきた!!


「まじか!!」


一応アタシもぼーっとしてたわけじゃなくて、パーティーメンバー全員に【祝福】だけじゃなくて【防魔壁(マジックバリア)】もかけてあるんだけど、そんなの気休めにしかならないかも……!


それほど【暗黒爆発(ダークエクスプロージョン)】の破壊力は有名―――――




「―――へ?」




実際にサンドリアスが放った闇属性攻撃魔法は、クリストフさんがマントを ばさっ とひるがえしただけで霧散して消えた。


「私が復活してから何もしてないと思っていたのか?

貴様はもう既に私の【弱体化(デバフ)】の効果で、

魔力どころか全てのステータスが

どん底になっておるぞ。」


「な、なんじゃと????

そんなバカな!そんなバカなことが!

あるわけなかろうが!!!

すっ、ステータスオープンんんん!!!!」


クリストフさんの言葉に激昂したサンドリアスが、自分のステータスを表示し始めた。




《サンドリアス》

脅威度:E

種族:魔王

職業(クラス)不死の支配者(イモータル・ルーラー)

レベル:UNKNOWN

筋力:D-

器用度:F

知力:D

魔力:E+

精神力:G

体力:E-

敏捷性:F+

スキル:UNKNOWN




「―――――――――ウソじゃあああああ!!!!」


「じゃあ信じなくていいんじゃねぇの?」


自身の劣化したステータスに愕然(がくぜん)としてへたりこんだサンドリアスの背後に、うちらのリーダーが両手剣(ツヴァイハンダー)を構えながら迫ってきていた。


「!!??」


「ほらよ。【十字強斬り】!!!」


ズバズバァァァァ


もはやなんにもわかってないサンドリアスは、セイヤの強力な十字を描く剣撃をもろに食らってぶっ飛んだ。


「……!!!!」


でも、サンドリアスがぶっ飛ばされた方向は…………!!


「ゆっ、ユミィっ!!」


戦線からちょっと距離を置いて待機していたユミィの近くだった。


ユミィは権天使(プリンシパリティ)戦からサンドリアス戦の連戦で高レベルスキルを連発していて、特に【アローレイン】で大量に矢を消費しちゃってる!


見ると、ユミィが背負ってる矢筒にはもう1本も矢が残っていなかった………………。


「ケヒヒッ!!

先ほど観客を務めてくれた小娘か!

丸腰とはなんと丁度良い!!

ワシの生命力にしてくれるわ―――――」


サンドリアスがユミィに飛びかかる。

ユミィの生命力を自分の(かて)にするために……!


でも、ユミィは緊張と恐怖に、

顔をこわばらせてはいたけど、、、


目は死んでいなかった。


そんなユミィの左耳のピアスから、

虹色の光があふれてだしていた…………!!!


「…………!!」


アタシは無意識に天井に開いた穴に目を向ける。

その穴の先に広がる夜空に、ぽっかりと月が浮かんでいた。


そしてユミィは、マジックバッグに手を伸ばして

その中から一振りの細剣を取り出した。


「―――その刺突剣(エストック)は!!!

C級ダンジョンで手に入れたやつね!!!!」


レイトが笑顔で叫んだ。


「……いつから探索者(レンジャー)は、

弓だけ、って思ってたの?

実は小剣もイケるんだけど!

―――【スカーレットニードル】!!」


ガキンッ...


ユミィが放った弱点特攻の小剣技が、サンドリアスの額の第3の目とも言うべき、青黒いダークサファイアに突き刺さった。


ユミィの左耳を彩っている、三日月の形のピアスからさらに虹色の光があふれだす。


まばゆいエフェクトが、その強力な一撃がクリティカルで入ってることを物語った。


「……わたしは元狩人(アーチャー)だから

弓を好んで使ってたけど、探索者(レンジャー)

小剣技も覚えるんだよ。」


なるほどね!

アタシの体術とかセイヤの剣術とかは、筋力があればあるほど威力が出るけど、弓とか小剣は器用度のほうが高いほどダメージが出る武器だもんね。


器用度がずば抜けて高いユミィにはぴったりのサブウェポンだったんだねっ!!


「オオオオアアアアアアアアア……」


もう燃料になる魔力?かなんかが尽きたのか、燃えすぎて炎が消えかけてるサンドリアスの声にならないうなり声が響いた。

ユミィにやられた額の傷に両手を当てながら、もがき苦しんでいる。


そんなサンドリアスの頭が「がしっ」とクリストフさんにつかまれた。


「このまま逝かすわけにはゆかないぞ?

貴様には預けたものを返して貰わなければなぁ!!

【ドレインタッチ】!!」


「ホゲェェェェェェッッッ!!!!」


クリストフさんの5本の指がサンドリアスの頭に食い込み、どくんどくんと脈打ちながら魔力霊力を吸い取り始めた。


「貴様にッッ!! 奪われた魔力をッッ!

この手に取り戻すッッッッッッ!!!」

「ヌワァァァァァ……!!!」

「それだけじゃあないッ! 貴様は私の大切な友人、

レインとナルシュタインの生命(いのち)まで

奪ったのだからなぁぁぁ!!!!

あやつらの無念!

今!ここで!晴らしてくれるッッ!!!」


みるみるうちにしぼんでいくサンドリアスの身体。

そして、絶叫するクリストフさんの目に光るものがアタシに見えた。


「ワ、ワシは!ワシはただ!!

女王陛下が!レイン陛下が笑ってくれさえすれば

満足だったんじゃ……

な、なぜ!なぜこうなった「知るか!!」


初めはただの恋心だったのかもしれない。


好きな人の喜ぶ顔が見たくて、いつの間にか外法とか禁忌に手を染めてしまったのかもしれない。


でも、知らず知らずのうちに後戻り出来ない闇の道に進んでしまって、恋敵(こいがたき)の大神官だけじゃなくて愛する女王陛下にまで手をかけてしまって、、、


それで、この男はおかしくなってしまったのかもしれない。


どう考えても絶対に許されることじゃないんだけど、ね。




グシャ




魔力霊力全てを吸い取り尽くされて、クリストフさんが握り潰したサンドリアスの頭の音を聞きながら、アタシはなんとなくそんなことを考えてしまっていた。


エストックとかアルテミスの加護とか

なんとか由美ちゃんの活躍も書けてけっこう満足なんですけど

ちゃんとお話の辻褄が合ってるか、

伏線は全部回収出来てるか、結構不安です。

駆け足で書いてるつもりはないんですけど、

じっくり書いてるつもりなんですけど、

なんか書き忘れとか書き漏れとかありそうで怖い……。


色々迷ったんですけど、トドメは

加護スキル発動させたユミィじゃなくて、

女王陛下の転生したレイトでもなくて、

実際に悲劇の渦中にいたクリストフに刺してもらいました。


(2026/04/30)

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