第46話♥こういうのが、きっと絶望っていうのかな
ふとした気まぐれで投稿予約時間を
いつもと変えてみました
ついに1章ラスボス降臨です
由美ちゃん視点です
うまくまとめられるか、実はあんまり自信ないですわw
やっと、、、
天使からのダメージを、やっと、回復したクリストフさんが、、、
頭から真っ二つに半分に裂かれて、倒れてる。
その頭上に、黒いタイツを着たような人型の存在が宙に浮いてなんかしゃべってる。
「ドゥフフw ……1000年、吸血鬼に寄生しつつ
培養した本体は実に力が漲るのうw」
こいつは、長い間ずっとずっとずーっと!クリストフさんの体内で魔力を吸いつつ力を蓄えていたってことか!
やばい。視界が赤く染まる。
付き合いこそ短いけども、クリストフさんとはけっこう仲良くなれたし、わたしのポーチに入っておしゃべりしながら探索したこととか、すごい楽しかったし。
わたし、クリストフさんけっこう好きなんだよね!
「しぃねぇぇぇぇええええええ!!!!」
ヘラヘラしてる黒い人型に向かって【ブレイクアロー】を連射する。
ズバババババババババ!!!!!
しかし放ったすべての矢は、黒い人型にとどく直前に、ぐずぐずに黒くとけて落ちてしまった。
「…………瘴気のバリア?」
アイちゃんがうめく。
「…………………………!!」
わたしは怒りで頭に血がのぼって、弓技で攻撃をしかけたけど、瘴気だけじゃなくて、こいつが自然体で放っている威圧感とか強圧感というか圧迫感?を感じたのか、ほかのみんなは無謀に飛びかかったりはしなかった。
クリストフさんをやられた怒りにみんな震えつつも、セイヤくんもアイちゃんもレイトも近接職業だからなのか構えだけで慎重に立ちふるまってるし。
「―――クッソ!!!!
聖宝珠は絶対護るぞッッッ!!!」
このわずかな時間の間に気持ちを立て直したセイヤくんが、叫びながら2人のエルフをかばうように陣どった。
女王の間に、さっきの天使のときとは比べものにならない緊張感があふれだした。
…………ただ1人をのぞいて。
「…………ほぅ。」
その緊張感のない人型は、あまり興味なさそうな表情でセイヤくんを見ると、空中のなにもない空間を ぴん と人差し指でデコピンのようにはじいた。
「カハッ」
それと同時にセイヤくんがおでこから血を流しながら壁までぶっ飛んだ。
「…………せっ……!!」
わたしもアイちゃんも、驚きと恐怖で声も出なかった。
クリストフさんに続いて、大好きなセイヤくんまでやられてしまった。
なのに、今度はひざと奥歯ががったがたにふるえてしまって、立ちすくむしか出来なくなっていた。
「ほぅほぅ。ワシはこんなことも
出来るようになっておるのか……。」
黒い人型の愉悦が漏れた。
わたしも、アイちゃんも、
レイトも、ナーシュさんも、、、
ヘビににらまれたカエルみたく、その場で息をする以外はかなしばりにあったかのように動くことすら出来なかった。
「これでも随分と完成形な気もするがのぅ。
むしろ聖宝珠はリスクを負って吸収するよりも
破壊してしまったほうが後腐れないかもしれぬな。
また世界樹を創造してももはや意味はあるまい。
……いやいや、壊すなぞいつでも出来る。
とりあえず手元に置いておくかの……」
黒い人型は、残ったわたしたちなんか眼中にないみたいに、あごに手を当ててぶつぶつ言っている。
そんなあいつを見て、もっかい怒りがすごい勢いでわいてきた。
アイちゃんと目くばせしてうなずきあう。
「【アローレイン】ッッ!!」
わたしは上空に向かって何発も矢を発射する。
天井付近の高さからそれがやがて黒いあいつに雨のように降りそそぎはじめる。
「…………?」
さっきと同じように瘴気のバリアでとどかないけど、あいつは気を取られて上を向いた。
「―――――シッ」
その隙を見て【防護壁】【防魔壁】に身を包んだアイちゃんが突進した。
「【バーンナックル】!!!」
アイちゃんの右拳が炎につつまれていた。
「いっけーーーっ!!!」
わたしも声をあげる。
―――でも、、、
ガィィィィン
アイちゃんの拳がアイツにとどく前に、なにかにはじかれるようにアイちゃんは吹っ飛ばされた。
「……な、んで…………?」
そのまま壁に激突して、壁にアイちゃんの血がどばっとはじけた。
な、なんか、、、両手両足が変な方向に曲がってる………………。
「貴様らとはもはや格が違うどころではないのだ。
存在としての次元が違うのだよ。」
アイツは真顔でそうこたえた。
「………………やはり、先ほどのスキル、
クールタイムがあるようだの。
そこまで瀕死になっても、今度は聖女自慢の
奇跡じみた力は発動出来ぬようだの。」
「………………ぐっ、、、」
アイツの声をくやしそうに聞いていたアイちゃんが、意識を失った。
「―――フフン。どれ、いまのワシの
ステータスでも見てみるとするかの。
【ステータスオープン】」
アイツのステータスが、空中にあらわれたウインドウに表示された。
《サンドリアス》
脅威度:S+
種族:魔王
職業:不死の支配者
レベル:UNKNOWN
筋力 ERROR!
器用度 ERROR!
知力 ERROR!
魔力 ERROR!
精神力 ERROR!
体力 ERROR!
敏捷性 ERROR!
スキル:UNKNOWN
――――――は?
わたしたち冒険者と、魔物(魔族?)の違いなのか、わたしたちのステータスとは表記のされ方が違ってるし、ほとんど不明ばっかで確認できないけど…………、、、
問題は、そこじゃない……。
―――――ま、魔王……………………??
さっきよりも何倍もの絶望感がわたしを襲った。
「ほう……。ワシも遂に魔王となれたか。
それもすべて我が主の御力かもしれぬな。
今もワシに力が降り注いでおるわ。」
と、言った次の瞬間、
魔王がレイトとナーシュさんの横に瞬間移動して、いつの間にか聖宝珠を手にしていた。
「…………え?」
宝珠をしっかりかかえていたはずの、ナーシュさんの両手が消失していた。
そのナーシュさんを護るように立っていたレイトも、レイピアをにぎっていた右手がまるまるなくなっていた。
「―――あぐっ!!!」
「うううっ!!!!」
ふたりとも手をうしなった手首の先が、黒紫色にただれていた。
「もはや女王も大神官もどうでもいいがの、
この聖宝珠はワシの手元に
置いておかないと、じゃな。」
指先で宝珠をくるくるとまわしながら、魔王が楽しそうに嗤った。
「……かっ、かえせっ」
「…………?? ごぶっ!!!」
そしてふたりとも突然血を吐きながらへたりこんでしまった。
「レイトッ!? ナーシュさんっっ???」
魔王は知らないうちに王座に腰をおろしていた。
左手のひらに聖宝珠を持ちながら。
「ワシの【破滅の瘴気】に当てられたのだからのう、
お前らも長くはないの。
―――さぁぁて、これからどうするかのぅぅぅ~
サルアーフ王国を、不死者の国として
復興するかのぅぅぅ~~~」
魔王はにやにやしながらこれからのことを考えてる。
魔力とかぜんぜん感じないわたしにも、アイツの魔力がどんどんふくれあがっていくのが感じられた。
やばい。
どうしようもなくやばい。
セイヤくんもアイちゃんもクリストフさんもやられて
レイトもナーシュさんも瘴気の毒で死にかけてる。
動けるのはもうわたししかいない…………。
けど、こんな状況でどうしたらいいのかわからない。
あの魔王は圧倒的すぎて、わたしたちの存在になんの脅威も感じていない。
いてもいなくてもどっちでもいいと、きっと思ってる。
じゃなかったら、とっくにみんな皆殺しになってる………………。
「…………………………怖い」
がたがたと震えながら、いつの間にか床にへたりこんでたわたしの口から、知らないうちに本音がもれていた。
ここから入れる保険ってあったら嬉しいでしょうねw
(2026/04/20)




