義父の想い1
霧山さんに関してはみんなに納得してもらって越村は肩の荷が下りた。夕食が終わりいつも通り二階で寛ぐと、お父さんは仕事に関してはシビア何だけど、私生活ではまるでダメと聞かされた。
それはないだろう。あれほど少ない社員でここまで仕事を拡げ、大手のマンション建設を手掛ける建設会社がシステムキッチンに関しては、当社に依頼してくるほど、実績と信用を積み重ねた社長が、実生活では丸っきりダメなはずはない。
「試してみる」
「ハア?」
「お父さんは仕事以外で、ゆっくりと弟についてあなたの考えを聞きたがってるのよ」
「それで如何すればいいんだ」
「明日の朝食はお父さんの時間に合わせて食卓に着けばいいのよ。あとの段取りはあたしが取り仕切るわよ」
と言い切られて、石塚に関してはまだ何か親子で蓄積している考えがあるのか。仕事ではストレートに云ってくれるのに。沙苗さんでも言い尽くせないものが、社長の胸の中に堪っているようだ。話し合えばスッキリした義父と越村の関係が構築出来て、仕事ももっとこなせる。沙苗さんから相談を受けたのは、裕司の店への取り組みだ。真面に真摯に取り組んでいるのか義父は聞きたくて、もういいよと言われるまで朝の散歩を越村は日課に採り入れた。
先ず朝の食卓に着いて驚いたのは義母の佳乃さんだ。
「あらッ、どうしたの、まあ、珍しくこの時間から手伝ってくれたのはそう謂う意味合いなら前もって云ってくれればいいのに、沙苗も結婚してからちっともこっちのことを気にしなくなって」
とぼやかれた。




