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石塚の店1
陽の高いうちに淀屋橋から直ぐに響子のスポーツ店に戻った。店の表には響子だけしかいない。石塚は相変わらず奥に引き籠もっていた。
「彼奴は何してるんだ。そんなに経理の仕事があるとは思えないが」
「いつもじゃないんだから」
と彼女が気にしないと余計に彼奴が癪に障る。
「俺が来ると閉じ籠もるのか」
「別にそう謂うわけじゃないけど。それより今日は急なのにお父さんと会えて良かったわね」
そうだその報告に立ち寄ったのを、スッカリ忘れるほど石塚が気になるのはどう言う性分なんだと笑える。
「それで父から様子を聴いてどうだったの」
いつもの輝きが失せた瞳が何か不安そうで、親子では話しにくいのが判った。
「健全な身体なら山男の心意気は判るが、両足失った霧山さんはどうなんだろう」
「そうね、でも義足だと思うけど普通に歩いていた」
「会ってるんですか」
「引き継ぎがありましたから。でも事務的なことしか喋らなかったし心の底は見通せないわね」
「その時は石塚も一緒だったのか」
曖昧な彼女を制して奥に行った。相変わらずスチール椅子に座り、目の前の壁と対面している姿はダルマそのものだ。
「瞑想もいいが売れ行きはどうなんだ」
じっくり腰を下ろし、どうして淀屋橋まで俺を行かせるんだ。ヤレヤレこの男に言ってもしゃあないのか。




