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若返った老騎士の食道楽~英雄は銀狼と共に自由気ままな旅をする~  作者: おとら@9シリーズ商業化


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結末

話はこうだ、まずはアリア殿に求婚した貴族がいた。


それは国境を守るリーガン伯爵家の当主らしい。


そしてアリア殿の言う通り、条件をつけてきた。


しかし、その裏では……妨害をしていたというわけだ。


それがわかった今、儂のすることは一つである……翌日、街にあるリーガン伯爵家の別宅に向かう。


「貴様、ここを何処だと——」


「これが目に入らんか!」


「それは……少々お待ちください!」


門兵の一人がすぐに屋敷に向かい、すぐに小太りしたおっさんが出てくる。

胡散臭そうに儂の紋章を確かめた後……すぐに態度を改めた。


「これはこれは、国王陛下の印をお持ちの方……何か御用ですかな?」


「お主がリーガン伯爵家の当主じゃな?」


「い、いかにも、私がリーガン伯爵の当主であるモルガンだ」


「何故当主が国境にいないとかは置いとくとして……アリア殿から手を引く考えはあるか? お主がしたことは全てお見通しじゃよ」


すると、モルガンの顔色が変わる。

どうやら、触れて欲しくないようだ。


「あれは私のだ! 何故、手を引かねばならん!」


「正当なやり方であれば、儂は文句は言わん。しかし、お主は裏から手を回した。ギルドに圧力をかけたり、ならず者を雇って襲わせたり」


セドリック殿から聞いた。

ギルドに圧力をかけて、アリア殿を孤立させろと。

それでもアリア殿は頑張り、どうにか銅級冒険者に。

そして今回の功績で鋼級になるのを、此奴が妨害したというわけだ。


「う、うるさい! 黙れ!」


「いいや、黙らん。貴様は貴族にあるまじき行為をした。女の尻を追っかける暇があるなら、領内にいる妖魔達を退治すれば良かった」


「そんなのは私の仕事じゃない! それに、平民がいくら死のうと——ふぐぅ!?」


それ以上は言わせない。

儂は手で口を塞ぎ、ゴミのように投げ捨てる。


「わ、私にこんなことして済むと思うなよ! お前ら、こいつを消せば証拠は消える! 国王陛下の印を持った者など来なかった!」


「……屑が」


「ひぃ!? や、やれぇぇぇ!」


兵士達が戸惑いつつも、槍や剣を構える。


「お主達も、馬鹿な主人に仕えてしまったのう。いいだろう、かかってこい」


「「「ァァァァ!」」」


「ふんっ!」


躊躇のある攻撃など避けるまでもない。

抜刀を放ち、剣圧で兵士たちを吹き飛ばす。

そのままモルガンに近づく。


「や、やめろ!」


「お主はやりすぎた——牢屋で反省するがいい!」


「グヘェ!?」


顔面を殴り飛ばすと、ゴムボールのように飛んでいく。

すると、打ち合わせ通りにセドリック殿達がやってくる。


「さて、聞いていたな?」


「はっ、確かに」


「では、後始末を頼んでも良いかのう? それと、頼みたいことがある」


「もちろんです、それくらいはさせてください」


「感謝する」


儂は用意してあった二通の手紙をセドリック殿に渡して、その場を後にする。

そのまま歩き、門の外の近くでオルトスと合流した。


「ウォン?(いいのか? なにも言わなくて)」


「うむ、きっとあれこれ言われてしまう」


「ウォン(間違いないのだ)」


そう、儂はこのまま別れを告げずに出て行く。

顔を合わせづらいというのもあるが、自分の中にある未練をこれ以上見ないために。


「やはり、ユリア様に似てるのが悪いわい」


「ウォン?(惚れてたのか?)」


「どうじゃろうな? 今となってはわからん」


「ウォン(アリアではダメなのか?)」


「それは彼女に対して失礼じゃよ。それに、儂は老いぼれだ。彼女なら、もっとステキな男性がいるだろう」


儂とて朴念仁ではない。

アリア殿が、儂をそういう目で見ていることには気づいていた。

しかし、儂は死んだろくでもない人間……そんな男は忘れた方が良い。


「ウォン(相変わらず不器用なのだ)」


「放っておけ。ほら、次なる目的地に向かうぞ」


「ウォン?(何処なのだ?)」


「とりあえず国境を越えて、そこからは適当じゃ。美味い物と綺麗な景色を求めて、あちこち行くとしようではないか」


「ウォン!(賛成!)」


「決まりじゃな!」


そうして、儂らは門を出て行く。


決して振り返ることはなく。


だが、この出会いに感謝の意を示して。




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