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若返った老騎士の食道楽~英雄は銀狼と共に自由気ままな旅をする~  作者: おとら@9シリーズ商業化


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やれやれ、ギリギリ間に合ったか。


また、ユーリス辺りには言われてしまうじゃろうか。


しかし、知ってしまったからには放っておけん。


……人の性というのは、そう簡単には変わらないようじゃな。


「さて、今はこっちに集中じゃな」


「ブヒッ!」


目の前には醜悪な豚の顔に、二本足で立つ下級妖魔であるオークがいる。

下級とは言っても、ゴブリンとは違い油断は禁物じゃ。

此奴らは連携を取るくらいには頭が良い。


「ふむ、三対一か……」


「ブホォォ!」


お楽しみを邪魔されたからか、オークの敵意が儂に向けられる。

まずは蹴っ飛ばして良かったわい。

これで、儂が倒されない限り女性は安全じゃな。

すると、すぐに斧を振りかざして突撃してくる。


「遅すぎる」


「ブビ!?」


振り下ろす前に前に出て首を切断し、その腹を蹴る。

それは後ろから迫っていたオークの動きを阻害した。


「ブヒッ!?」


「判断が遅い」


儂が蹴ったことによって体勢を崩したオークを一閃の元に斬り伏せた。

それにしても、頂いた剣の斬れ味は凄まじい。

蹴ったオークごと、二体のオークを両断してしまった。

すると、それを見ていた最後の一体が背を向けて走り出す。


「ブヒッぃぃ!」


「逃げ出すか……オークの特徴じゃな」


ゴブリンはそもそも逃げる考えが浮かばない。

トロールやオーガは傲慢な故に逃げ出さない。

しかしオークというものは妖魔の中で唯一逃げることを実行する。

中途半端な強さと頭脳を持っているからと言われていた。


「だが、逃すわけにはいかん」


「ブヒッ!?」


逃げたと言ってもオークの鈍足、若返った儂の速さなら一瞬で追いつく。

そのまま後ろから首を切断して確実に仕留める。


「これで片付いたか」


「あ、あの……」


振り返ると、そこには先ほどの女性が立っていた。

その腰まである銀髪は光り輝き、スタイルや容姿が整っている。

立ち姿もピシッとしていて、格好といいまるで騎士のような感じだ。


「すまん、勝手に助けてしまったが……お節介だったかのう?」


「い、いえ、助かりました……助けて頂き、感謝します」


「そうか。時に、一人かのう? 仲間がいるなら、儂で良ければ手を貸そう」


「……いえ、私一人です」


……何やら事情がありそうじゃな。

こんな若い女性が一人でいるのは珍しい。

そもそも、雰囲気からして何処かのご令嬢のように見える。


「では、ひとまずは安心か。それで、この後の予定は何かあったのだろうか?」


「実は冒険者ギルドの依頼を受けた帰りでして……普段であれば、オークなんかに負けないのに」


そう言い、下を向いて拳を握りしめる。

やはり、色々と訳ありか……しかし、お節介すぎるのも良くない。

ひとまず、儂の目的だけを叶えるとしよう。


「なるほど……ところで、帰りといったが街が近いのだろうか?」


「ここから歩いて一時間程度かと。あそこにある街道を北に行けば、私の住んでいる街があります」


「それは良いことを聞けたわい。では、儂はこれで」


「……えっ? ま、待ってください!」


立ち去ろうとした儂を女性が引き止めた。

そうなると話は別なので、立ち止まって振り返る。


「何か用じゃろうか?」


「そ、その……何もないのですか?」


「何とは?」


「えっ? い、いや……」


そう言い、オロオロし出す。

なるほど……そういうことかのう。

大人っぽい雰囲気と凛とした姿とは裏腹に、どうやら中々に純情らしい。


「もし対価を払うことを要求されると思っているなら、それは気にしなくて良い。儂は、己の義に従ったまで。勝手に助けたので、お主が気にすることはない」


「……な、なんという……物語に出てくる騎士のよう……」


「いやいや、しがない新人冒険者じゃよ。さて、用はそれだけかな?」


「いえ、ここで礼をしないのは私の義に反します。何より、大変失礼なことを言ってしまい申し訳ない」


義ときたか……ならば、受けないわけにいかん。

儂とて逆なら、なんとしても礼をするだろう。


「なに、気にするでない。それほどに綺麗であれば警戒するのが当然じゃ」


「へぁ? あ、ありがとうございます……」


「それなら、儂を街まで案内してはくれんか?」


「ええ、お安い御用です」


照れ顔から一転し、キリッとした顔つきになる。


育ちの良さと気が強そうなところといい、何となく若き頃のユリア様に似ているような気がするのう。


……だからと言って、別にどうというわけではない。


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