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若返った老騎士の食道楽~英雄は銀狼と共に自由気ままな旅をする~  作者: おとら@9シリーズ商業化


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お節介

それから更に数日後、大きな街道に出る。


看板や馬車の後などもあるので、大きな街や都市が近いはず。


どうやら、迷子は脱したらしい。


「ふぅ、どうにかなったか」


「ウォン(人に聞いたり、我が匂いで探せば早かったのだ)」


「それでは旅の醍醐味がないではないか」


折角の自由な旅、目的地を決めずにふらふらするのが一番じゃ。

もしかしたら、まだ見ぬ景色や美味いものがあるかもしれない。


「ウォン(確かにあの森は楽しかったのだ)」


「じゃろ? 普通の道を通っていたら、あの景色などは見れなかったに違いない」


「ククーン(でも、ふかふかのベッドもいいのだ)」


「全く、フェンリルの名が泣くわい」


すると、オルトスの耳が小刻みに動く。

表情も険しくなったので、儂は黙って待つことに。


「……ウォン!(……主人!)」


「どうした?」


「ウォン!(妖魔の声と、人間の悲鳴が聞こえたのだ!)」


「そうか。では、案内せい」


騎士や盗賊たちの小競り合いならともかく、妖魔となれば話は別である。

全人類の敵である妖魔は、駆除しなくてはならない。

儂はオルトスの案内の元、現場へと駆けつけるのだった。



くっ、私としたことが……利き腕に傷を負ってしまうとは。


こんなことなら、パーティーの誘いを受けるべきだったか?


いや、しかし……結局は変わりないか。


下品な男達と行ったところで、手籠めにされるのは見えていた。


「ブヒッ!」


「ブホホッ」


目の前にはオークの集団。

どうにか別件の依頼を終えた後、帰り道に出くわしてしまった。

普段なら、こんなところにはいないはずだというのに。


「……なんで街道近くにオークの群れがいるのだ」


騎士団や冒険者達が定期的に狩りを行なっているので、そう出くわすことはない。

何も、私が一人の時に出くわさなくてもいいのに……これも、人を頼らなかった報いか。

このまま、慰み者にされるのか……いや、私はここで死ぬわけにはいかない。


「ブホッ!」


「下卑た視線を向けおって、もう勝った気か……だが、ただではやられんぞ」


退却する際に、街道から少し外れてしまった。

故に助けが来る可能性は低い。

私は覚悟を決めて、利き腕ではない方で剣を構える。


「ブヒッ!」


「ブホホホ!」


「ちっ……!」


オークどもが、次々と斧を振り下ろしてくる。

私はどうにか反撃しようとするが、利き腕の痛みが邪魔をしてしまう。


「本来なら、オークこどきに手こずるわけはないのに……!」


「ブホッ!」


「ニヤニヤと……!」


これがオークのいやらしいところだ。

妖魔の中でも、特に相手を痛ぶることを好む。

何より……人間の女を性的に痛ぶることで有名だ。


「ブヒッ!」


「なんの——しまっ!」


右腕の痛みに耐えることに集中しすぎて、視野が狭くなっていた。

後ろから迫るオークに気づかずに、背中に傷を負ってしまう。

何とか直撃は避けたが、これでは剣を振るたびに痛みが走るだろう。

それがわかったからか、オークがジリジリと寄ってくる。


「ブヒッ……」


「こ、こんなところで……助けて」


「ブヒヒッ!」


「く、来るなァァァ!」


恥も外聞もなく、ただ泣き叫ぶ。

そんな自分が情けなくなるが、まだ私は死ぬわけにはいかない。

しかし目の前の現実は……わたしの未来を終わらせに来る。


「ブヒッ!」


「ひっ……」


動きが取れないことをいいことに、オークが次々と服を剥がしていく。

その時——私にのしかかったオークが吹き飛んだ。


「ブヒッ!?」


「女子を辱めるとは……クズめ」


「ウォン!(そうだそうだ!)」


そこにいたのは精悍な顔つきの青年と、見事なシルバーウルフだった。

私が呆気にとられていると、その青年が優しく微笑んだ。


「お嬢さん、もう安心していい。このクソ共は、儂が始末する故に」


「えっ? い、いや、私も戦う……くっ」


立ち上がろうとするが、痛みと恐怖で立ち上がれない。

なんたる情けない姿だ……自分が恥ずかしい。

すると、上からマントを被せられた。


「な、なにを……」


「そのような姿を晒すわけにはいかんのでな。さて……オルトスよ、女子の守りは任せた」


「ウォン!(任せるのだ!)」


そうして、青年はオークの集団へと立ち向かうのだった。


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