13.マイクの買い物
タイトルのセンスが無い(ノД`)
宿に戻るとマイクが話し始める。
「コボルトキング倒したらもうコボルト居ないよね」
「明日からどうしようか」
アインが少し考えてから
「スネークやリザードはどうかな」
「コボルトより強いけどね」
デミオが話す。
「さっきハンター協会でスケルトンやゾンビが結構高額だったよ」
「銅貨10枚」
マイク「たしかにスケルトンやゾンビなら僕のホーリーが効くけど」
「それだと骨も残らないんだよ」
「首の第一頚骨を持ち帰らなければならない」
「近接戦闘だと。恐怖がね・・・」
「はっきり言って高レベルターゲットなんだ」
「危険度C-だよ」
アイン「動きが遅いから恐怖に耐えれるハンターならいいターゲットさ」
「後、夜だから見つけるが大変」
「見つけたら見つけたで、いつの間にか囲まれる」
「それで何人も死亡しているんだ」
デミオ「それなら多分問題ないよ」
「僕のナイトビジョンで見つける」
「無理の無いやつを倒せばいい」
アインとマイクがぽかんとしている。
確かに夜間戦闘ならデミオの方が得意だろう。
しかしそれでは主戦力がデミオになってしまう。
デミオ「まずは試してみて、うまくいくならやってみると言うのはどうだい?」
アインとマイクに反対する意見がない。
アイン「それならカンデラくらいは買ってこないとね」
「夜間カンデラもなしで徘徊するのもおかしいだろう」
マイク「ハンター協会でも売ってくれるよ」
デミオがうなずく。「僕が買うよ」
ハンター協会でエマが指示する。
「ウッドハンマーの強化」
「そうね。上から鉄板を被せて接合して頂戴」
「重量が重くなるけど彼なら問題ないと思うわ」
アインの活躍はエマの想像を超えていた。
デミオが入って戦力は格段にアップしている。
それでも3人では少ない。
せめてもう一人入るといいのだけど。
議長の指示があるからあからさまな肩入れはできない。
まったくあの議長は頭が固いのが玉に瑕だ。
確かに親の七光りと言う人もいる。
しかしアインの実力は本物だ。
将来議会で活躍してほしい有力人物なのだ。
しかしあの議長は自分では絶対推薦しないだろう。
アインが何を考えているかエマもわからない。
今までチームがなぜ2人だったのか。
謎の人物であるデミオを早々にチームに入れた。
彼は一般的なモンクとは少し違うようだとは感じる。
だが根本的に何かがおかしい気がする。
しかしアインが認めたと言うことは将来性があるのだろう。
エマとしても気になる人物の1人だ。
ガイエンはレベル5だ。
本来ハンター卒業だが。
彼は彼のチーム全員揃って卒業を望んでいる。
今回コボルトキング討伐成功なら、めでたく目標達成の予定だったが。
予想外の結果となってしまった。
キースは今回でレベル3に昇格している。
しかし、彼のチームも問題が多い。
彼も不遇の人物だ。
キースは良くやっていると評価している。
将来、役人として迎え入れる予定だ。
エマは1人1人の詳細の情報をまとめて報告書に記入していく。
報告書をほぼ書き終えたところで、1人の影が店に入ってくるのを感じた。
エマ 「いらっしゃいデミオ。ハンマーはもう少しまってね」
デミオはうなずきながら。
「スケルトンの情報をもらいたい」
エマが首をかしげる。
「スケルトンは高額だけどかなり強いわ」
「はっきり言ってお勧めしないわよ」
デミオ「ああ。それは知っている」
「でも将来的に挑戦したいんだ」
エマは少し間を空けて
「情報料は銅貨 5枚」
「スケルトンとゾンビはほぼ同じよ」
「スケルトンの実態は解明されていないの」
「でも彼らが暗がりを好むのは知られているわ」
「だから満月より新月がいっぱい出るのよ」
「町の壁沿いが出やすいという情報もある」
「動きは緩慢だけど。ばらばらにしないと死なない」
「槍より剣、剣よりハンマーが有効」
「ゾンビなら火炎系魔法は効くけどスケルトンには効果が低い」
「もし攻撃を受けると毒を受けたり傷が悪化しやすい」
「恐怖のオーラ持ちだから抵抗できないと何もできずに死亡」
「危険度C-の強敵よ」
「弱点は神聖系の魔法」
デミオ「ありがとう。カンデラをいただきたい」
エマ 「銅貨 20枚になるわ」
デミオがうなずき銅貨を25枚渡す。
エマが階段を降りていき、しばらくするとハンマーとカンデラを持ってきた。
エマ 「カンデラは手持ちのもの」
「風が吹いても消えにくいフード付よ」
「ウッドハンマーは接合を丈夫にしてみたわ」
「ヘッドの重さが2割方増しているから使用感が少し違うかもしれない」
デミオがウッドハンマーを振ってみる。
たしかに以前より重く感じる。
威力は増加するだろうが、その分コントロールも難しい。
接合は見るからに丈夫で壊れることはないだろう。
デミオはエマに礼をするとハンター協会を後にした。
エマはスケルトンについて考えていた。
高額なのはハンター対象として人気がないからだ。
同レベルならオークがいる。
オークは身長190センチメートルくらいの下級悪魔で力が強い。
しかし、恐怖のオーラ等の特殊能力が無いので強いチームなら相手できる。
オークがきつい場合は危険度Dのゴブリンもいる。
通常はこちらを選択する。
確かにスケルトンの防御力及び体力はゴブリン以下だ。
しかも町の近くに出るし数も多い。
一見お得に見えるが、暗闇での戦闘は想像以上に危険なのだ。
カンデラ1つで夜間戦闘をするのは兵士でもきつい。
数が増えすぎると厄介きわまりない。
月に一回は兵士が総出で一気に殲滅しているのだ。
デミオは宿に戻ると開口一番。
「ハンマーをカスタマイズしたから練習しようと思うんだ」
アインがベッドから起き出す。
デミオは首を振りながら
「アインはゆっくり休んでいて」
「マイク一緒にどうだい?」
アイン「デミオ、君は練習の虫だね」
「悪魔って皆そんなに勤勉なのかい?」
デミオは首を振り。
「悪魔は練習なんかしないさ」
「僕は生まれてからこんなに充実していたことが無いんだよ」
「いろいろなことを教えてもらったけどどれもうまく使えない」
「初めて自分にあっているってものを見つけたんだ」
「今はこれをもっとうまく使えるようになりたいんだ」
マイク「そうだね僕も少し練習しないとね」
「せめて自分の身を守れるくらいにならないと今後はきつい」
「デミオ行こう!」
マイクはそそくさと準備を始める。
「でもその前にこの前使った薬の補充をしたいんだ」
「市場で買い物してもいいかい?」
デミオがうなずく。
マイク「でもこの前の厄介な人たちに会ったらいやだな」
アインが軽く笑いながら。
「マイク、もし同じ目にあったらこう言ってやれよ」
「ハンター協会を敵に回すつもりかってね」
これで少しは頭の回るやつは引いてくれるだろう。
引かないやつは厄介だが
「それでも引かないやつは構わないからホーリーやっちゃえ」
マイクがびっくりして。
「え~っ!そんなことしたら兵士に捕まるよ」
マイク「そしたらハンター協会を馬鹿にしたから脅したって言うんだ」
ホーリーでは人は死なない。
せいぜい火傷くらいだろう。
マイクはそんな無茶なと思ったが、アインの言うことも一理ある。
どうしてもなら最終手段でありだろう。
アインはデミオも居るから今日はそんなことにならないだろうと予想していた。
ほとりに咲くセージ類の花がさわやかな香りを運んでくる。
午後の市場は賑わっていた。
荷物を積んだソリが走り去る。
ソリを引いているのは巨大な砂亀だ。
砂亀は砂漠に住む魔獣だが、気性はおとなしい。
全長3メートルの甲羅を被った6本足の亀のようなやつだ。
愚鈍な姿に見えるが、砂の上をすべるように移動できる。
力が強く。甲羅に溜め込んだ水を使って長距離を移動できる。
甲羅の突起にソリを固定するか、甲羅の上に騎乗する。
一般人も自由に飼うことができ昔から重宝されている。
市場には様々な品を扱う店がところ狭しと並んでいる。
綺麗に磨かれた防具を売っている店もあった。
『特売、大安売り』と看板が掛かっている。
ラウンドシールド 銀貨 3枚
長剣 銀貨 5枚
アイアンヘルム 銀貨 10枚
とても高い。
こうやって比べるとハンター協会の品がいかに安いか良くわかる。
こんなの買う人がいるのだろうか?
と疑問に思っていると、冒険者らしい一団がさっそく買っている。
ちゃんと売れるのかと少し驚いた。
マイクがおもむろに立ち止まった。
怪しげな店だ。
乾燥したなにかの死骸や、草木が瓶につめられている。
マイク「シダラモクギョの根はありますか?」
店の主人がいくつかの箱を覗き込んで一掴みの根っこを差し出す。
マイクは注意深く根を観察して、中から1本抜き出した。
主人が目を見張りながら「あんた目が高いね 銅貨 5枚だよ」
マイクが差し出す。
デミオ「マイク、君はヒールだけでなく薬草も詳しいのかい?」
マイクが得意げに
「もちろんだよ。なんでもヒールではだめなんだ」
「体調を整えてから治療を行うのが正しい方法さ」
「神聖魔法だけでなく毒や病気に対する研究もやるんだよ」
デミオ「神聖魔法なら薬に頼らなくても直せるんじゃないかい?」
マイクがうなずきながら
「最終的にはそうだよ。でも全部できるのはほんの一部の人さ」
「将来的にできるようになっても、今できないとなると困るだろ」
デミオはなるほどと思う。
「僕には神聖魔法はできないだろうから、薬草学を教えてくれないかい?」
マイクが驚いた顔で
「君は本当に勤勉だね」
「いいよ僕が知っているものなら教えるよ」
「シダラモクギョの根は煎じると気付け薬になるんだ」
「緊急の場合は少量の水で揉むといい」
「後で煎じると再利用できるから捨てちゃだめだよ」
「いいシダラモクギョの根は本数が多くて細身のやつがいいんだ」
「色がくすんでいるけどこれが一番使いやすい」
と言いながら店のなかの薬草を一つ一つ説明していく。
その豊富な知識とうんちくの多さにデミオは驚いた。
店の主人は最初迷惑そうにしていたが、マイクの適切な解説に一緒になって聞き耳を立てている。
薬草を扱って20年になるが、こんなに詳しい人物に会ったことがない。
この若さでよくぞここまで知りえたものだ。
いつの間にか店の前に人だかりができている。
冒険者や商人が解説をきいてこぞって薬を買い出した。
今日の売り上げは過去最大になるだろう。
夕方近くになり、流石に疲れたマイクがデミオに
「まだまだあるけど今日はこれくらいにしよう」
と言って店を出ようとした。
店の主人があわてて呼び止める。
「お兄さんまた来てくれよ」
これは挨拶代わりだといいながら数種類の薬草を渡す。
どれも一級品だ。
マイクは驚いたが、店の主人はにっこりと笑っている。
もらっておくことにした。
見ると毒消し、麻痺回復、疲労回復、精神安定の薬草だ。
デミオに渡すとデミオはマイクに礼を述べた。
市場を離れていつもの練習場に行く。
途中で小物店で皮袋を2つ購入した。
センスのいい刺繍入りだ。
練習場でマイクとたっぷりと練習すると日も翳って暗くなってきた。
マイクが「そろろそ戻ろう」
デミオもうなずく。
今宵は半月だ。
宿で夕食を3人で摂ると、
デミオ「今夜スケルトンやってみようと思う」
「もちろん無理しない範囲でね」
マイク「わかった。僕も行くよ」
アイン「もちろん僕もいくよ」
デミオは首を振りながら
「今日は僕1人でやってみたいんだ」
アイン「わかっているよ僕はついていくだけだ」




