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異世界ヒューマンズ  作者: 正男・ジョースター


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9/10

9 満足する料理

台湾「前日の一件から、一日経ちました」

「日本は、どんなフランスが満足する一品を出すのでしょうか?」


日本「確認だけど、満足したかどうかの判定は、どうするん?」


旭日「規定は有りません。柏手を打つ・おはだけ(キャストオフ)・生唾を飲み込む等々、双方が納得すれば何でも構いません」


日本「フランスvsイタリアの際、双方ワインも出していたが今回はフランスが酒を飲むと満足したという事で良いか」


フランス「構わん。だが、飲み物が無いのは困る」


日本「○ビアン、汲んで来た」と水の入ったグラスをテーブルに置く。

「既に料理は下拵え済みなので、後は調理しながら皆で食べよう」と椅子や机をセッティング。


日本とフランスだけでなく、他の4名も席に着く。


日本が、インベンドリから炭火用の焼き台を取り出す。


日本「既に、炭は熾してあるッ!ので、焼き始めるね」


台湾「炭という事は、炭火焼料理でしょうか?」


旭日「この焼き台の形状は、あれでしょうね」


日本「はい、お冷とおしぼり」


一人一人に手渡される熱いおしぼり、席の前に置かれるコップに入った氷水。フランスの前には、当然○ビアンも……


日本「酒は、そこにビールサーバーあるから自分で注ぐセルフで」と串に刺した物を焼き台に並べながらいう。


フランス以外は、わいわいと中ジョッキやグラスにビールを注ぎに行った。




 ◇◇◇




◆実食◆

日本「はい、鶏モモ。塩かタレかは、最初お任せで」


ねじり鉢巻きをした日本が、一人一人に鶏モモを渡す。


台湾「今回、何故焼き鳥だったのでしょうか?」


日本「これまで出した料理は、他国にルーツにある物が多かった」

「魔改造料理も日本らしいが、美味い不味いというだけでなく食文化としての矜持が感じられないとフランスも認めないだろうて……また、フランスと言えば鶏でもあるし」


旭日「フランスの象徴(シンボル)ですしね」



フランス「……」



日本「はい、ムネ肉」と全員に渡す。


皆、焼き鳥を食べながら大いに飲んでいる。


日本「お次は、ヤゲン」


台湾「何でしょうか、これは?」


旭日「ヤゲンとは、薬研という薬を作る時に使われていた道具の形に似ているから名付けられた、鶏の胸軟骨です」


焼きながら自らも飲み食いしている日本が、ヤゲンを食べて

「軟骨がうめーんだよ 軟骨がぁ~~~~ッ!!」


台湾「しかし、色々な部位に分かれていますね」


旭日「和食は、引き算の料理とよく言われますが、鶏に関してここまで細かく分けて、素材そのものを味わう料理も無いでしょうね」


日本「鶏料理も焼き串料理も世界中にあるけど、物凄く日本らしい料理」


旭日「世界だと、大きい肉を金属串で焼いたり、スパイスを多く使ったりします」


台湾「日本の焼き鳥は、竹串が多く。サイズも一口大。他の材料は塩やタレとかですね」


日本「塩やタレも、素材を活かす為に拘った」

「塩は、そのものを使う為、味にもナトカリ比等の健康の為にも厳選した」

「タレは、創業以来継ぎ足し続けた秘伝のタレだ」


台湾「創業?」


日本「ふむ…理由あって10年近く修業をした…」


旭日「……スパイスって、肉の臭みをマスキングする為にも使われますしね」

「肉の色が凄い事になっていても、スパイスを擦り込んで焼けば分かりません……」



日本「はい、つくね」


旭日「卵黄を絡めて食べるタイプの月見つくねですね」


ピッチが速くビ-ルのおかわりに行く面々。

酒を飲める年齢から随分経ち、酒そのものだけでなく雰囲気も味わえる様になった。

これまでの試合を振り返ったり、他愛もない話で盛り上がっている。


日本「はい、鶏皮」


旭日「皮をカリカリに焼いてあるバージョンですね」


台湾「他にも、種類があるんですか?」と言いながらつくねをビールで流し込む。


旭日「カリカリにせず、しっとり『もちもち』なのもあります」



日本「はい、ささみ」


台湾「上に載っているのは、若しや?」


旭日「はい、わさびです。ささみは、梅肉や柚子胡椒等にも合いますね」




日本「はい、砂肝」


台湾「スナギモという事は、キモ。内臓系なのでしょうか?」


旭日「いえ、砂嚢さのうという、食べた物をすりつぶす筋肉の部位です」




日本「はい、ネギマ」


台湾「ネギマのマとは、あいだの事でしょうか?


旭日「いえ、葱とマグロのネギマが由来です」


台湾「え?」


旭日「葱と鮪の葱鮪鍋(ねぎまなべ)があり、そこから葱と鮪を串にして焼いたのが出来、それの鮪を鶏に変えたのが焼き鳥のネギマです。言い方は、そのまま残りました」

「マグロを(あやか)った形ですね。カジキマグロという種類は無いんですが、売る際にマグロって付いてた方が……という」



日本「はい、レバー」


台湾「フランスのは、我々と色が違いますね」


旭日「白レバーですね。フォラグラに似た濃厚さですが、所謂、脂肪肝です」


日本「白は量が取れなった、ゴメンね」




日本「はい、ボンジリ」


台湾「ボンジリとは、どの部分でしょうか?」


旭日「シリ、お尻になります。マグロで言う大トロの様に脂がのってます」


フランス「なんちゅうもんを食わせてくれたんや… なんちゅうもんを…」

「酒! 飲まずには いられないッ!」と、いつの間にか注いでいたビールを飲み干す。


台湾「フランスが、自らビールを飲みました!」


旭日「これは、満足した……という事で日本の勝利変わらず……全勝優勝です」


台湾「……まあ、このシチエーションを水で……ってのは無理ですよね」


日本「フランス料理のマリアージュは、ワインと料理を更に高める結婚と言われる」

「それは、食中酒という考えが一般的なのも大きいし、重たいフランス料理を食べる際は赤ワインのポリフェノールとかで体に悪いのを減らさないと……と言うのもある」


旭日「確かに……飲みますね」


日本「日本にも『であいもん』や出会い物と呼ばれる物があり、多くは食材同士の良い相性だが、ビールに枝豆と言った物も含まれている」


旭日「焼き鳥や唐揚げ、ハイボールやレモンサワーも……」


日本「そう、それらはカタカナだし元々は外来の物、しかし『美味ければ よかろう なのだァァァァッ!!』で日本食に取り込んだッ!」


旭日「ビールもウイスキーも他のも、今は日本で作ってる程ですしね」


日本「ボンジリは、脂が多い部位。それを流す為にも、シュワシュワを欲しがるだろうて……更に『フランスさん、その塩はフランス産の塩ですよ』」


フランス「これに比べると○岡さんの鮎はカスや」


旭日「とんだ、とばっちり……」




 ◇◇◇




ふりそで、ちょうちん、せせり、おたふく、あいだ、白子、油つぼ、etc……

他の部位も含め、塩やタレで食べ比べたりと、試合後は一緒に宴会でわいわいとしながら飲む完全な飲みに……



フランス「……実は、今回の戦いには理由があったんだ……」と大ジョッキを飲み干す。



そこへ「飲んどる場合かーッ」と大きな声がッ!

日本「日本では、お酒は20歳からです」

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