↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕たちの物語  作者: 鎧
旭編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/42

三十一節 災禍

現場は静かな交差点だった。

人通りは少なく、目撃者もあまりいなかった。

旭は気がつくと地面に転がっていた。

自転車は大きく曲がり、足に絡みついていた。


「……っ!」


なんとかして足を抜き出す。

周りを見渡す。

あの子も倒れている。

車が一台、停車していた。


状況を察した。

自分の痛み自体はそこまでひどくない。

けれど周りの空気は、ただならぬ緊迫感を放っていた。

細かな記憶は曖昧だった。

それでもしばらくして、救急車がやってきた。

誰かが通報してくれたのだろう。

続いて警察も到着した。

旭は足の怪我以外、致命的な傷はなかった。

あの子の方が重症のように見えた。

病院へ搬送され、長い時間待たされた末に、ようやく診察が行われた。

診断は、捻挫と打撲。

あの子とは別行動だったため、詳しい状況は分からない。

それでも旭の心は、ずっとソワソワと落ち着かなかった。

新しい生活の始まりに、どこか嫌な予感が漂っていた。

けれど、それ以上のものではなかった。

後日、警察と共に現場検証が行われた。

自転車の代金は、とりあえず弁償された。

移動手段を失わずに済んだことに、旭は胸をなでおろした。


数日経ち、旭がその子を起こしに行った時、異変が起きていた。

あの子が頭を抱え込んでいた。

強い痛みに耐えかね、口元から涎が垂れている。

旭は一瞬パニックに陥ったが、必死に状況を確認しようとした。

意識はある。

だが、激痛のあまり動くことすらできない。

その子が絞り出すように言った。


「救急車……」


旭は静かに頷き、携帯電話を手に取った―――。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。