第77話 集団戦其の参
パンっという音と共におれの頭に付けていた紙玉が割れた。
「これは、破竹灯の拳銃だな。鬼氷壁!」
おれは弾丸が飛んできた方向に氷の板を生み出し、障壁とする。
「涼、引き付けておけ。俺が仕留めに行く」
隣に居た錬次がそう言って駆け出す。
模擬戦が始まって五分、折霜涼と穂月錬次は会敵していた。
漣、槌屋、笹舟は開始と同時に各々散ってしまった。
おれと錬次は二人で行動していたが、両者とも索敵が得意ではない。そのため相手側から先に見つかり、今に至る。
(妙だな。破竹灯はおれの術を知っている、こんな攻撃では打ち破れないと分かっているはずだ)
おれは断続的に撃ち出される銃弾を、氷を使って防ぐが、そこで違和感を覚える。
(とすれば……)
「おれ達を分断するのが目的か!」
敵の狙いを悟り錬次の方へ駆け出す。
しかし道の両脇にあった木の枝が、おれの進行を阻むように伸びてくる。
「これは、深林坊って奴の術! 錬次と合流させないつもりだな」
おれは氷を纏わせた手裏剣を振りかざし、枝を掃う。
しかしそこで右肩に衝撃が走る。見ると右の上腕に付けていた紙玉が割れていた。
「あと一つ」
紙玉を割ったのは、どこからともなく現れた風見宙飛だった。
「宙飛!」
おれは宙飛に対して手裏剣で攻撃を仕掛けるが、彼はそれをのらりくらりとかわして身を引く。
「鬼霰!」
「虚実皮膜」
距離を取った宙飛に、おれは氷の弾丸を撃ち出すも一つとして当たらない。
「このっ……」
「僕ばかりに構わない方がいいよ」
宙飛の言葉と同時に、今度はおれの左肩に衝撃が走った。
「何っ!」
一瞬何が起こったのか分からず、おれは反射的に振り向く。
「紙玉を三つ割られた君はこれで退場だね」
おれを背後から襲ったのは、木刀を構えた深林坊だった。
深林坊の言葉におれは歯噛みをすることしかできなかった。




