表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
71/115

第71話 篝火吹き消す突風

(全然駄目だな、僕は……)

 試合を終えて見物の位置に戻った僕、風見宙飛は深い溜息をついた。


(まあ、錬次を倒したと云う槌屋に、僕が相手になるわけないか……)

 風見屍這かざみしばいを使えば勝機はあったかもしれない。だけど、あれはこんな大勢の前で、それもたかが模擬戦程度で披露すべきものではない。



 僕がそんなことを考えている間に、中央に進み出たのは漣蒼茉(さざなみあおま)破竹灯篝(はちくぼかがり)

 次の試合はこの二人の対戦だった。


「行くぜ!」

 破竹灯は渡された赤碧玉あかへきぎょくの欠片を手に験力を籠める。


 赤碧玉から深紅の光が漏れ出し、火取蛾ひとりがの姿を形作る。

 そして破竹灯は拳銃を構えて、その銃口を蒼茉に向けた。


「来いよ」

 対する蒼茉は全身を不気味に揺らしその場で舞踊ステップを踏みだした。


 破竹灯が拳銃から火炎の弾丸を放つ。蛾の式神によって強化されているのか、その炎は先日の体育祭よりも勢いを増している。

 しかし、その弾丸は蒼茉に掠りもしなかった。


虚実皮膜きょじつひにく

 蒼茉が使用したのは、夏休みに修行した風見家に伝わる歩法術だ。


「ちっ、テメェもその妙な術を使うのかよ」

 破竹灯が憎々しげに吐き捨てる。


 虚実皮膜は距離を取るのが必須なので攻撃に転じるのは難しい。

 僕が破竹灯と戦った時は小細工を弄したが……


(天性の瞬発力を持つ蒼茉に、その必要は無いだろう)

 僕がそう考えるのと同時に、蒼茉は右手の飛去来器ブーメランを破竹灯に向かって弓形に投げ付ける。


這燕はいつばめ

 破竹灯がそれを拳銃で弾いた時には、蒼茉は既に破竹灯の懐へ滑り込んでいた。


「……ちっ」

 蒼茉の左手の飛去来器ブーメランを喉元に突きつけられた破竹灯は、悔しそうに拳銃を持つ手を下げた。


「そこまでだね。勝者は漣蒼茉」

 風切の言葉と共に第二試合が終了した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ