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空気(ぼく)たちの町においで  作者: うえぽん
第22章 残暑ってお得な気がするよ。
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903/905

892 良かったねにしたい。12/18

12月18日 金曜(晩冬、人によってイイコトは違うんだよ)

いよいよ本戦なんだけどトレーニング要素が強くて合間に試合形式の

デモストするって感じ。最高の晴れ舞台のはずがイジメになるのは僕くらい。

必要だからする。そこに感情は余計なことって強がってみるよ。

 こういう初めてすることの一番目って目立って良いと思うんだけど、()けたいものらしい。それでなのか順番決めの枠が2番からになっていて気休めだなあってしてたら、1番目になんか入っていた。ゆったりしたイベントだから同時にする競技はないし次の競技は近い場所になってラクラク。

 3回目のスポーツ大会は初回の街になるんだけど競技場だったいくつかは既に建物が建っていて郊外や別の村になる。あの時はいくつかの会場だけで済むと思っていたから計画地に大きいのを建てる余裕がなくて、観客席がちょびっとしかない建物を始まってから建てていた。

 始めてスポーツ大会をした時は、お友達でも仲間でもないから真っ先に(はじ)かれて観戦ができなかった。それが自分の立ち位置を考えるキッカケになったし、予想を(はる)かに超えた参加だったからグルンワルドのお仕事システムをちょこっとイジって導入した。さらに設備を足したものの試合がミチミチ。それでも足りなかったんだけどね。


 僕のところには情報がいっぱい飛んでくる。前はそのままだったんだけど、今はサーバで分析して分かりやすくて、かなり楽になった。けど分かりやすくなると見過ごしがちになるのはどうしてかな。

 全部の抽選順が決まったってピロン。そうしたら一番目は名前ではなくて僕のことかなぁの「ニャンコの肉球マーク」があるの。そういえば呼ばれることがないからって名前がまだない。必要とも思わない。

 たまに理事長とかオーナーでオイとか視線とかだけど、呼ぶ人がいないっていうのがふつうで戸籍がどこにもなくて、それでも困る事はないんだよね。

 巫女(みこ)は特別な存在であるって認識が聖国圏関係なくされる。誰も不思議と思わなくて名前を書き込まなくても登記が可能になるから、ないの忘れがち。

 空気だから必要だろうって逃げたりはしない、つもり。


 僕を一番にするのは()いているのを埋めるために都合がいいってだけだろう。

 選手でもなんでもないんだけど、お前やっとけってだけで穴埋めに都合が良いんだよね。誤解したりしないよ。

 整備されたままってことがいい場合とよくないがあるんだけどスケートは良いことで削れたり穴が出来ていなくて突っかかるとかがないの。

 スピードスケートって競うものじゃないのって、順番を待っている人達がいるのに一人だけでよ〜いどん。周りに引きずられるって事はないし目標の人も必要ではない。ペースっていうのを間違えると遅くなるって知ってるよ。

 僕に駆け引きっていうのは効かないんだけど他の人達はそうではないようで、全体のタイムが悪くなったり、オーバーペースになったりするのをいっぱいみた。

 こうだよっていう本をいくつか出しているんだけど、影響される人達の気持ちは分かってないのに研究でこうなっているから、こういう動きとか作戦が考えられるってしてる。バイアスが掛かる事がなくて理論とかデータ分析だけなのにとても現実的で効果が高いらしい。

 ス〜イスイってゴ〜ル。いつものようにシ〜ン。

 最初だしソロランだから当然暫定1位。第2回大会からタイムが出る(追加したのがそういう競技)んだけど比べる参考値も前走もないからどうしようして、トロそうだから一番にしたのかな、なんて思ったり。

 次に出走する人達には仲間いっぱいで、おなじみになりつつある国旗パタパタをして名前を叫んでいる。そういうのはチカラになるし仲間の結束が深まる。いいなというのは考えない。ペース遅いなあとか言ったりもしないよ。


 始まりだけすれば用なしだから、さっさと()けてピュ〜って南下。

 南の鬼さん村を港にしたけど作った(上水道の)インフラだけでトンテンカンをまだしてて、ポロッと設計図した運搬船や漁船をう〜んってしてる。

 小さいのを作って段々と大きくしながら技術を習得するというプロセスで、今は十のウチの3くらいというところ。それで片っぽだけでどうすんのだけど、先ずは懐柔って南大陸でもやっぱりいたニンゲンに木を育てさせている。

 当面は少ない緑地部分にオリーブを植えつつ、改良地の植樹を任せているんだけど、ゴハンあげるし単純なお仕事をあっさり受け入れた。

 キッカケには甘味の懐柔をして、でもやっぱり文化レベルが低いからお砂場を改良したトコに植えるだけ程度。文化引き上げっていうのは相当難しいって分かっているから、抱え込んで働かせていてドレイと変わらないんだけど、鬼さんに余裕(船が造れるようになったら)が出てきたら、ここも見てもらって子どもの興味を使って読み書きをドリルから鍛えて、その子達が大人になる頃に対等に持っていくっていう感じで促成はしない。


 雨がほどよく広範囲に降るようになって、ちょこっとズルをしてスクスク。収穫した実を洗って粉砕して石臼(いしうす)でペースト状になったのをネリネリして、ギリギリと絞って、それを濾過(ろか)したら完成という今のレベルで出来る方法でする。

 ちゃんと労働をしたら対価があるっていうのにして、分かっていないだろうけどカタチだけでも幸せにするから未来ではちゃんと文化しようね。

 少しずつだけどたくさんの油にした初回出荷分を積んで倉庫に入れて、(しぼ)りたてのオリーブ油を使って美味しいにする。高かった油が安くなればパンに塗るとかパスタにかけるとか気軽に料理に使える。

 色んなのから調達して動物油ばっかりだったのを、綿実油にヒマワリ油、菜種油にオリーブオイルが加わることになる。

(コーンは飼料メイン、油にするのはもう少し先になるよ)


 翌日はダンススケートで真ん中部分を使って周囲はコース位置に掛かる大スタンドをセットしてある。練習では遠かったから注目度が高くて席をたくさん用意したけど満席になった。夏にした体操のスケート版という雑な説明をする人のが分かりやすかったみたいだけど氷上のバレエの方が近いはずなのに、庶民はバレエは見たことないからだけど理解が進めばそういうのはなくなる。

 完全に別モノっていうのをアピールするつもりだし、そう見せなきゃいけないようにジャンプ何回とかステップの方法とかをたくさん考えて、そういう要素を入れるようにそれがどのくらいの技術でして美しさとか弧のカタチとか明確に違いが出るから体操以上に細かい。

 考えたのはそうなんだけどイキナリそれをヤレっていうには時間が足りない。このくらいの事をしてねって程度にしてる。

 技術をみせるなら正確な図形を滑るっていうのが分かりやすいんだけど、面白そうに思えないからナシ。規定のステップをして回転やポーズという規定のあるものと自由に演技してというのとセットで得点を競うというものにした。


 体操ではどうしようか迷った音楽なんだけど、スケートでは最初からアリにしてて僕は明るいコミカルなのを選んだ。

 祈りのポーズから始まって、荒れた海や灼熱の大地を乗り越えて行く。巨大な敵を倒したら荒々しかったのが止んで勝利の剣を掲げるというのを表現していて、元の規定だった3つのジャンプ、3つのスピン、2ステップというのを入れた。今回はそれぞれ1つ以上というのだけだから、これくらいはクリアして欲しい。

 回転は高かったし、ジャンプの難易度も高めでコンビネーションというのもしたし、楽しい音楽だったからノってくれると思ったんだけど静か。カッコイイ剣のつもりで伸ばした腕が空しい。ペコリしてピュ〜ってサッサと退場。

 手に入ったオイルで料理の研究をする。タネもオイリーなんだけど味が落ちる。混ぜたのと果肉だけのと別にした方がいいな。

 今までのってマゼマゼだけだったんだろうけど地元農民にそういうのってフィードバックされないし、管理しているのも細かくはみていない。だから道具管理が甘いしそれぞれの意識が低いんだろうね。

 じゃあって考察をする。気を(まぎ)らしているだけかもしれないけどね。


 翌日はフリー。とはいえ何してもいいって事はなくて、このくらいはしてという目安はある。当然前日の演技を超えろってことで、パンフのあおり(解説)には技術のことや採点ポイントがあって観てる人達は回転を数えて、にわか評論家を量産している。ジャンプは片足で踏み切って片足で着地というのは評価にある。細かく見ればエッジの内側か外側かとか高さやブレ、キョロキョロしないとかバレエのような評価まで合わさってかなり厳しく規定したけど、そこまで判定出来ないだろうし真面目に取り組んだのは浅いんだから双方にこれだけはというリクエストはしてる。

 外でもキレイに届くような研究をしていて反響音や残留音、音量、音の成分調整までして小さいけど大事な音まで届く。

 僕らは外イベントが多いし、いくつも持ち込む事は出来ないから少ない機材、出力装置で実現できるようにがんばっているんだよ。


 なので静かなオーケストラもできる。静かで(おごそ)かでキレイで正確なステップ。

 すうっと2回転フリップ、2回転アクセルを流れで決めてステップをしながら大きくぐるりしてポンっと後ろから片足で飛んでくるり片足で着地、いわゆるバック宙をして勢いを付けてクルクルクルリ。中央で回転、ぎゅっとさらに速度を上げる。

 ジャンジャンって音楽が終わってパタリってポーズで終わり。

 音楽が演劇のために作られたもので、ストーリーはお馴染み。やっぱりシ〜ンってしてて四方に優雅にペコリして刃に保護サックをしてピュ〜っと逃げた。

 その後に大きな声があったんだけど誰か登場したんだろう逃げなきゃってそのまま飛行の道具でヒツジの村まで一目散した。

 音に包まれていい気分だったけど終わったら音が無くて、すごく冷たい刺すような視線がいっぱいで怖かった。


 弱者は逃げるのが一番有効な手で、怒りは時間が解決する。どうせ次も吊し上げ出来るからだけど、僕の逃げ足はそうはいかせないよ。

 あんまり行かない場所だしね。理由にはなる。初めにヤットカメ(久しぶり)でゴメンネってしたよ。

 少し前にここの人達に新しいお仕事だよって、(くすぶ)っていた(そういう勉強をさせてた)人達にじゃあやってした。農業のトレーナーで指導者だし管理人で役所業務まである。営業は鬼さんにだけ。

 楽になるためにはそういう人をたくさん育成しないといけないというハードミッションでね。モヤモヤを溜めまくっていたから平気かなって。

 先祖がってメンドクサイなんちゃって農民が去って、空いたところに流民を持ってきたからよろしくねって丸投げしたまんま。

 段取りとかシナリオや衣食住まで用意したんだけど、大きな問題があった。

 言葉が通じない。

 ネイティブは別系統の言語同士。だけど勉強している共通語なら一方的に伝わるからいいかってしてた。けど学術書や高度な本を読む用だから日常会話的な語呂が抜けているところは子ども達が補完してくれるだろうという、今思えばかなり不親切だったからゴメンネしたの。


 明日はペア競技だからエントリーはなし。ゴハン作るよってしたら伝令が走って向こうの村人も呼ぶってなった。

 トントンしていたらワサワサ気配が増えて野太い声や高い声、走り回ったんだろう叱責の声に流民の言語があって、赤ちゃんの泣き声まである。

 煮物焼き物、蒸し料理になつかしいだろうスパイス料理に鍋を3種。南の大陸のフルーツにつぶつぶのもある。

 料理いっぱいは久しぶりでイタダキマスするよ。

 出来立てオリーブオイルが手に入ったし、ここの新鮮野菜と生の肉やオサカナを(あえ)えてどうぞ。肉に(かたむ)きがちな西の人達のゴハンを何とかしようと色々作っていて、販売もするけどレシピを公開してもっと野菜くえにしたい。

 流民だった人達が来てからの事をわ〜っとする。収穫があったとか今はムギだとか毎日タマゴを食べていて子どもが笑っているとか、ただ言いたいらしい。

 少し言葉を覚えたとしても伝わらないはストレスなんだろう。語彙(ごい)の少ないもの同士というのもあって変換とはならないから大変そう。なかったものを知るのは楽しい事だから新しい生活と相まってイキイキとなったようにみえる。


 自分で作ったものを食べたり、何かを作ったりというのは期間と環境が制限されて出来なかった事が多い。仕方ないで逃げていた事がやるべきことに変わったメンドウを楽しんで当たり前にしていく。それはこの(はず)れ村でもで仲良しになっても分けている意味を勝手に想像してる。新しい命が増えて誰もが未来を夢想しているんだけど、それはきっと大きなこと。

 僕はたぶんそれを上回る計画があって、どうしようかなしていたけど大丈夫だと思った。夜遅くに彼らは帰っていって朝ごはんを作って、お昼ごはんはもう一つの村でどうぞして、オヤツは流民の村で作った。

 今は人が固まっているんだけど春からは拡散というのを繰り返して地域に満遍なくなるまでする。春からリネンを順番にしてヒマワリしたりソルガムや豆に飼料用の改良トウモロコシとか植える。

 マリーゴールドやレンゲにしないのはキレイって放置されそうだもの。食べ物に繋がるものであれば残らず取って()き込みするでしょ。何でもかんでも欲を嫌悪する聖人ぶった宗教や思想があるけれど、フタをしたら(ゆが)みばっかりになるし向上に意欲しなくてツマンナくなる。正しく欲と付き合えるように仕向けるね。

逃げたら仕方ないになるから、先送りしていた事をする。

タイミングって難しいから放置を選択しがちだけど、これで良いのか

分かんない。時間や機会に会えたのなら握手をして精一杯のことを

してよろしくねするんだよ。


次は火曜。おなか冷やさないように夏バテ注意だよ。

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