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空気(ぼく)たちの町においで  作者: うえぽん
第22章 残暑ってお得な気がするよ。
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891 冬のスポーツをひとつ。12/17

12月17日 木曜(晩冬、雪山遊びって楽しいね)

雪遊びを楽しいにしたいなら投擲(とうてき)の遊びでも良かった。

けど繰り返しして欲しいから、意味を持たせないとダメ。だってここを

リゾート(人が楽しんだり、(くつろ)ぐ場所)にしたいんだもの。

だからちゃんとスポーツっていうルールのあるものにしたかったんだよ。

もう急がない。ゆっくりと楽しいにしていくからね。

 最初のスポーツ大会は国を背負(せお)った選手(兵士)なら万能なはずだし、国際大会もしているプロなんだからちょこっと競技が変わっても合わせてくるだろうって前振りナシに始めた。

 そんなに集まらないと思っていたし素人(しろうと)な僕らと遊んでくれるかなって程度。それを前例にしてこんなに楽しいよって多くの国を誘い込むってつもりだった。

 実際に僕らの中(プレ大会をした感じ)では白熱した内容になったし、陣形とかそれぞれの役目、テクニック先行で試合にもなっていないもので、玉蹴りとかカゴ入れとかも広場でちょっとしただけの経験しかないんだから本職はもっとすごいだろう、楽しみってね。

 国際競技会もしている足タマ(フットボール)やカゴタマ(バスケットボール)では(かな)わないけれど、新競技なら初回アドバンテージで優勝取れるかなって甘さ100%だったんだけど、そんなことはなかった。

 でもガッカリで終わらせないって初心者教室をして楽しいを伝えたし、みんなもそういう気持ちで教えたから第2回大会が成功したと思うんだよ。


 先日した大会でも新競技はお粗末で、まず理解が必要というのは痛感したからデモンストレーションってつもりだし、楽しんもらうのを第一にすることにしてる。

 チラシにはやるよってだけで競技を前面に出していなくて、リゾートの計画説明っぽくしてある。その方がエライ人達にウケ良さそうだしね。

 とにかく見てもらわないと始まらないし、冬は籠もる意識が長年あった。雪は交通の障害で災害の元ってイメージだから、元々来た人達に楽しんでもらう計画はして遊び方は考えてあった。なのでその割合が変わっただけってことで、人のお友達やそういう組織がないから、僕が準備や予測をして発注をしてマニュアルや案内方法や宿の振り分けのシステムやホテルのデザインや衣装とかも全部してて誰にも相談はしていない。

 どこでもいるオトモダチにはお話しを全部してニコニコ聞いてくれる。山のケモノ達にはオナカ減ったらってゴハンの場所をいくつか用意して、大きいクマとかオオカミとかはここに近寄らないでってお願いをしてある。


 あの山脈の向こうが聖国ってことで砂の国とはお隣同士。古くはこの(あた)りも聖国だったようだけど入植して領土を広げるという政策をしたらしい。アチコチから削られて現在の広さってことで(あなど)られていたみたいだね。

 もう少し向こうが最高峰でそこで山脈は終わっていて行き来が出来るルートがある。これ以上聖国域を侵食しなかったのは、ケモノが異常に強いらしいってことで種類も豊富なんだって。クマもオオカミもいるしモジャモジャのもいる。大きなシカとかウシみたいのとか大きなニャンコがいるからみたいだし、ウサギとかネズミとかヘビやクモやハチとかの虫とかもで、とにかくいっぱいいる。

 山の上の方は氷河があって(ふもと)からも壁みたいな白いのがみえる。上の方ではその氷河の上を(すべ)るってコースも用意してあるよ。


 山は先月から部分利用可能で段々と広がって末頃には全部お見せする。

 上の方にはロープウェイで一気にあがるのと山をくり抜いた列車があって、ここは電気機関。豊富な水を使って発電。それを村のインフラしてて今は灯りとか風呂を沸かすとか空調システムとかに利用してて出来るだけ精霊石道具に依存しないという(僕としては)初の試み。

 けど大きくなりすぎるから制御部にはやっぱり石が入っているんだけどね。

 いくつかのゾーンが利用できてリゾートってしているから、それぞれいつもより()ったレストランがある。

 三ツ滝郷の山の方では太郞は冬は安全と整備に係員が詰めているだけで次郎の上と三郎の(ふもと)に普通のしかない。近いし行き来はバスが一歩通行でグルグル走っている。

 そういう差があるのは歴史ってヤツで利益っていうのもある。

 イベントを推しているけどレンタルは補償金ってだけだし、提供している食事は低価格でバスまで運行しているから若干マイナスだけど全体で利益を出しているだけだからがんばっているよくらい。

 期待する街の人口が少ないし、旅行というのをやっとみんながし出したって段階なんだもの。プラスになっている自体が奇跡なんだよ。

 西の方はリゾートっていう概念が既にあるから、休息する場所は当然あるべきものになっている。誰もがそこで頑張りすぎない程度で休息をとってお金をしっかり落としてくれるし、見合うモノを提供しないといけないくらい普通にある。

 何かをするだけではなく景色やサービスを含めて楽しむという考えを説明する必要がないの。


 だから造って安いモノからそれなりのものを提供をしても(もう)けが出る。

 今の技術はたかだか百年程度で、ようやく色んな事ができるようになった程度だもの。それだけにすると投資額がヤバイことになる。複雑すぎるし故障が多くて耐久性も怪しいから運営でも大赤字になるんだけど、精霊石の道具作成は先時代からの技術だから洗練されていてムダがないしエネルギーの塊だしね。

 それで一点ものって作り方をするんだけど、僕から見ると一から毎回新たに構築するから時間が掛かるし習得するにはたぶん半生を掛けないと無理なくらい。

 初期システムが用意してあれば上物(うわもの)を造るだけってことで、それなら習得は数年すれば身に付く。ほぼ別々な技術(ではないけど)難易度はかなり低いよ。

 キゾクから同じことしかリクエストされなくてメンドウだったからパッケージするというのは自然な成り行きでしょ。

 時間はいくらでもあるけど、そのものに費やすヤル気は有限(飽きちゃうん)だもの。回数制限はあるし、つまんないんだよ。そういうの。


 ただ雪の場所にポイってされたらキレイだけど寒いだけ。

 雪玉を作るとか、それをコロコロして大きくするとか、板に乗って滑るとかっていうのが出来ることはないの。人というのは模倣(もほう)を蓄積して社会性を得る真っ(さら)なものなんだから、色んなもののに触れたり見たりを繰り返して理解を獲得して、真似してやってみて教わって言葉を発してという面倒なことをしないと「人」というものにはなれない面倒な生き物なんだよ。

 けどそれを蓄積して何か起こすという応用力が素晴らしい。能力が足りなければ(おぎな)えば良いし、それを1人で()()げなくても、近くの人や過去や未来の人や会った事も無い人とも協力をしてすることが出来る。

 まあそれも「雪玉遊びをしましょう」って優しく導いてくれる人がいれば、間の面倒なプロセス(興味→発見→実践)をしないでもラッピングされたまま楽しいでいられる。

 スタッフ(NPC)は急ぎがなければサポートをするし、そういう所には親切な人がいてお助けしてくれたりヒントをくれたりするというのを配置してる。

 どうせ覚えていないだろう人が名前を呼んで前(経験)の引き継ぎをする。旅行の申込でスタンプされていて、誰かさんではなく名前で声を掛けられる。

 これはみねこの湯の時から始めたことで「誰か」が分からない僕のためで、宿の素人だった人達のガイド(苦肉の策)ってだけだった。

 最初のは外部端末(アクセ)が必要だったけど、それを(知識みたく)焼き込みのような刺青(いれずみ)しちゃえって乱暴な発想を経てこうなってる。

 問題ありそうなんだけど物珍しさから反対や拒絶する人はいなかったし、アクセだけだった人もスタンプをしてる。

 総鈴付(すずつ)けってヤバイことなのに、みんなが当然のようにポンってするから気にしたり拒絶する人はいない。大衆心理は助かるよ。


 小さい子どもを預けられる場所とか、ガイドするスタッフとか連れて行ってくれるとか、指導とかっていうのにはオゼゼがいるんだけどエライ人達には普通の事で、庶民だって外国に遊びに来られるような人ならそういう知識はあるし、遊び方ガイドみたいなもので基礎知識的なものは事前に手に入れられるようにしている。

 パックにはどの程度のサービスが受けられるっていうのがあって、たいていの人は最初にドカッと支払って後はおみやげ代くらいという事も出来る。

 ケチケチにしてツアー中に残金の心配をし続けるくらいなら、先に払っとけってガイド冊子には書いてあるから、ほとんどの人達がそうしてる。

 僕らとしてもリアルマネーは騒動の元だし、萎縮(いしゅく)しがちなので持ってかないでオカネはチャージ!を推奨してる。

 贅沢(ぜいたく)したいとか滞在期間を延ばしたいけどって人達にもパートはある。イベント中は特にスタッフ不足だし、ディープに楽しむならこっち側も経験した方がいいよって、案外お金に困っていないけど(始終ヒマだし)イラッシャイマセってね。


 この競技会は当初の計画からかなり趣旨が変わっていて、リゾート紹介が多め。

 託児から小さな子どもやちょっとだけ遊びたいって人達のガイドもニコニコしながら優しい。楽しい雪遊び投げからイグルー(雪の家)を作ってお茶するとかっていう入口もして誰もに退屈なんかさせないよ。

 常時するのはこの期間だけだけど、今後はそういうのを設定して参加という風にするつもりで、暖かくなって緑になったらトレッキングとかキャンプとかヤッホーとかできま〜すに期待しちゃう。

 スイスイって滑れるようになると、ピョンピョンしているウサギとかス〜っと横切るキツネとかくらいは見ることが出来るかもね。

 斜面をダ〜って滑るのとか、ジャンプしているのがスゴいっていう練習風景を今の時期は見る事が出来るし、高地にあるような湖風にしたリンク(スケート場)ではクルクルダンスをしているのとかシューッとスゴい速さで滑っているのを見て、合間にそこでス〜イスイってすることも出来る。


 スケートの方で滑れるのは合間時間とか暗くなってからなんだけど、昼間は練習を見ているのが楽しいよ。時間を区切っている方がまだ初心者ばかりの人達もピリッとして上達が早かったりするかもしれないけど、どうなのかな。

 長く泊まっている人はいるし、競技会見物が目的だとしてもそれだけじゃあきっともの足りなくなる。

 温泉ではないけど工夫を()らした楽しいとか情緒あるとかがそれぞれ違うのを考えたし、お馴染みの湯気のお風呂や砂に埋もれるというのもあったりする。

 湯上がりはピンポンしたくなるし、ツミツミしたりカードしたりっていうのも用意といたよ。

 砂の街では相変わらず街角スポーツが盛んだけど、実はテーブルゲームの開発も盛り上がっている。なんでも討論したい人達に僕らのゲームが人気だったから、新作のアイデアを募集をして順位を決めるっていうのをした。そこで選ばれたのをウチで発売するってことをしてる。それが全部揃っているというのは良いでしょ。

 遊び役もちゃんといて楽しく遊ばせるっていうのもしてる。


 スケートは順調に大丈夫になりそうで速いのも難しいかもだったダンスな方もバレエっていうベースがあるから何とかカタチにはなりそうだった。

 コースを滑走するっていうのはソリに乗っているだけだから、後はバランスをうまくとれるように練習していけばいいかな。

 森なコースをトレッキングするのはもっと体力付けないとって感じでハアハアしているから滑る板も改良しないとって思った。僕のみたいにカカトが上げられて、細くした方が良いかもしれない。メモメモ。

 石を滑らせてターゲットに近づかせるって競技はポコンと(はじ)くとか届かないとかが楽しくて面白いんだけど、そういう競技じゃなくて、もっと繊細な競技なんだからガンバレってグ〜をしとく。

 でね、ここまでは良いの。お粗末さはあるけど試合っぽくはなるし盛り上がりそうだったもの。けど滑り降りの競技はメタメタというか低〜い斜度が何とかだったんだけど、競技用のトコに行ったらビビっちゃってムリムリって駄々(だだ)っ子ばかり。


 最初にジャンプ競技をみせたのがいけなかったのかなあ。

 アレって飛び降りるって感じだっていうの。じゃあ他のトコに行ってもフリフリしてる。ノーのアクションって世界共通なんだねって。

 僕らのトコの人達が練習でスッと下りていくのを見るたびにヒってしてるからダメだこりゃってなった。一度そうなると身体が硬くなってキケンだもの。

 飛行の道具はもっと高いんだけど護られているから別らしい。ふうむって考えるとウチでは飛ぶ遊びが普通だったから、ちょうど同じような急斜面を下りてるってことでそれで慣れているってことみたいだった。


 龍宮島の人魚さんがボートで引っ張って遊ぶっていうのをみて、泳ぎ練習用の板を少し長くしたので波打ち際で遊ぶっていうのをしていたんだよ。島の向こう側には遊ぶのがないからってことだったみたいで遊び易いように水を滑るって素材で形状を検討して作ってあげたし、長くして少し奥からこっちにっていうのもある。

 ちょうど向こう側は波が立つからピッタリだったんだよね。

 それを雪山用に開発したのが扱いやすいだろうってあるの。下に向かって真っ直ぐのと横乗りの2種類用意してたんだよ。

 と色々考えて調整していたんだけど根本的問題、恐怖という壁がド〜ンと。

 そういうのは僕には分かんななくて、きっと本能で安全装置みたいなものだからイキナリやれにしたらキライになってしまいかねない。

 だからそういう人達は急斜面は止めて、初見でしていた緩斜面だけでしましょうということになった。今ひとつ迫力がないけど、そういう身近な感じも良いかもしれないし、これなら子どもでもイイヨできる。

 そういう時って先入観とかがない子どもの方が出来るのが早いから自信なくさないといいな。


 そんな感じで大会とか記録会ってしなくて良かった。出来る人ばっかりでテストしたワケではなくて、初めてっていうケースも観察してゴ〜してたんだけど。

 夏に滑空遊びしたかどうかってことと結びつけられたりしない。これでは再来年にできるのか怪しくなっているんだけどリゾートとしては大丈夫みたいだし、このまま楽しい遊びを広めていけばいいのかもしれない。

 これで(あせ)ったりしてなくて、次の手を考えたりしてる。

 僕も余裕ができたのかなって思ったんだよ。

子どもの方が恐怖が薄いということは後天的に経験で獲得する感情で

本能ではないのかもって思った。

冬の遊びはサッと出来るものではないから、もうちょっと導入方法は

考えてみるね。


じゃあ火曜日夜10時にまたね。

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