第四十五話
(うん、作る際も思ったけれどこの『白龍』かなり強いな。正直言ってこれほどまでになるということは予想外だったんだけれども・・・)
僕は、盗賊たちを制圧した後僕の手にあった『白龍』に目をやって思った。
『ていうか、主人が先ほど使った氷天六花って技も結構反則みたいなもんだったけれどな。普通、空間を凍らせるなんて思いつくようなバカがいるとは思わなかっただろうな。そして凍らせた空間を刃として連結させて、刀に見立てて振るうだなんて。それわかってると思うけれど、大抵の輩は防御できずに死ぬと思うぞ。』
(いや〜これだけ防御とか攻撃能力とか強くしていても死ぬのがこの世界だからなーどうだろう。一応僕の実力はこの世界で言うところでは、中の下と言ったところだろうね。格上相手だとたぶん負けるかなぁ、『memento mori』使えたりしたらまず大体の人には勝てると思うけれど・・・)
『悲しい現実を言っておくけれどたぶん神には通じないと思うぞ』
(やっぱり?)
『ああ、あいつら基本的に『固有空間』に対する特効みたいな武器とか持ってるからな。例を挙げるなら『グングニル』とか『天逆鉾』とかそこら辺が一番だろうな』
(納得)
そうして僕は、アゴニートの会話を終了して山賊たちのアジトへと向かった。
『しっかしあの山賊たち、意外とすぐ吐いたよな。』
(しょうがないよ。彼らにとってあの男は拠り所のようなものだったようだからね。それが目の前で傷一つつけるだけで死んでしまったんだから恐怖も生まれるさ)
そうして僕は、山賊たちのアジトへと到着した。
「これは、意外と広いな。とりあえず、周囲に敵がいないか確認する必要があるな。『やまびこ』」
そう言って、僕は空気中の振動によって周囲に何があるのかを確認した。
(これは、人間か?まさかあいつら、人攫いも兼ねていたのか!不愉快だな。)
そう思いながら僕は奥へと向かっていった。
(うっわ、マジかぁなんで『彼』がここにいるんだ?)
僕の目の前にいたのは、かつて存在した伝説の妖怪『百目鬼』の血をつぐ少年『百目 蓮』が牢屋に繋がれた姿だった。
(確かに設定上では、どこかの山賊かなんかに捕まっていたとかあったけどさぁ!いくらなんでもここで会うなんてまずないでしょうが!どういう確率だよ!)
「あの〜大丈夫かい?」
「あんた、誰だ?」
「僕の名前は酒呑。君は?」
「蓮。ただの蓮だ。それで、あんたは俺に何をしたいんだ?」
(うっわ暗いなあ。まあこんな10代で山賊に襲われたりでもしたら、こうなったりするかぁ。しょうがない。ここは僕が一肌脱ぎますか。)
そう思い、僕は牢屋の鍵を開けた。
「なんで、開けた?」
「え?そりゃあ出してもらいたそうな顔をしていたからだけれど何か問題でも?」
「いや、別に。それであんたは俺に何を望むんだ?俺は見ての通りなんの役にも立たないぞ」
そう、現状の彼は全く役に立たない。
(だけど、敵対関係になるのは正直言ってダメだよなぁ。それに、最悪の場合・・・・アレだしなぁ)
「君さあ、やりたいこととかないの?」
「そんなもんあるように見えるか?」
「うん、見えないねこりゃ。完全に無気力で生きている言っちゃあ悪いけれど浮浪者とかそこらへんの悪党みたいに目が濁っているよ。」
(いやこれどっちかというと、死んだ魚のような目といったほうがいいのではないんだろうか?)
「まあだったら、そんなやる気のなさそうな君に一つお願い、いや君のような人間の場合だとこういった方がいいか。命令があります。」
それを聞いた彼は、表情をこわばらせた。
(ふーむみたところ、暴力とか振るわれるのかと思っている感じかなぁ。まあしたって意味ないけれど。)
「従者として、僕に従ってもらいます。」
「はい?」
「あれ、聞こえなかった?だったらもう一度命じるね。従者として僕に従ってもらいます。期間は君がやりたいことを見つけるまで。あ、一応言っておくけど人を殺したりするような目的は禁止ね。わかってると思うけれど。」
それを聞いた彼の表情は、驚愕その一文字を正に表したような顔だった。
(ていうか、今見ても端正な顔立ちだな。そもそもが話、蓮って男か女なのかわからないんだよね。公式から言われてもないし。ほんと、こんな少年が今後半妖と半魔を殺戮するだなんて誰が信じられるんだろうね)
ちょっとばかし伏線貼った感じです。
氷天六花は空間凍結みたいな感じです。まあ美波の固有空間の法を空間に適用したもんだと思ってください。ちなみに酒呑がヘイムダルとかと戦った場合まず負けます。彼らって、基本あれっすからね。神器とかそう言った形式の攻撃以外通じないですから。(アゴニーとかは通じるというかボコボコにできるけど・・・・)ちなみに、白龍はまだ形態隠し持ってます。あの子は、僕のロマンを詰め込んだ感じですからね〜個人的には愛着が一番あります。
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