第四十一話
『ガシャアアアン』
「大司教殿!ご無事ですか!?」
とある蝋燭一本が灯りと灯されているだけの暗い空間にて、血を流した高貴な服を着た男に向かって一人の少女がその倒れた男に寄り添う。
「ええ、大丈夫です。心配してくれてありがとうございましたレルフ嬢。少々、能天使が倒されてしまったことに衝撃を受けてしまっただけですので。そして、どうやら青玉白狐すらも殺されてしまったようですね。」
「な!?主からの贈り物であり造物でもある天使の中でも中位に位置する能天使が倒されたのですか!?なぜ!?まさか、半魔のものたちですか?」
「ええ、きっとそうでしょう。どうやらとても切れ味の高い武器で切られてしまったようです。」
男は、ため息をつきながら周囲に散らばった燭台を拾いながらいった。
「やれやれ、全くもって愚かとしか言いようがありませんね。たとえ、あれらがどれだけ強かろうとしても所詮は俗世の中でのこと。例外をあげるとするのならば赤月家のものたちですがあれらはもはや大丈夫でしょう。我らの使徒殿が呪いをかけたという話ですからね。問題は、」
「羅刹族の生き残りのことですね。」
「ええ、その通りです。かつて『黒天のモノ』と言われた男たちが共に戦った獣たちの数少ない生き残りそれがどうやら高山都市にいるようです。ですが、いくら神話の獣といえど獣であることには変わりありません。レルフ嬢少し頼まれてくださいますか?」
「ええおまかせください。この、レルフ・クロスタリアの名に掛けて必ずや羅刹族の生き残りをとらえてこの場に連れて参りましょう。」
「ありがたい。あれがあれば、我らの実験がさらにうまく行くというものです。どうかお願いしましたよ。」
そういうと、少女は部屋から出ていった。
彼女の名は『レルフ・クロスタリア』この『平安宴歌』の世界でヒロインと呼ばれる酒呑が激しく嫌悪した理想主義の信者であった。
「さて、どうなることやら。できることなら、『青玉の剣』も回収しておきたかったところなんですがねえ。
かつての神々が、再び生まれる可能性は少なくしておいて損はない。ですが、どうなるかというのは使徒殿の手腕にかかっていると言ったところでしょうかね。さて、どうしたものか」
そう言って、男は再び考え事に戻った。
しばらくして、レルフは庭園を歩いていた。そして、目的の人物を見つけると恭しくひざまづく。
「使徒様、あなた様の予想通りになることはありませんでした。ここから先はどういたしましょうか。御身の意見をお聞きしたくここに参った所存でございます。」
「おお、レルフ座りなよ話はそれからだ。」
男の名前は『緑翠 新羅』かつてほむらに殴られた人物だ。
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