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第四十話

「どうやら当てが外れたようね。頼みの綱の天使とやらは、どこかに吹っ飛んでったわよ?」

(今のって、まさか・・・)

私は、自らも動揺していることを隠しながら白狐に向かった言い放った。

「クソッ!まさか、まさかあれは天剣か!?いやそんなはずはない!あれはもはや、形骸化したただの旧時代の産物!もはやあれらの中にあるのはただ天皇を守るということだけ!なのに!なのになぜ!?なぜ天使が倒れるの!あれは少なくとも茨木童子などのような能力が特殊な魔王にも匹敵するクラスの力を持っていたはず!?」

「さあね、私がわかるはずもないでしょう。さて都市の中枢に教会勢力を入れた犯罪人青玉白狐青玉家次代当主としてあなたに死よりも重たい刑罰を課す。大人しくしていれば、ただ苦しむだけですむわよ?」

「ふざけるな!ふざけるなよ美波!たとえ貴様が強かろうと、妾にはまだヘレナの聖釘があるこれがある限りお前の能力は一切通用しない!」

「そう、それじゃあ大人しく死ぬつもりは一切ないというわけね。だったら苦しんで死になさい。その方が、あの子たちのためになるわ。」

その一言を発した瞬間、白狐は私に向かって大きく怒り巨大な竜の幻影を創造した。

(驚いたわね。流石に仮にも数百年生き続けた老害とは言えこれほどまでに能力を極めているだなんて言った害としか言いようがないわね。だけど、残念ね。)

「残念だけれど、おしまいよ白狐。私はね、今のいままでずっと思ってきていたの。私が作り出している氷の元になる水はどこから来ているんだろうって。この、姿(月読命)になって初めて理解できたわ。この世界に漂う空気中には見えない水が点在している。それこそ空気と同じくらいの小ささでね。この技は、必殺と言っても過言ではない。だからどうか、どうか苦しんで死んでちょうだい。『細雪』」

その次の瞬間、私は握り拳を作りその拳を開く。すると、白狐の心臓から氷の剣が生成されていた。

「この世界の空気に存在する、とてもとても小さい水滴白狐、あなたの体内に入っているであろうそれを利用して氷の剣を作り出した。ただそれだけのことよ。そうただそれだけのこと。」

(ああ、終わってしまった。私の、生きる意味が。私が生きている理由は、あの子達の仇を討つためだった。それを終えた今はもう、生に執着することはないわね。)

そうして、私の身体はボロボロとまるで春の雪解け水のように砕けていった。どうやら時間切れのようだ。

(だけど、だけど願うことなら) 「彼と一緒にお茶を飲んだり、食べ物を食べたりできることなら普通の生活を送れたらどれほどまでにしあわせだったろうなあ」

私の心は、奇しくもたった二度だけであったあの面白いそしてとても優しい同い年の青年に惚れ込んでいた。

すると、私の懐にあった沈丁花が突如として光り輝き次の瞬間砕けていた私の体は完全に治り切っていた。

『パサ〜』 そして私の上に沈丁花から一枚の手紙が落ちてきた。

『他者のために、他者の復讐のために自らを犠牲にできる愚かしくも優しい人物へ どうか、どうか自分のために生きてやってくれ。その方が、きっと君の兄弟も安心するだろう。』

次の瞬間、私の目からは大粒の涙が流れていた。

「ヒグ、エッグ。ズッルイなあこれじゃあみんなの元に行くことができないじゃん!だけど、そうだね。頑張って、自分のために君を手助けしてあげるよ。赤月酒呑君?」

そう言って、私は月の下にある湖の都市で不敵に笑った。

なんでだろう。ヒロイン書いていたら、何故だか知らないけど男友達かヤンデレみたいな距離感にしかなっていない・・・・

まあ、『細雪』の原理端的にいうなら、水素をめちゃくちゃ冷やして氷の剣を作り出した感じ。普通の人間とかではまず無理。フェンリルとかでもまず無理。

天才な美波だからこそできたやべえ技。そもそもやろうと思えば、血管とかに巻きビシっぽい形で作ることもできるという・・・

(そもそも、酒呑ですら『固有空間』は外郭としてアゴニー使わないと無理なのにできているという時点でお察しください。まあ、そもそも酒呑と美波では天才の部類が違いますがそこら辺はまた後ほど。)

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