第三十二話
僕がほむらと話していると、突如として『火男の家』のドアが吹き飛んだ。
そしてその奥から、男たちが入ってくる。
「邪魔するぜほむら。いい加減に借金を返して貰おうか。じゃねえとお前が所有しているという『《《プロメテウスの種火》》』を代わりにもらうことになるからな。」
そう先頭にいた、まさに悪党の鏡みたいな顔をした男はいった、
(は、てか待てよ。こいつ今、プロメテウスの種火っていったか?言ったよな。だとしたら・・・・)
僕の頭に最悪の可能性がよぎった。
プロメテウスの種火それは黄金であり炎でもある。そして原作において、ヒロインが使っていた能力の一つでもある。
そして今この世界に現存する中で唯一の《《譲渡が可能な能力》》だ。
(確か、プロメテウスの種火はヒロインが使う前は皇室が保管していたがともに歩むためとか言って主人公が無茶言って皇室から獲得したんだったな。
となるとこの男は、皇室に関わりがあるまたは関係がある組織の一員として考えていいだろう。だが、何かが抜けているはずなんだよな。)
その瞬間、ほむらが憤る。
「ふざけんな!確かにお前ら『百蛇』から金はかりたがその分は前に返した!そもそも利子とか言ってもお前らは利息を取らないって言ってたじゃないか!」
(『百蛇』だと!?確か百蛇は皇室に使える暗部の下部組織。なるほど確かに納得だ。だがそれでもまだ何かが足りていない。そうだ正教会などの大組織では能力はやり方によっては奪うこともできたはずだ)
「こっちはお前から『プロメテウスの種火』を奪うことだってできるんだぜ。
まあそれをやれば、お前の性格は大きく変わっちまうけどな。」
そう言いながら男は出ていった。
(そうか、何かが抜けているかと思ったのは性格が変わるというデメリットだ。)
この世界において、性格が変わるということは肉体や魂にも大きな影響を与える。
この『平安宴歌』の世界には魂が存在する。(なんせ地獄もあるし)
この世界における生物とは、『肉体』『魂』『精神』それら三すくみの形状でできている。
精神は魂を知覚し魂は肉体を知覚し肉体は精神を知覚する。それらのサイクルによって生物は成り立っているのだ。だが、どれか一つでも変化しようものならそれ以外のものも変化する。ましてや『精神』の中でも最も重要と言っても過言ではない性格それが変化するということは、魂の形状や肉体の健康状態すらも変化する。それが故に、相手の能力を奪う術などは《《禁忌指定》》を受けている。
(だからこそ、このままではまずいな。急いで助けなくては)
そうして僕は俯いている彼女に、質問をした。
「なぜ、君はあいつらに借金をしたんだい?」
それを聞くと彼女はぽつりぽつりと言い始めた。
「もともと私は孤児だったんだ。だけど、親父に拾ってもらった。とっても楽しい日々だった。だけど急に親父が死んじまって、この店を続けていくのも一苦労でそんな時にどこからかあいつらが現れたんだ。私に利息なしで貸してくれるっつうんで借りたんだ。最初はいい感じだったんだあいつらが、私が持ってる
『プロメテウスの種火』という能力に目をつけたらしくてな。急に利息ありとして借金したことになったんだ。だからだよ。」
それを聞いた僕は、机に金を置いた。
「前金としてこれだけ払う。だから僕の依頼を確実に成功させてくれないか?」
その言葉を聞いた彼女は、驚いた表情で言った。
「お前、こんな大金どこで手に入ったんだよ。まさか泥棒か?だとしたら受け取れないぞ。」
その言葉を聞いた僕は納得する。
(そりゃあ嘘つかれたし、疑り深くなるよな。しょうがない。言うしかないか。)
「僕の名前は『赤月酒呑』赤月家の長男であり、今は見聞を広めるための旅の途中だ。」
それを聞いた彼女は驚愕しながらも約束してくれた。
「まじか!まさかあの赤月家の長男だとはな。いいぜ、確かに面白そうだ。その依頼承った。」
少し小ネタ紹介で
『禁忌指定』それは端的にいえば、死ぬほどやばい術のことです。え?説明が雑すぎるって?しょうがないじゃんこれくらいしか表現できないんだから。
端的にいえば、数百万人を犠牲にして発動できる『死者蘇生』とか数千万人単位が犠牲になる儀式魔術とか一部の魔法とかがそこに指定されてますね。
それ使ったらまあ、最悪の場合教会が処刑人送って来ますからね。
後、魔法と魔術の違いですが魔術は術例えんなら巫術とか呪術とかを統括したもので、魔法は世界の法則とかも書き換えれる神とか神獣とか一部のバケモンとかが使える一種の道具みたいなもんです。
(ちなみにアゴニーは魔法産。)
ps.魔術と魔法の最も違う点は、魔術は体内に存在する妖力とかを使用して発動するけど魔法は自然エネルギーも使わないといけないくらい、発動に要するコストがでかいってところです。
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