第二十二話
僕は、アゴニーを帯にしまった後襲われそうになっていた少女の方を向いた。
「無事か?すまないな同じ人間として恥ずかしいが許してくれ。」
僕が頭を下げると彼女は慌てた表情で止めた。
「だ、大丈夫です。本当に強いんですね。それにしてもいったいなぜ私を助けてくれたんですか?」
どうやら彼女は、半妖である自分を助けた僕の行動を疑問に思っているようだ。その質問に対して、僕は誠実な態度で答える。
「簡単な理由だ。幼き頃から僕は、父や母から半妖であろうとも見下さず差別を行わず人間に行う態度で行動しておけといわれていた。それに、僕の価値観も大きく普通の人間の違うんだろうな。僕には、人も半妖もほとんど違いなどないと思う。ただ人にない部分があるただそれだけのことで何故忌み嫌うのか理解し難い。」
それを聞いた少女は目を輝かせながら嬉しそうにして言った。
「嬉しい!まさか私と同じ価値観を持っている人が本当にいたなんて!私の名前は立烏帽子!ちょっと私の家に寄って行かない?お腹減っていそうだし。」
その言葉を聞いて、僕は断ろうとした。だが僕のお腹は正直だった。
『グゥ〜』その音があたりに広がった。
そうして、僕も立烏帽子も笑った。思いっきり笑った。これほどまでに笑ったのは久しぶりだった。
「ああ、可笑しい。さあ、私の家はすぐそばだからついてきて!」
そうして、僕は立烏帽子の案内で彼女の家に入っていった。
「どうぞ。」
そう言って、僕の目の前に出されたのは秋刀魚と白米それに味噌汁であった。
「一緒に食べよう!いただきます」
ホカホカのご飯と味噌汁そして旬である秋刀魚は実に絶品であったとここに記しておこう。
そうして僕はご飯を食べ終わった後、彼女に質問をした。
「立烏帽子、君はなぜこのような山に住んでいるんだい?どうせなら赤月家の領地にでも住めばいいのに。」
そういうと、立烏帽子は暗い顔をした。そして重苦しそうな顔で言葉を発した。
「君は本当に優しいんだね。だけど世の中には優しさだけじゃなんとかならない問題っていうものも存在しているの。だから、君には悪いんだけどもうすぐ出ていってもらうね。」
その言葉を発した時の立烏帽子の顔は、とても悲しそうな表情をしていた。
するとその瞬間立烏帽子がうめき出した。
「まさか、そんな!早すぎるまだ夜になっていないのに!」
その瞬間立烏帽子は、腕を振り払ったその風圧で僕は壁まで吹き飛ばされる。
「グアッ」
(こりゃ肋骨何本か逝ったな。)内心そんなことを考えながら自らの失敗を悟る。
「はは、こいつは最悪だ!まさか立烏帽子が未来の《《大嶽丸》》だったなんて!随分とまた最悪の悲劇だ」
僕は、苦笑いをしながらアゴニーを抜いた。
はい、てことでヒロインちゃんの正体は大嶽丸でした(嘘)
普通に彼女今完全体じゃないとは言え普通にいまの酒呑とかなら一蹴できるくらいには強いです、酒呑の明日はどうなる!




