第二十一話
ようやく、ようやくヒロインが登場した!二十話にして初めての登場だ!
(名前わかってないけど・・・)
そうして、追われている人の近くにたどり着いた僕の目に映ったのは半妖の少女が悪漢に捕まりそうになっている姿であった。
それを見た瞬間、何かが弾けた。
(許せない!ただ半妖として生まれただけの少女を攫おうだなんて!)
そうして、僕はアゴニーを帯から抜き悪漢のうちの一人に突きを仕掛けた。
「くそ、なんだ!」
一瞬のことだったからか、その男は反応できずに即死した。
(いくらクズだとしても、やはり人を殺すのは少しばかり抵抗があるというものだな。)
この世界では、やはり人の命というものは軽く見られている。実際僕がこうして人を殺してもあまり動揺していないのがこの世界に慣れてきた証拠の様なものなのだろうか。
「テメェよくも!野郎ども、やっちまえ!」
その瞬間、少女の周辺にいた男たちが僕を囲むかの様な姿勢で動き始めた。
そして、僕は頭目の様な人物に質問をする。
「理解できないね。どうして少女を狙うんだ?」
その言葉を聞くと、その男は下卑た笑みを浮かべながら言葉を発した。
「簡単だろうが!半妖とは、悪どれだけ殺そうが売ろうが罪に問われることなんてないんだよ。だから邪魔するんじゃねえとっととそこをどきやたれ!」
(完全に小物だな。だがとても不愉快だ。)
半妖この世界においてはそれだけで忌み嫌われる。僕の父や母などの一部の人間はそうでもないが、半妖という事実で今まで何人の命が失われたことだろう。
《《元々この星にいたのは彼らなのに。》》
そして、これ以上くだらない事を言わせる前に、黙らせる。
「もういい、こんなくだらなくて不愉快な気分になったのは今までの人生で初めてだ。お前、生きて帰れるなんて思うんじゃないぞ。」
そうして、僕は能力を発動する。
『能力発動 火車・派生『戒炎』』
僕はアゴにーに、空気中に出現した白い炎を纏わせる。
『戒炎』それは、悪人を地獄へと運ぶ火車の能力をあえて制限した能力。
最初、酒呑が火車の能力を使用した時一切の制御ができなかった。それも当然である。本来ならば、火車とは地獄へ悪人を送る役割を持った車。それが故に、
火車の炎は地獄の炎その炎を操るということは茨木童子を倒した主点にすらも困難を極めた。故に酒呑は地獄関連の能力を、悪人に対して以外使用しないという制限を設けた。そして、『戒炎』は地獄の炎の名に相応しく人を戒めるが如き能力を有していた。その能力とは、
「そのものがなしてきた悪事によって火力が変化し続ける。ただそれだけのことだ。だが、ああひどく不愉快だ。なぜお前はこれほどまでに悪行をなせれるんだ?これほどまでに至るのには、少なくとも百回以上人を殺すなりしていなければなることはないはずだ。」
酒呑が指さしたのは、酒呑の後ろで煌々と輝く黒き炎。その炎はまさに、男たちがなしてきた悪行を物語っていた。
「ハッタリだ!気にせず突撃しやがれ!」
そう男は言葉を荒げるが、誰も動こうとしない。当然だ今動こうとすれば、間違いなく酒呑は男たちを『戒炎』で焼き尽くしていただろう。
「来ないのか?ならば、こちらから行かせてもらうぞ!」
その瞬間、酒呑は地面を駆け出し『戒炎』を纏ったアゴニーでその場にいた男たちを斬り伏せていった。




