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第十六話

「ほう、面白いな。武器が変化するのか。だが、間合いが変化した程度では俺は倒すことなんてできないぞ!」

そう言い、茨木童子は全身を雷で覆い突撃する。

「コレで、終わりというわけではあるまいな!」

そう茨木童子が雷で覆われた拳を振りかぶった瞬間、

「『我は揺れ動くものなり』」酒呑を通り抜けた。

グングニルかつて北欧神話の主神オーディンが所有したロキがドヴェルグ又の名をドワーフに作らせた投げれば必ず当たる槍である。だが、現代に蘇りし神話の槍はその程度の能力に収まらなかった。グングニルは古ノルド語によれば二つの意味を持つ。一つは『貫くもの』一つは『揺れ動くもの』

酒呑はその一つの意味である、『揺れ動くもの』という意味を持った武具として先ほど、グングニルを使用したのだ。

酒呑が何をしたのかを端的にいうとするのならば、本来とても小さい原子で天文学的な確率で発動する量子力学で言うところのトンネル効果を起きるようにしたと言えばいいだろう。だが、酒呑の力量ではこのような物理法則に介入するような技は使えない。ならばどうしたというのか端的に言えば、酒呑はこの技に一つだけ制限をつけた。それは一つの相手に一回だけという制限を。その制限により、酒呑は一撃だけミクロの小ささですらも消滅させるような技でない限り、耐えることを可能としたのだ。

そして、結果として茨木童子は大きく動揺した。その瞬間を見逃さない主点では無かった。

「『幻想剣術』第4型『童子切安綱』」

それは、かつて源頼光が酒呑童子を討伐した際に用いられたとされる鬼に対する特攻のような代物だ。そしていつの間にやら変形していたアゴニーを用いて茨木童子の右手に逆袈裟斬りを食らわせたのであった。その瞬間、今まで一切の呻き声を上げなかった茨木童子が「ガアアアー」悲鳴を上げたのであった。

なんとか体制を整えた、茨木童子が悟る。コレは自らの生において最後のとうそうであると。

(不思議と恐怖は感じねえな。たとえどういった形であろうとも生まれてから、10年も経っていないであろう貴族の子供が今こうして俺を追い詰めている。)

そして双方が悟る。この一振りは、この一撃は、まさしくこの戦いに終止符を打つにふさわしい一撃でなくてはいかんと。

「『雷神蒼雷 タケミカヅチ』」その瞬間茨木童子が体に纏っていた雷を、拳に一点集中させ始めた。

そして酒呑はというと「『これは、蛇を殺した一撃なり。これは水の神としての一撃なり。これはイザナギの息子としての一撃なり。故にしかしてこの刃は、

100戦不敗の一振りなり!』」

詠唱を始めていた。本来、まともにやりあうような輩や騎士道精神に溢れたような輩と対峙した時のみ使うと判断していた、酒呑が誇る幻想剣術の中でも1、2を争うほどの威力を誇る一撃を放たんとしていた。

「『化身けしん雷狗らいく葬雷そうらい』!」

その瞬間、青白く発光した鉤爪が主点の喉元まで迫らんとしたその瞬間、

「幻想剣術《《奧伝》》素戔嗚スサノオ

かつて、酒呑が元いた世界において武神と称された神の名を冠する一振りが人をくらった悪鬼ではなく、戦士に対しての花向けとして放たれた。


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