第十二話
「なあ、アゴニー君は一体何ができるんだ?」
僕は、主従の契約を結んだこれからの僕のメインウエポンとなるであろう剣へと質問をした。
『我の能力は、端的に言えば色々だね。例えるのなら槍になったり手甲になったり刀になったりと、色々なこともできるし空間を切り裂いてそこに物を隠しておくことなどや万物を殺すこと即ち、《《神を殺すこと》》も可能となるよ。』
それを聞いた瞬間、僕は一つの悪い考えが浮かんだ。
(その切り裂いた空間に、街を作って仕舞えば?そうすればほぼ確実に、誰も手出しができない国家の完成する!そこに迫害されている人々を住まわせて、一つの半妖や半魔の人々を住まわせれば、あの邪魔な《《カトリック正教会》》たちからの影響もなくなるだろう。だが、それには色々と問題もあるな)
「とりあえず、携帯できるような形になってくれ。」
そういうと、アゴニーは光に包まれまるで夜のような刀身すらも漆黒に染まった、湾刀へと変化した。
『主人、一応言っておくがこの状態でも我は切ることができるが神霊などのような強大な相手を殺すことはかなり難しい。だからこそ、主人もっともっと強くなって貰わなくちゃ困るよ。我を真の意味で《《抜刀》》することができるには、あと10年は必要だろうからね。』
『抜刀』それは普通の剣とは一線を画すアゴニーのような《《星が作った武器》》にのみ許された一種の特権。それを完全に発動できた時、それは使用者の敵にとって死を意味する究極の業なのだ。
それを使えるのは、現代においては天皇や『天剣第一位』などの神剣の保有者の中でも一線を画す実力者のみという正しく剣術における、奥義のような物でもある。
「ああ、わかった。とりあえず頑張るよ。」
酒呑は、その言葉に対してとても難しい事であろうが承諾する。何故なら、彼が愛する家族を守るためにすべきことは強くなること。それに必要なのが、アゴニーの力を最大限発揮することが出来ることなのだから
『さて、主人そろそろ出発したほうがいいんじゃない?外の空間ではもう20日が経過しているよ。この空間ないと外の空間では流れる時間がとても違うからね。』
それを聞いた瞬間、酒呑は唖然とした。
「それを先に言え!」そう言って、酒呑は駆け出した。
とりあえずなんとか、御者が来る時間に間に合ったということはここに記しておこう。
数時間後・・・
荒々しい顔つきの男が、誰もいなくなった洞窟に訪れその奥にある物を確認しに向かう。
「どういうことだ!《《封印していた神剣》》がなくなっているじゃないか!?」
それを聞いていたのか、どこからともなくあらわれたペストマスクを被った男が言葉を発する。
「落ち着きたまえ《《トール》》だが確かに『神剣』が無いとなると計画を大幅に変更せざるを得ないな。」
それを聞いた男は、さらにイラついたように言葉を発する。
「これが落ち着いていられるわけがないだろう《《ヘイムダル》》!いかに、計画を変えようとも本来の予定では、あの剣を使用して境界を崩し、我々が世界を支配するつもりだったんだ!あの忌々しい半魔の連中や半妖の連中を守っていた終わりの大魔王も勇者に殺された今こそが、最大のチャンスだというのに!」
そうして、酒呑は一つ物語において大きく変化をもたらした。
だが、彼がもたらした変化は今の作品ではなく《《第三部》》のストーリーへと変化をもたらした。
境界を破る一番の候補が、一つなくなってしまった彼らがどうやって計画を成すのか、それは誰にも予測不可能になっていった。
今日も今日とて、文字を撃ち続ける毎日よ。
今ふとして思ったんですが、昔誰かが小説家というのは肉体労働だと言っていたが正しくその通りだったなと思い続ける今日この頃。
さて、もともと彼らは境界を崩して半魔や半妖の人々を殺し人間と彼らだけの世界を願っていたんですが、その計画も少し変更することになっていきました。
さあ、少し不憫っぽさが見えるヘイムダルさんの明日はどうなる!?




