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第三話「新しい生活」

__俺が、クビですか?

__ああ。私も考え直してくれと頼んだが、ギルドマネージャーの決定事項だそうだ。

__……やはり彼が報告を?

__そのようだ。私もお前の同僚も、お前が辞めれば騎士団の力関係にも影響が出ると言ったのだが、それでも息子がかわいいのか、今回の処置が決まった。

__そうでしたか……俺があの若造を叱ったから……

__いいんだレオン。君のおかげで騎士団の体裁を保てたんだ。あの時、君が叱った若騎士は傲慢で実力もないのに調子に乗っていた。だから君が悪いわけではない。

__……本当に、すみませんでした。

俺は頭を下げて宿舎を出た。そして俺は、騎士団を止めた。


◇


「……夢か。」

教会に手配してもらった空き部屋の寝室でレオンは目覚めた。マリーナと共に北の街に来て早々に洞窟の魔物を退治してから次の日だった。

「嫌な夢を見たな……」

レオンは頭を抱えながら起き上がると、部屋の隅に立て掛けているハンマーを見た。

「お前も悔しかったろう……騎士団から必要とされなくなったことを。」

そう呟くとハンマーに触れた。あの日の夜も今のように一人で寝ていた。あの頃は毎日のように繰り返す悪夢を見ることもあったが最近はほとんど見る機会はなくなっていた。

(最近は悪夢を見ることも無かったのに……やはりまだ悔しいんだろうな。俺は……)

レオンは溜め息を吐くと、ベッドから起き上がった。

「こういう気分の時は修練に限るな。」

レオンはハンマーを持って外に出た。

教会にも護身術の練習が出きるようにと庭園の一角に訓練場があり、ムッツ神官からは「よかったら使ってくれ」と言われていたため、レオンはそちらに向かった。レオンはそこで軽くストレッチをしてからいつも通りの修練を行いはじめた。

「ハッ!」

まずは基本の型から入った。振り下ろした時に出来る僅かな隙を最小限に抑える為の鍛錬、次にかち上げへ移行した後そのまま横薙ぎへ移った。その後また元に戻るようにして今度は連続技に繋げていった。

(よし……少し気が済んだか。)

ひと通り終えて息を吐き、額の汗を拭ってハンマーを置いた。ふと視線を前に向けると、墓地の方にマリーナの姿があった。レオンは近づいてみると、マリーナは膝を折りながら祈っていた。

「兄さん、そちらは今楽しく過ごしていますか?私は最近勇者に戦力外通告を受けて里帰りしてきました。ですが心配はいりません。今は新たな仲間と共に生きています。」

彼女は静かに語りかけていた。その表情からは悲しみのようなものは感じられないが少しだけ寂しさが見える気がした。

(……邪魔はしないでおこう)

レオンはその場を離れようした。

「レオン殿もお祈りされてはいかがですか?」

マリーナが呼び止めると、レオンは足を止めた。

「見てたのか……」

レオンは気恥ずかしい気持ちになったが、すぐに冷静になって答えた。

「俺はあんたの兄とは面識は無い。だから別にお参りする意味ないと思うのだが。」

「ですが、先日話した兄の復讐のお話をお聞きになってくれたではないですか。私はあなたの過去を知らない分野暮ですけど、兄さんはきっとあなたのことも歓迎してくれると思いますよ。」

「…そういうものだろうか。」

「そういうものです。」

マリーナが笑顔で頷く。その笑顔を見てレオンはふっと肩の力を抜いた。

「じゃあ……」

レオンは腰を落として祈った。祈っている間もレオンは色々と考え事をしていた。

(マリーナの兄…生きていたら俺よりも年上だったわけか。)

マリーナの兄が自分よりも年上で先に戦場を駆けていたと思うとレオンは感慨深くなった。

(俺はまだ、へこたれるにはまだ早いな。)

レオンは祈り終わった後立ち上がりマリーナの方へ向き直ると、マリーナは目を開いたままじっとしていた。しばらくそのままだったが急に立ち上がったのでレオンは驚いた。

「あ、もう良いのですか。」

「ええ。お前の兄にも伝わったはずだろう。」

レオンはマリーナの言葉に同意するように答えた。

マリーナはレオンを見て微笑んだ後再び祈りをもう一度捧げた。

「では行きますね兄さん。それとレオン殿はとても強く、頼もしい人ですよ。」

マリーナの言葉にレオンは何も答えなかったが内心照れていた。マリーナはそのことに気づくことなく祈りを終えた。

「教会の人達に聞いてみた所、どうやらこの周辺は最近強力な存在の魔物が複数出現してるそうです。ですからこのままこの街を拠点にして対処するのが賢明だと思います。」

「うむ。その方が良さそうだな。」

「それでは引き続き宜しくお願いしますね。レオン殿。」

「こちらこそな。」

レオンは手を差し出すとマリーナも微笑みながら握手した。


◇


「マリーナ。早速魔物を倒しに行かなくて良いのか?」

レオンが戦闘態勢を整えてながら聞くと、マリーナは小さく息を吐いた。

「レオン殿。戦いばかりが日々ではありません。今日は休養を兼ねて町に出ましょう。」

「町?」

「ええ。連日戦いっぱなしではいずれ支障が出ますし、今日ぐらいはゆっくりしましょう。」

そう言うとマリーナは手招きをしながら歩き出したのでレオンも後に続くことにした。

北の街は中央よりも規模は小さいものの商店や市場もあり賑わっていた。人々も笑顔が多く楽しそうであった。マリーナも久しぶりに帰ってきたからか楽しげに歩いている。

「数年ぶりに帰ってくるけれど、みんな変わらず元気そうで何よりね。」

「ああ。活気があるのは良い事だ。」

レオンはそんな彼女を見ながら思った事を口にすると彼女は振り向いた後に笑顔になった。

「さて、何処に行くんだ?」

「そうですね……まずは鍛冶屋の様子を見に行きたいです。あそこの店主にも、お世話になりましたから。」

それから二人は目的地である鍛冶屋へ向かった。そこは昔ながらの古い建物であり看板も古びているが中は綺麗に掃除されており清潔感はある。店内には客らしき旅人が陳列された武器を眺めている。奥に進むと炉の前に一人の老人が座っていた。白髪混じりの髭を蓄えていて厳つい顔つきをしているが目つきは穏やかである。

「おや、マリーナか。久しぶりだな」

「ご無沙汰しています。おじさま。」

「おう。大きくなったなぁ。最後に会ったときは、ハイラルドよりちょっと背が高いくらいだったのによぉ。」

「時間というのは、早いものですね……」

マリーナが微笑みながら言うと店主も笑顔になりながら返答する。

「どうだ、ハイラルドとは最近どうなんだ?そういえば一緒に居ないようだが。」

「その事なのですが…」

マリーナは自分が勇者からクビを言い渡された事を話した。すると店主は顔を真っ赤にして怒った。

「何じゃと!?あいつめ!儂が丹精込めて打った剣を使ってるというのに何を考えとるんじゃ!」

老人は憤慨しながら鉄を叩いた。余程腹立たしいのか今にも暴れ出しそうな雰囲気であった。

「まぁ落ち着き下さい。彼も彼なりに思うところがあるのでしょう。私は特に気にしていないので大丈夫ですよ」

「ぬぅ……しかしのぉ……」

店主は渋々といった感じであったがなんとか納得してくれたようだ。

「それに今はこちらのレオン殿と一緒にパーティーを組んでいますから、戦闘面においては充実しております。」

「そうかそうか、ならいいんじゃが。」

店主は安心したような顔になった後今度はレオンに興味津々に話しかけてきた。

「そこの騎士様がハイラルドの代わりか?」

「うむ。もう騎士ではないけどな。」

レオンは短く応えた。すると老人は満足そうな顔になるとさらに問いかけた。

「お前さんずいぶん造りの良いハンマーを担いでいるな。どれ?見せてみぃ。」

店主が手を伸ばすのでレオンは持っていたハンマーを手渡した。老人は受け取ると様々な角度から見たり叩いたりして品質を確かめる。

「あんた、もしかしてグラント騎士団に居たのか?」

「分かるのか?」

「この模様の掘り方といい強度といい、流石は噂に聞く騎士団だったんじゃな。手入れも行き届いているが、まだ鍛える余地が残されている……」

店主が太鼓判を押すとレオンは意外そうな顔になった。

「ほう。そうなのか?」

「当然じゃ。これでも何十年と武器を扱ってきたからのぉ」

店主は自慢げに笑いながら言うとさらに話を続けた。

「どうじゃ?ここは一つこの老体の腕を信じて鍛えさせてみてはどうだ?」

「うーむ……」

「大丈夫ですよ。彼の腕は本物です。」

マリーナも同意するように言うのでレオンも頷いた。

「分かった。では任せよう。」

「おう!任せておけ!今日の夕方までには終わらせて見せる!」

店主が力強く答えるとレオンも頷いた。

「では夕方まで、街を散策しましょうか。」

「うむ。そうだな。」

レオンは了承した後二人は店を出て別の場所に向かって行った。


◇


鍛冶屋を出た二人は引き続き街中を歩いていた。

「そういえばマリーナはいつから補助魔法を極めるようになったんだ?」

「ハイラルドにパーティーに加入してほしいと言われてからすぐです。あの頃はハイラルドもまだ10代で今よりも未熟な所もあって心配だったのもあるし、仲間を死なせまいと思っていた私は神官や旅先の教会の人達から最近の補助魔法やら古代の回復魔法とかを学んでいく内に気づけば今に至りました。」

マリーナが少し照れ臭そうに語るとレオンは納得したように頷いた。

「お主の慈愛精神はその頃からあったのか。」

「まあ、はい。それから月日が流れてハイラルドも勇者の称号を得た時は、私の学びは無駄ではなかったと思ったのですが、まさかクビになるとは思いませんでした……」

苦笑いしながら話すマリーナを見てレオンも少し同情した。

(マリーナは仲間のためを考えて生きてきたんだろうな……)

マリーナの事を見ているとマリーナはその視線に気づいたようで首を傾げていた。

「どうしました?」

「あぁいやなんでもない。気にしないでくれ。」

「そうですか。ならいいんですが。」

レオンが慌てて誤魔化すとマリーナは不思議そうにしていたがそれ以上追及はしなかった。

その後も雑談しながら歩いているとあるお店に着いた。

「ここは?」

「服飾店ですね。昔からあるお店だからもう無いかと思ったのですが。」

マリーナが懐かしそうに眺めているので、入ることにした。

中に入ると可愛らしい布や色鮮やかな糸が置かれている棚が並んでおり壁際にはドレスなどが飾られている。奥では老婆が椅子に座って編み物をしていた。

「おばあちゃん、久しぶりです。」

「おや?マリーナちゃんじゃないの?おかえりなさい。」

マリーナの声に気づいて顔を上げた老婆は驚いた顔で迎えた後喜んだ顔を浮かべた。

「うん!ただいまおばあちゃん。元気だった?」

「おかげさまでねぇ。あなたこそ相変わらず綺麗なお嬢さんだねぇ」

「ありがとうございます。これでも今年で四十路に到達しますので……」

「ふふっ。あたしに比べればまだまだ若いわよ。」

二人が楽しげに話している姿を見ながらレオンは置いてけぼりになっていると思い、入り口の近くにある商品を見て回ることにした。

暫くすると老婆がレオンに声をかけてきた。

「ところで、そちらの方はマリーナちゃんのお友達かい?」

「えぇ。私と一緒にパーティーを新しく組んでくれた方です。」

「新しく?まあ色々とマリーナちゃんにも事情があるのだろうね。」

老婆は何か察したのかそれ以上聞くことはせず話題を変えた。

「ところでどんな服を探しに来たんだい?この時期なら温かい服装が必要だと思うんだけど。」

「いえ実は、私はあまり自分の物を買う時間がなくて。いつも適当に済ませてしまうんです。なので今回はちゃんと選ぼうと思いまして。」

「あらまぁそれはいけないわ。女性は美しくいるべきよ。」

老婆が説教をするように言うのでマリーナは苦笑した。それからいくつか服を選び試着してみることにした。試着室から出てきた時にはもう既に着替え終わっていた。

「レオン殿。如何でしょう?似合っていますでしょうか?」

「ん?あぁ。よく似合っている。」

マリーナが微笑むとレオンは無愛想な表情のまま答える。それを見ていた老婆も嬉しそうだった。

「良かったじゃないの。これで男の人にもモテるかもしれないわね。」

「そ、そんな事はありませんよ……」

マリーナが謙遜するように言うと老婆は微笑みながら言った。

「照れなくてもいいのよ?貴女の様な素敵な子には恋人がいてもおかしくないと思うわ。ねえ。」

「は?」

いきなり話を振られたレオンは困惑した。

「そ、そうでしょうか?」

マリーナも困った顔でレオンを見ると、彼は顔を背けた。

「そ、それよりマリーナ。早く購入したほうが良いのではないか?ここは寒い地域だから早く温かくできる防具を手に入れた方が良いと思うぞ。」

レオンは苦し紛れにそう言うと、マリーナは納得したような顔になり購入することに決めたようだ。

「分かりました。ではそうします。」

二人は店を出ると次はどこに向かうか話し合うことにした。

「レオン殿は、次どこに行きたいとかありますか?」

「俺は特に行きたい場所はないが……」

レオンが答えると、マリーナは少し考えてから答えた。

「では少し寄りたい所があるのですが、よろしいでしょうか?」

「ああ。構わない。」

レオンが答えると二人は目的地へと向かった。着くとそこは、街の中央にあたる広場だった。噴水や花壇などがあり多くの人が行き交っている場所であった。

「これは見事だな……」

レオンが見上げる大噴水には大きな鐘塔があり上まで細かな彫刻が施されていた。周りに花壇があり季節によって様々な色の花が咲くようになっている。

「綺麗でしょ?この街一番の名所なんです。」

「うむ。確かに美しいな。」

レオンは素直に感想を述べるとマリーナも満足そうにしていた。

「ここで鐘が鳴らされると遠く離れている街や村にまで響き渡るんですよ」

「ほう。それはすごいな。」

レオンは感心したように言うとマリーナも笑顔になる。そして思い出したかのように言った。

「私も旅立つ前、ここでハイラルド達と約束をしたのです。悪しき魔物達を倒し、ダンジョンを攻略して平和な世界を作ると……」

そう言う彼女の顔は憂いの籠もったような表情をしていた。


__僕、剣が使えるけど、冒険者になったばかりで実戦経験は少ないんです。ムースも弓が得意なんですが、やっぱり回復とか補助をやってくれる人が必要なんです!だからマリーナさん、力を貸してください!

__ありがとうマリーナさん!やっぱりあなたが居てくれて、よかった!


「……」

「マリーナ?大丈夫か?」

ハイラルドの言葉を思い出すマリーナの目からは涙が少しだけ零れていた。

「あの言葉は全部、嘘だったのかしら……」

レオンは黙って見守っていると、マリーナは手の甲で涙を拭いながら深呼吸した後顔を上げた。

「大丈夫です。少し昔の事を思い出しただけですから。」

「ならいいが……」

レオンが心配そうに尋ねるとマリーナは笑顔で答える。だがその瞳は潤んでいるのがわかるほどで明らかに無理をしているのが丸わかりだった。

「レオン殿。私は大丈夫ですので気にしないでください」

「ああ……だがマリーナ。」

マリーナが微笑むとレオンは真面目な顔で言った。

「俺は嘘はつかない。何があっても仲間を裏切る真似は絶対にしない。」

マリーナは一瞬呆然としたがすぐに笑顔に戻り答えた。

「はい。私もレオン殿に嘘はつきませんよ。」

それから二人は広場でしばらく時間を潰すのだった。


◇


「荷物を持って、付いて来いと言うから来たが……」

夕方頃、鍛冶屋からハンマーを受け取ってきたレオンは、マリーナに持ち物を持って付いて来てほしいと言われたので荷物を持ってマリーナに付いていくと、黄色い屋根の家に連れてこられた。

「はい。あの教会は本来男性禁制の規則があるので男性専用の寮がないのです。それでレオン殿と一緒に普通に住める場所が無いかと考えていたら、この家を思い出したんです。」

「そうか……ん?一緒に住む?」

レオンは疑問に思っているとマリーナは微笑んだ。

「はい。これからは共に戦っていくわけですし、同棲する形になると思いますが、問題ないですよね?」

「いや、まあ、分かった。」

レオンは少し考える素振りを見せた後、了承した。

(同棲か……)

レオンは複雑な気持ちになりつつも中に入っていった。

家の中に入ると広い空間があり家具類も揃っていた。テーブルや食器棚はもちろんのこと台所もある。二人暮らしには十分な広さだった。

「なかなかいい家だな……本当にここを使ってもいいのか?」

レオンが不安げに聞くとマリーナは笑顔で答えた。

「大丈夫ですよ。元々は私の家ですから。」

「あんた、元から教会に住んでいた訳じゃ無かったのか?」

「兄さんが生きていた頃はこの家で二人で暮らしていましたが、兄さんが亡くなって聖職者になってからは、教会でお世話になっていたんです。」

「そうか。」

レオンはそれ以上追求することは無かった。それから荷物を置くと二人は夕食をとることにした。

「待っててください。今からハードシュリンプの牛乳和えを作りますから。」

「ふむ…はっ?おい待てなんだって?」

レオンは耳を疑った。マリーナの料理を初めて見る為何を作るのか楽しみではあったが予想外の食材に動揺してしまう。

「どうかしましたか?」

「いや……随分と珍しい物を使うんだなと思ってな……」

レオンが困惑しながら言うとマリーナは少し笑いながら答えた。

「これでも私、お料理得意なんです。兄さんなんてよほど美味しかったのか泡を吹いて失神していましたから。」

「おい待て。」

レオンが制止すると、マリーナは「どうなさいました?」と言って首を傾げる

「せっかくだし、ここは一つ俺が作ろう。」

「そんな、悪いですよ……」

「いや大丈夫だ。俺だって簡単な料理ぐらい出来るからな」

レオンが自信満々に答えるとマリーナは少し悩んだあと了承した。

「分かりました。では私はフォローしますね。」

「ああ。頼む」

そう言ってレオンは厨房へと向かった。

早速昨日ローズからもらった野菜を取り出して調理をし始めた。レオンは料理をしている最中にチラッと振り返ると、目をキラキラさせながら見つめてくる彼女に、少し気恥ずかしさを覚えながら調理を続けるのだった。

「よし。できたぞ。」

完成した料理を皿に盛り付けテーブルに運ぶと二人は席についた。

「いただきます。」

マリーナは一口食べるとすぐに反応を示した。

「美味しい!!こんなにおいしいもの食べたことが無いです!」

「それは良かった。騎士団員が遠征先でもちゃんとした食事が作れるように、皆ある程度は習う料理なんだ。」

レオンが満更でもない顔で説明するとマリーナは感動したように呟く。

「すごいですね。毎日こんなおいしいものを食べられたら幸せです。」

「そ、そうか?」

「はい!」

マリーナの素直な賛辞に照れるレオンであったがなんとか平静を保ちながら答えるのであった。こうして二人の夜は更けていくのだった。

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