9つの言葉
神代が目を覚ますと九条と青空が広がっていた。
「大丈夫か?」
「......!!」
青空を見上げ膝枕されてる事に気づいた神代は次第に顔が真っ赤になり、両手で顔を隠した。
「.........」
「あ、えっと...なんかごめん」
神代は片手で顔を隠したまま九条との距離を取ると、ノートに大きく荒々しい字を書き見せる。
《ごめんなさい!!!》
そんな仕草と文字を見て九条はフッと笑う。
笑った九条をノートの後ろから顔を半分だけ出した神代が心配そうに見つめた。
「俺は大丈夫だ。あの二人ならテストの補習を忘れてたみたいで急いで向かってたよ」
《私、迷惑かけちゃった》
「迷惑ではない、あれは橘を止められなかった樹が悪い」
「......」
まさかの長谷川が悪いと言う九条を意外に思い、キョトンとした神代が一拍おいて微笑む。
《九条くんもそういう事言うんだ》
「そういう事...普通のことではないのか?」
声を出さずにふふっと笑う神代を見て、九条も頬が緩む。
笑う神代はどこか遠い記憶にいた人と似ていた気がした。
―――――――――
昼食を食べ終わり、橘が持ってきていたレジャーシートを九条が畳みながら話す。
「そういえば、紡の体質について思ったことがあったんだ」
「?」
「言霊というのは言葉を発するだけで、普通の人も自然と出るものなんだ。
言葉を発する時の想いや感情が大きければ大きいほど、明確であるほど具現化しやすくなる。
例えば呪言とか。「末代まで呪ってやる」と言って亡くなった人が過去にいれば、実際にその家系は呪われていたり...」
神代は相槌をうちながら話を聞く。
「紡はその想いや感情が薄くてもそれが具現化してしまう。そんな体質なんだと俺は思うんだ」
「......」
言葉を聞いた神代は悲しそうな顔で俯く。
どこか後ろめたいような、そんな顔を見た九条は明るい口調で続きを話す。
「だけどその中でも言霊が具現化しない言葉を探したんだ」
「...?」
「はい、いいえとか、人の名前とかそういう言葉なら影響が少ないんじゃないかっと思って」
「......」
《でも、私が言葉を発すると怪異が寄ってくる》
文を見て九条は少し微笑み、神代の頭にポンっと手を乗せて話す。
「そのために俺がいる」
下を向いていた神代の目が大きく見開き、微笑みかける九条を映した。
最後まで読んでくださりありがとうございます!!
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趣味の1つとして書いているので、今後もあたたかい目で見てくだされば嬉しいです!




