105、ネルと呼んだあの子
「シュネー、これはどこに………」
「ネルだよ、リーリョちゃん。仕事のときはちゃんとネルって呼ぶように」
「はいはい、分かりましたよネルさん」
シュネーも、口調がかなり砕けているというのに。
まあ、今は二人っきりですから、指摘することでもないでしょう。
「それで、これはどこに置きますか?」
「ああ、それはそこに。あまり使わないものだから、奥に置いといていいよ」
ネルの指示通り、分厚い魔術書を部屋の隅に置きます。
ややこしいですが、この魔術書は『古い魔術』なので、比較的新しい魔術書とは区別されます。
というのも、今までの魔術は魔法の簡略版であり、『単誓』という簡略化された誓いを通じて神の力を行使するものでした。
しかし、今ネルが教えているのは、『ネル・ラリウス』という魔導師が作った、想像力にて力を行使する『新たな魔術』です。かつて『神知らぬ奇跡』と呼ばれたそれは、従来の魔術より行使が難しい上に才能に左右されやすくなる代わり、神に誓う必要がなく自由性が高いです。
ただ、従来の魔術と今の魔術を区別するため、従来の魔術は魔法の分類に入り、今の魔術が魔術となったせいで、今昔の魔術書がごっちゃになりやすくなってしまったのです。
今は、その分別作業といったところでしょうか。
しかし、それにしても………
「これはこっちで………あれ、こっちは違ったっけ………?」
ネルは魔術書と睨み合いながら、それを次々に分けていきます。
ネルは、私とクランジェリスの前だけ、タメ口になるようになりました。信頼されているのは嬉しいですが、いつかボロを出さないか心配です。
十数年前に魔導教室が開かれて以来、そういった行動は見たことないですが、だからと言ってこれからも必ずそうであるわけでもないでしょう。
私がそばにいて、ちゃんと見張らなければ。
「ん、リーリョちゃん、なぁに?」
「いえ、なんでも。今日もネルは可愛いと思って」
「かわっ!? そ、そんなことを簡単に言わないでよぉ!」
「ふふふ」
昔のネルでは考えられないほど顔を赤くし、私から顔を逸らします。
可愛らしいは可愛らしいのですが、お姉さんのような雰囲気は微塵も感じられなくなってしまったのは残念です。
照れ隠しなのか、ネルは数冊の魔術書を抱え上げると、私に背を向けて部屋を出て行こうとしました。
「そ、そんなことより、早く教室に行くよ。今日はこの国の偉い人も来るんだから、今みたいなことは言わないでよ?」
「分かっています」
ですが、そのお偉いさんに講義することは、納得していません。
というのも、この街はネルのおかげで大きく発展しました。しかし、目にも留めていなかった村が優秀な人材を吸収することを、中央の貴族達は快く思っていないという噂をかなりの頻度で聞くのです。
火のないところに煙は立たず。その噂の真偽がどうであれ、中央の貴族達はそのような噂が不自然ないほどの素行ということです。
彼らが私達の講義を受けたいと、直々の手紙を貰ったときは大変驚き、そして信じられませんでした。
かつて中々手を差し伸べようとしなかった街に、私達に、魔導の教えを請うなどと。
怪しさ満点どころか、何かしてくることを疑わない方が難しいです。
ですが、無視できないのも事実です。相手は貴族なので迂闊に断ることもできませんし。
「せめて、私が見張らなければ」
クランジェリスもいつでも一緒にいるわけではありません。
騎士はその場にいるだけで威圧感を与えますし、相手を信頼していないと大声で言っているようなものです。
こちらはいわば平民上がりのため、貴族の礼儀に関しては多少見逃してもらえるのでしょうが、騎士だとそうはいきません。
しかし、私だけではいざというときの戦力が………
「リーリョちゃん?」
気づけば、ネルが私の顔を覗き込んでいました。
その目はただ純粋に私を心配しており、貴族のことなど気にもしていません。
それに救われると同時に、この目を守れるのならばこの手が汚れるのも厭わないと再び決心しました。
「………大丈夫です。行きましょう」
「そ、そう? まあ、リーリョちゃんがそう言うなら………」
深く考え込んでいた私への追及はせず、ネルは先に資料室を出ていきます。
私は、その小さな身体を大きな翼で包むネルの背を追いかけました。
「リーリョ嬢、知っていたか?」
「いえ、何かするとは思っていましたが、まさか軍隊を差し向けてくるとは………」
暗く狭い部屋で、クランジェリスと話し合います。
あの貴族達への講義の数週間後に届いた突然の連絡は、ネルを塞ぎ込ませるのに十分な悪意を孕んでいました。
「どうする? 要求通り、教室を小さく、いや畳んでもいいが………」
「それは無理だと思います。私達はそう言っても、生徒達が納得しないでしょう。すでに一部の生徒が武装を始めたとの噂もあります。私達の壁では、生徒達の波を抑えきれません」
「そう、か。リーリョ嬢もすでに聞いていたか………」
クランジェリスはその端正な顔を顰めさせながら、思案に耽ります。
いつもなら、私は顔を赤くして部屋の隅に移動していたでしょう。彼の仕草はいつだって私の心臓を跳ねさせます。
いつからそう感じるようになったのか、何がきっかけなのかは分かりません。ですが、彼を異性として意識してしまうことははっきりと感じています。
しかし、今のこの状況の中でそんなことを気にするほど、私に余裕はありません。
私達の魔導教室に圧をかける不届者が現れたのですから。
「戦うしか、道はないのか………?」
「相手が武力をちらつかせる限り、そうなるでしょう」
「だが、シュネー様はそれを望まない。例え生徒本人が望んでいても………」
「しかし、分かっているでしょう? これは守るための戦いとなるはずです。それは、ネルが魔導を教える動機でもあります」
「………ああ、大切なものを守るための力。魔導はそうあるべきだ。だがしかし、それでもシュネー様は血が流れるのを望まない」
私だって、それは痛いほど分かっています。
分かっているからこそ、それを純粋さを持つネルを守らねばならないのです。
手を汚すのは、ネル以外でいい。
「クランジェリス、火守りの騎士としての責務を果たすときです」
「リーリョ嬢………」
私の目を見て、クランジェリスは少しの葛藤の後に、真っ直ぐ見返してきました。
その赤い瞳に、私と同じ覚悟を宿して。
「一族に続く使命、火を絶やさぬように生まれてきた者の責務。リーリョ嬢の言う通り、シュネー様を守るため、戦おう」
しかし、こんなことを言いましたが、ネルの希望を捨て切るわけではありません。
対話で解決できるのなら、そうした方が良いに決まってます。それに、ネルの泣く顔はもう二度と見たくないですから。
「………うん、分かってるよリーリョちゃん。ここまで来ておいて止めるなんてことは言わない」
「分かっているのなら、いいんです」
どんよりと広がる曇り空の下、この街の外縁部、石土魔術によって数日で作られた急拵えの防壁の上で二人、街の外に広がる森の中で蠢く軍勢を見下ろします。
偵察兵に志願した生徒から伝え聞いた限りでは、相手は二万を優に超えるとのことです。
対して、こちらは多く見積もっても三千。一人が七人を倒して初めて、被害がトントンになる計算です。普通の人ならば、降伏以外に取り得る選択はないでしょう。
しかし、こちらの士気は衰えていません。なぜならば、ネルが自ら出陣すると、こうして前に出たからです。
「………この手で、やるんだよね」
「無理しなくても大丈夫です。下にはすでにクランジェリスが待機していますし、私もいます。ネルが参戦しなくても───」
「それはダメ。この街で一番強いのは私。私が、皆を守る」
私を見つめ返すネルの目には、あのとき戦う覚悟を決めたクランジェリスと同じ決意が浮かんでいました。
その目はすぐに逸れ、再び壁の外に向けられます
「これってもう、開戦してるんだよね………?」
「こちらの偵察部隊がすでに迎撃を受けています。今も止まる様子はありませんし、その認識でいいと思います」
「それじゃあ………」
私の返答を聞いたネルは、両手を合わせて祈るような体勢になります。
その瞬間、まるでネルだけを照らすように、雲に空いた小さな穴から光が差し込みました。
するとネルの頭上に、まるで今までは透明だったかのように、光に照らされた白く儚い輪が淡く現れます。
その輪に欠けなどなく、神の創造物のようなその真円は、徐々に光り輝き始めました。
「今こそ、本使の力を示すとき」
厳かな声で、ネルは立ち上がります。
普段、あのゆるゆるな雰囲気からは到底考えられない神秘的な空気を纏ったネルは、組んだ両手をそのまま前に突き出し、そして手のひらを開きました。
「『獄炎』」
聞き慣れない言葉とともに、ネルの手から風景を歪ませる揺らめく何かが放たれます。
その先にいるのは、あの軍勢。
「汝らの魂に、安寧と救済を」
ネルは静かに頭を下げて、しかし冷たい目で大軍を見下ろします。
直後に、その軍勢から異様な雰囲気を感じました。
いえ、正しくはその軍の中心です。そこから、ここまででも分かるほどの妙なざわめきが聞こえます。
それはやがて軍勢全体に広がり、そして───
「「「──────!!?」」」
軍の中心に、赤い火が灯りました。
それは波紋のごとく急速に広がり、目に見えるほぼ全ての軍がそれに飲み込まれます。
それは正しく、『獄炎』でした。
罪人を焼く、地獄の業火。これが、天使の力。
ですが、その炎にはまるで救いかのように、白い火が混じっていました。
ネルが先代ネル・ラリウスから受け継いだという、『秩序の炎』。その名の通り、火は兵士だけを焼き、森には何の影響もありません。
煙すら出さず、ただ対象を焼くという結果だけを残すその炎によって作り出された地獄を、ネルは揺れた目で見ます。
剣を握ったこともないその非力な手を、それでも固く握りしめながら。
やがて、遠くから聞こえてくる悲鳴が少しずつ小さく、少なくなっていきます。
それに伴って軍勢を包んでいた赤白色も一つ一つポツリと消えていき、森にはいつもの静寂が戻りました。
「………私は少し、休みます」
「はい、無理しないでくださいね、ネル」
「分かっています」
冷酷な表情をしていたネルですが、その声には震えが含まれていました。
あの夜、ネルにはこんな思いをしてほしくないと、手を汚すのは私達でいいと思っていました。
しかし、ネル自身の強い要望でこの戦に出ることになりました。ですが、この様子だとやはり出なかった方が………
「………いえ、ネルが自分でやると言ったんです。止めるべきではなかった」
そんなこと、分かっています。分かっていますが、それでもあの悲しそうな顔は見たくありませんでした。
ならば、次がないようにしなければなりません。ネルのおかげで軍勢の大部分は死傷したはずです。これで和平交渉ができればいいのですが………
「そう思い詰めないでください。相手が先に攻め、結果的に国防に回す兵力を勝手に喪失しただけです」
「でも、私がやりすぎなければ………」
「私達は自分の身を守っただけです。和平どころか全ての交渉を蹴ったのはあちらで、私達はむしろ、戦いの終息を目指していました」
「そうだシュネー様、あなたは何も悪くない。因果応報というものだ」
ベッドの上で蹲るネルに、クランジェリスとともに慰めます。
先ほど私が言った通り、全ての交渉を蹴った貴族達は、あの力を見せつけられてなおこの街を攻め続け、しかしネルに阻まれ続け………………貴族達が暮らす中央都の『ディアエゴ』の国民達が蜂起し、兵の少なくなったその都は簡単に陥落しました。
ネルはそれすらも自分の責任だと、背負い込もうとしているのです。
「ネルの魔導を見てもなお攻めてきたのはあちらですし、あれ以来同じ規模の魔導は使っておらず、こちらから侵攻はしていません。愚か者が自らの破滅を招いた、それだけのことなんですよ」
そもそも、あの貴族達は国民に恨まれるようなことをしていたからこそ革命が起きたのです。
この国は王がおらず、それゆえに貴族だけでできた議会を通して政治が行われていたのですが、どうやらその議会が中々に腐っていたらしく、前々から不満が溜まっていたようなのです。
たまたま今回のことがきっかけとなっただけで、いつかは爆発していたかもしれません。時間をかけた分、さらに惨たらしいものとして。
ですので、むしろこれで良かったのかもしれません。
抑圧され続けた民意は、竜を凌ぐほどの力になり得るのですから。
「そう………なの?」
「ええ、ネルは、間接的ではありますが革命のきっかけとなり、腐敗した議会を打倒する機会を国民達に与えました。それは、むしろ誇るべきことじゃないですか?」
「でも、人を殺して、それを誇るなんて………」
「私達にとってネルは、もう誇りの象徴ですよ。あの大軍相手に逃げず退かず、その力で私達を守ってくれたのですから」
「シュネー様がいなければ、生徒達への被害は計り知れない。あなたじゃなければ癒せない傷も多々あった。全て、あなたがいたから助かっている」
「わ、たしは………」
ネルの薄暗い私室の中で、ベッドに蹲り震えるネルに声をかけ続けます。
しかし、それでもネルは毛布を被ったまま、顔を見せてくれません。
軍が引き、その理由を知ってから一週間経つというのに。
責めているわけではありません。ただ、心配なのです。
いつも明るいあのネルが、一週間も外に出ていません。日の光が大好きな女の子が、自責で引きこもっているのです。
やはり、ネルは前に出さなければ───」
「違う! リーリョちゃんは悪くない!」
思わず声に出していたようです。
ですが、やっと、ネルは顔を出してくれました。
「私が………私が出るって言って………でも、間違いで………」
「ですから、間違いなんかではありません」
再び毛布の中へ入ろうとしたネルの頬を両手で包み、無理やりこちらを向かせます。
ネルはそれほど抵抗しませんでしたが、その苦痛に満ちた表情は、私の手を止めるには十分でした。
「何がどうであれ、私は大勢を殺した………善悪なんかじゃないの、私は私が思うよりももっと………混沌を、生み出しちゃった。守るためじゃない殺しで、大勢を………」
「………………………」
かける言葉が、見つかりません。
ネルは、間接的に大勢の命の命を奪った責任を負おうとしていると思っていました。
しかし、先ほどの言葉こそが、ネルが塞ぎ込んでいる真の理由でしょう。
『混沌』。秩序と対を成す、この世にあるべきでないモノ。
それを生み出してしまった責任を、感じているのです。
「ネル………」
それは、命を奪うことよりももっと、辛いのでしょう。
なぜなら、ネルの使命、ここまで来た理由、そして、生きる意味。それらは『魔導師ネル・ラリウス』が託した『種火』を『火種』となる者に渡すこと。
その白陽の火が持つ秩序と相反したということは、自らの生きる理由を否定したのと同義と言えるでしょう。
しかし、それでも、ネルは背負い込みすぎです。
現実、思い通りになることなんてないですし、運が悪かったからと全ての責を負うのは非合理的です。
それに、いくらなんでも一人では酷すぎます。私にも、背負わせてほしいです。
私達は、家族なのですから。
「苦を共に、同じ道を歩んでこそ、家族です。自責については………私はもう何も言いません。それはネルの使命であり、私が継いだものではありません。ですが、その重荷を私にも、背負わせてください」
「俺からも頼む、シュネー様。自らの手で心を壊さないでくれ」
「リーリョちゃん………クランジェリス………」
ネルの強張った顔が少しだけ緩みました。
力の抜けたその隙を突いて、ネルの手を引いてその小さな身体を抱き締めます。
もがいても抵抗しても、強く、強く。
「リ、リーリョちゃん………?」
「………悲しいです。そして、悔しいです。ネルにとって、私は頼りない存在ということが」
「そ、そんなこと………!」
「なら、頼ってください。巻き込んでください。頼ってください。私は、ネルの助けになりたいんです………」
「リーリョちゃん………」
ネルの抵抗が消えたのを感じて、抱擁を解きます。
私の胸から顔を上げたネルは少し涙目になっていましたが、だからこそ力強い瞳を向けてきました。
それはまだ少し揺れ動いていますが、先ほどの暗い目よりかは格段に良くなっています。
「いっぱいの命が失くなった………混沌が生まれちゃったのは私のせいだけど………それでも、一緒に来てくれるの?」
「当たり前ですよ。例え世界が敵に回ったとしても、私はネルの傍にいます」
「俺の使命は命を賭しても種火を守ることだが、その種火にはシュネー様も含まれている。俺は、あなたについていく」
「二人とも………」
私達の言葉を聞いたネルは涙を拭き、笑顔を見せます。
その可愛らしい口は何かを言おうとして、しかし言葉にならないのか開閉させるのみでした。
ですが、それがとても嬉しいです。なぜならその笑顔は、私達の言葉を受けて入れてくれた何よりの証拠ですから。
「ネルが背負うものは、三人で分担します。ですから、何があろうともいつまでも一緒です。ネルから離れることはありません」
「うん………うん………!」
なんで、どうして、こんな………
「ごめん、約束守れなくて」
違う。あなたは悪くない。悪いのは───
「リーリョちゃんは悪くない。これは………仕方なかっただけ。ディアエゴ独立戦争のときと同じだよ」
「ですが………ですが、魔導の発展のために犠牲になるなんて………」
巨大な壁に囲まれた国である新興国、『魔導学国』。
学園にまで発展した私達の魔導教室を中心としたその国のため、月下の者達に少しだけ魔導を発動しやすくする『照月』の核に、ネルはなろうとしています。
「いえ、違います。私が騙されて、生徒達に押されて………私が核となるべきなのに………」
「リーリョちゃんは分かってるでしょ? この月の魔力消費は普通の人間じゃダメ。魔天により深く繋がってる天使の私だから、核になれるの」
「違います、そうじゃ………そうじゃないんです。そもそもこんな月は必要なくて、効果も強くないのに………」
貴重な材料を国ぐるみで集めてしまったせいで、今更やめることができません。
逃げてもいいはずなのですが、ネルは私の責任を肩代わりをしようとしています。
それに………
「安心しろ。月には俺もいる。何があろうとも守ってみせる」
「クランジェリス………」
クランジェリスも、月の守護者として上ろうとしています。私の間違いで、二人が離れようとしてしまっているんです。
ネルの傍にいると、言ったのに。
「………使命を捨てたわけでは、ないんですよね」
「うん、もしかしたら火種の人がそれを自覚できてないかもしれないから、これで可能性を少しだけでも上げて、リーリョちゃんが見つけてくれたら………」
「火種を見つけたら、降りてくれるんですよね?」
「そのとき生徒達がよしとしてくれるなら、にはなるけど………」
「なら、すぐに火種を見つけます。そして、二人を降ろします」
でも、分かっているんです。私と出会うまで何年も旅をしてきたネル達が見つけていないんですから、私一人ではそれ以上にかかるでしょう。
ですが、やらねばならないのです。それが私の間違いのために犠牲になろうとしているネルとクランジェリスへの、償いです。
「うん、それじゃあ、待ってるね」
「すぐに解放します。この国が落ち着くか、火種を見つけたら、すぐに───




