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異世界に黒狼(クロウ)は付きものです  作者: 影の超宇宙
最恐の相棒に出会いました。
9/15

相棒の誓いをしました。

「うぷぅ••••••っ。ふぅ、食った食った。これ以上は我も食えんぞ」


 ふっくらした腹を指すりだらしない笑みを見せ頬が緩み幸福感に満ち溢れたご様子にコイツの食欲が人間ばなれし過ぎろうとクロウを見て頬を引きつりジト目で見つめていた。人間ではなく見た目的には獣人で言う方が正しいだろう。

 あれから数時間。

 はらぺこ狼を満足されるべく沢山の食事を用意して空の景色は岩石で隠れて何も見えないが時計では夜の時間帯である。


「そんなに食べて体は異常が出たりしなのか?」


 食欲の後、一杯のお茶を飲みほしクロウを体調を伺う。


「心配いらんぞ。我の胃は頑丈なうえ本来の姿なら全体の4分の1ぐらいにしか栄養になっておらん」


 と、澄ました顔をニマリと笑みに「ま、マジでか」と呆気を取られる。

 傍若無人の食いっぷりでスレンダーな体格。

 一体どこに貯蔵されているか謎でクロウが人間の常識を凌駕する存在だと改めて実感する。

 そんな特殊で妖艶な体。フードファイトの大会とか出たら優勝間違いなしの食欲で太らない体質。しかも、獣人美少女とか反則すぎる。

 クロウの食欲振りに振り回れるなと今後ことに先々の不安が頭に過ぎると不意にクロウの表情が綻ぶ。


「お主には、感謝しておるぞ」

「どうしたよ、急に改まって?」


 唐突にしみじみとした表情を見せるあの、おてんば獣人美少女のクロウと忘れてしまうような謝辞に健二はむず痒いくなる。


「おかげ大気中の魔素を取り込むよりも飯を食っておる方が飛躍的に体の調子が戻りつつある」


 実際。滑らか肌とクロウの体から溢れ出る生気が満ち溢れる雰囲気がヒシヒシと肌に感じる。


「まぁ、あれだけ食べたもんな。しっかり栄養になってもらわなきゃあ困る」

「そうであったな、すまぬ。我も少しはしゃぎ過ぎた、お主には苦労さたな」

「ああ、クロウにせは世話を焼かされたよ」


 真面目な顔で謝りだすクロウに皮肉で答える失敗をした健二のことを一切気にせず顔を上げた。


「思えば我は、健二に貰ってばかりでなにも返せてはいない」


 塩らしく垂れた犬耳。先程からクロウのテンションが著しく低い。

 基本クロウは自己欲が強くても根は謙虚なのだろう。


「良いってことよ。クロウが元気な方が俺も嬉しいのとあんまり体調が回復しないままだと、ここから出られないからな」

「••••っ!ふっ••••っ。そうであったな」


 幼なげな童顔美少女クロウの大人ぽっい表情で歯に噛んで微笑む。


「でも、ずっとここに居座るは勘弁だから、なるべく速く頼むね」


 そう。軽い小言を伝えると「そこは安心しておれ」と真面目なクロウからおっちゃらけモードに切り替えように見えた。


「健二くれたメシのお陰で我もだいぶ力が戻っておるぞ! なんなら、今すぐにでもあの岩石を吹っ飛ばしてもいいぞ」


 凄いだろ言わんばかりぷにっとしたマシュマロような肌触りをしていそうな二の腕を見せて自慢しだす。

 力鼓舞を見せようとする姿がまた愛らくクロウが立ち上がって腕を軽くストレッチを初めて自信満々のご様子で頼ってくれと言わんばかりのむんとした顔を見せつける。

 あのウキウキとしたクロウの様子からして絶対、乱暴なやり方で岩石を壊す気である。

 言い出して自分に責任を感じ「いや、まだ良い」と伝えるとクロウが視線を向ける。


「いいのか?なるべく早く頼むと言ったのは健二であろう」


 首を傾げ正論を言い出すクロウに正直な気持ちを伝えた。


「外はたぶん夜だろうから、暗闇の中で動き回るのは得策ではない」


 未開の土地でしかも夜道は危険と判断し「それとだな」と続ける。


「こうして、クロウとまだ一緒に居てゆっくり話がしたかったんだよ」


 照れ臭い告白じみたセリフで後になって恥ずかしいと顔を熱くするとクロウがクスリと笑う。


「人に恐れられた我ともっと居たいとは健二はずいぶんと変わった奴だ」

「俺が好きでクロウと一緒にいたいと思ったら駄目なのか?」

「構わんぞ。もとより健二がいいと思った時に我の力を貸してやろう」


 健二の都合にあっさりと承諾され少し間が空き本音を語る。


「実はさ。最初は、めっちゃビビって今度こそ死ぬって思った。

 けど、話してみたら。ただの食いしん坊で優しい奴だと知って、ここにきてか良かったな今は思っている」


 岩石に覆われた暗い夜空を見上げ広々とした空間の中で静かに灯るランプを見つめ黄昏れる様子にクロウも口を開く。


「我も物珍しい奴に興味が湧き、蓋を開ければことあるごとにあたふたと共同不振に立ち振る舞うお主を見て我のコイツを主人にしてよいか頭を悩ませたものだ」

「•••••っ!悪かったな、共同不振な奴で」

「ふ、先程我のことをただの食いしん坊と言った健二に少し言い返したかったのだ」


 これでおあいこだなとクロウが口角を上げる。


「「••••••ふふ」」


 偶然、互いのあいづちが噛み合う。

「クロウ、改めて言わせてくれ」と視線を向ける。


「不甲斐ない部分を見せること多いけどこれからもよろしくな」


 気持ちが高まり勢いで拳を前に突き出すと「何をしておのだ?」とキョトンとした態度である。くぅ、やっていて恥ずかしい。


「え、えーとこれはだな。相棒になる相手に向けてやる誓いの合図的な奴だ」

「相棒とは何だ?」

「•••••っ!まぁ、相棒っていうのはな。苦難を乗り越える者達の繋がりを示す言葉だ」

「たぶん」と言葉を濁す。

「おお、今の我らには打って付けだ」


 目を見開き納得した様子のクロウが「これでよいのだな」と拳を前に出す。


「ああ、改めてよろしくな相棒」

「うむ、任せろ相棒」


 クロウと俺の拳に合わせる。


「健二のことは我がしっかり守ってやるぞ」

「クロウにそう言ってもらえると心強いな。俺もクロウの手助けが出来るよう勤めるよ」


 拳を放し互いに意思表明する。

「うむ、健二には死なれては我が飯にありつけないから困る」

(オイオイ、どんだけ暴食なんだよ)


 内心でツッコミをいえる。

「•••っ!全く困った相棒だな」と小言を残し健二は苦笑した。

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