「理論の怪物」
襲撃の翌日
ルシアンとカイルは警察署の一室で
レイモンド・グレイについて調べていた。
そして兄アルフレッドがかかわった事件記録の中に
レイモンドの名前を見つける。
ーー数年前
アルフレッドはある事件の調査をしていた。
事件の概要
事業家のジャマル氏が湖でボートが転覆し溺死した。
当初、事故死として扱われた事件だった。
アルフレッドは事故報告書の内容に違和感を感じ
事故現場に赴くことにした。
アルフレッドが現場に就くと
数名の警察が調査をしていた。
アルフレッドに気づいた警察官の一人が
「ああ、名探偵様のおでましだ」と言った
アルフレッドは嫌味を気にすることなく
「ジャマル氏が乗っていたボートはどれなのかを聞き
またボートが転覆した場所は湖のどこなのかを確認した」
アルフレッドが気になった点は3点ある
1つ目は、事故当日の天候。
事故当日は晴天で風もなく湖は静かなものだったとあったこと
2つ目は、ジャマル氏は学生時代に泳ぎが得意で大会で優勝するほどだったこと
仮に湖へ転落しても岸へ辿り着く可能性は高い
3つ目は、ボートに1人で乗っていたこと
アルフレッドはまずボートを確認した。
ボートは普通のローボート(手漕ぎボート)で
固定したオールを使って漕ぐものであった。
ボートを隅々と調査したところ、
小さな布の切れ端が引っかかていることに気が付いた。
布は高級なドレスに使われる生地のようだった
その布をそっとハンカチに包んだ。
そして事故報告書には魔法痕跡はなしとあったが
アルフレッドは魔導書を取り出し
魔法探知を発動した。
この魔法探知はもともと警察調査で用いる一般的なものだったのを
アルフレッドが改造して元の探知の5倍ほど精度になっている。
結果はわずかだが魔法反応があった。
次に湖を観察した
透明度は低く水草も多い。
湖の水深は中央にいくほど深くなり中央では3メートルほどになる。
一通りの現場調査を終えた
アルフレッドは手帳を取り出しメモをと取る。
その時アルフレッドの名前が呼ばれた、
アルフレッドが振り返るとそこには相棒のゼノが歩いてきていた。
アルフレッド
「随分と遅い到着じゃないか?寝坊したか?」
ゼノ
「何言ってる。お前がある人物の名前だけいってその人物を調べろと言ったから
苦労して調べてきたんだろうが」
アルフレッド
「悪い悪い、それでどうだった」
ゼノ
「ああ大体の経歴、性格、交友関係、生活状況がわかったよ。
報告書にまとめたから見てくれ」
アルフレッド
「さすが、仕事が早くて助かる。」
そういうと渡さた報告書にはレイモンド・グレイに関する内容が書かれていた。
ゼノ
「報告書にも書いたが、ジャマルは生前、レイモンド卿と土地開発で揉めていた」
ーー現代
ルシアンは兄の手帳を見ていた。
アルフレッドの調査記録には
調査対象
レイモンド・グレイ
動機:有
利益:有
機会:有
能力:無
ルシアン
「能力が無い?」
アルフレッドのメモ
彼には事故を偽装する知識・能力がない。
よって単独犯ではなく
事故を成立させるための協力者が存在する。




