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信じる者、疑う者

倉庫で一件から数日経過

二人はガレスから休養を命じられていた。

カイルとルシアンはスーパーの売り場で

買い出しをしていた。

ルシアン

 「パンケーキの材料はこれで全部そろったか?」

カイル

 「ああ。だいたいそろった

  あとはイチゴとマッシュルームだな」

ルシアン

 「カイルが作ってくれるのはクランペットじゃないんだよな。」

カイル

 「ゼノさんはクランペットが得意だから

  俺はクレープ・スタイルのパンケーキにする」

 「デザート用と食事用の2種類作るから

  楽しみにしてろよ。」

ルシアンは嬉しそうに笑う。

カイル

 「お前、ここに来た時とくべると

  食事が楽しそうだな。」

ルシアン

 「仕方ないだろ。

  誰かさんたちのおかげで

  食の楽しみを覚えてしまったんだから。

  責任取れ。」

カイル

 「はは。食は心身の健康と日々の活力の源って言うしな。

  ルシアンも料理上達するといいんだがな。」

ルシアン

 「・・・。玉ねぎの皮くらいは剥ける。」

カイル

 「はい。はい。今回も皮むきよろしくな。」


ーーカイルの家 ダイニング

テーブルには料理が並ぶ

スコッチエッグ、シェパーズパイ

クレープは

 イチゴと生クリームとチョコチップのクレープ

 鶏肉とマッシュルーム、玉ねぎが包まれているクレープ

が並ぶ。

カイル

 「ルシアン。ワインでいいか?」

ルシアン

 「いいよ。珍しいなお前がワインなんって」

カイル

 「ボスにもらったんだよ。」

ルシアン

 「ガレスさんから?」

カイル

 「ご褒美だそうだ。

  今まで組織のメンバーはほとんどが死んだおかげで

  手がかりがつかめなかったが

  最近はレオン始まり

  ヴィクター、ベル、ノア

  と立て続けに捕まえられたのは大きい。」

ルシアン

 「ベル、ノアは確か警察病院に入院してるんだったよな?」

カイル

 「ああ。二人とも重症だったが今は会話できるまで回復してる。

  組織に関することはどちらも黙秘をしてるらしいがな。」

ルシアン

 「そうか。」

カイルがルシアンの頭に手を置く

 「よかったな。ノアが死ななくて」

ルシアン

 「・・・。別に気にしてない」

カイルは苦笑いする。

 「今、科捜研の正確な調査結果待ちだが

  おそらく二人の使った

  魔法石は人工魔法石らしい。」

ルシアン

 「人工魔法石だって、

  人工魔法石は販売どころか研究さえ禁止されてるじゃないか」

カイル

 「ああ。一般的にはな。

  組織はどうやら人工魔法石の研究もしていたらしい。」

ルシアン

 「組織の目的は一体何なんだ」

カイル

 「それはまだわからなが

  レオンとヴィクターがどうやら司法取引に乗ったらしい。

  これからいろいろ分かってくるはずだ」

ルシアン

 「本当か!」

カイル

 「そういえば魔法石と言えばお前ノアとの戦いで

  凄い魔法(古代魔法)を発動させたって

  ゼノさんから聞いたぜ。

  それ練習していた古代魔法だろ?

  発動できるようになったのか。」

ルシアンはポケットから懐中時計を取り出す。

ルシアン

 「発動できたのはこれのおかげだよ。」

カイル

 「?」

ルシアンが懐中時計を開く

中にはゼンマイ仕掛けの時計版と

盤上には石が埋め込まれてる。

ルシアン

 「この石は魔法石(星晶石)だったんだ。

  あの古代魔法の術式は俺の家に伝わる

  術式で懐中時計はどうやら術者の感情に反応して

  発動補助をする仕組みになっている。」

  

カイル

 「星晶石だって!?

  おいそれめちゃくちゃレアで国家が厳重管理する

  代物じゃないか。

  お前の家何なんだよ。」

ルシアン

 「・・・。古くからある家系ってだけだよ。」

カイル

 「ふーん。・・・。」

ルシアン

 「・・・今度ゆっくり話すよ。」

カイル

 「わかった。

  今は組織にアルフレッドの件で手一杯だもんな。

  そっちに全力集中しなくちゃな。」

ルシアンはうなづき

 「確か明日、

  マリオに調査結果を聞きに行くんだったよな?」

カイル

 「ああ。

  今回の人工魔法石や依頼していた

  ハンカチの調査結果が出たらしい

  ゼノさんとは科捜研で待ち合わせで

  ヴィクターたちの話も聞けるはずだ。」

ルシアン

 「そうか!

  いろいろ動き始めるな。」

カイル

 「だな。さて話はここまでで

  食事を楽しもうか」

ルシアン達はクレープを食べる始める。

挿絵(By みてみん)


ーー科捜研

科捜研の一室に

ルシアン、カイル、ゼノ、マリオの4人が

テーブルを挟んで椅子に座っている。

ゼノ

 「二人とも体調は大丈夫か」

カイル

 「はい。ゆっくり休養できた

  おかげで全快しました。」

ルシアン

 「俺も大丈夫です。」

ゼノ

 「二人とも無理はするなよ。

  特にルシアンは魔法暴走しかけたんだ

  慎重にな。」

ルシアン

 「はい・・・」

ゼノ

 「さて。

  まずは俺から報告させてもらう。」

 「ベル、ノアは黙秘してるが

  ヴィクターたちが司法取引に応じた。

  ヴィクター、レオンは組織に入って

  日も浅く、忠誠心が薄い奴らで助かったよ。」

  

ヴィクター、レオンの証言

レオンは警察の予想通り、

情報操作による捜査の攪乱および

事故の証人の証言を後押しする記事を書いていた。

ヴィクターだが表は貿易会社の社長で天然魔法石を扱っていたが

裏では人工魔法石や違法魔道具を売りさばいていた。

組織の資金の一部はこの裏取引で取得していたらしい。


ゼノ

 「アルフレッドが最後に追っていた

  事故の被害者のグレゴリー・ヘイルは

  人工魔法石の裏取引の担当者だった。

  だが別組織と手を組み、

  組織を裏切って国外へ逃亡しようとしていたらしい。

ゼノ

 「人工魔法石については

  科捜研で解析が終わっている。

  マリオ、説明してくれ。」

マリオ

 「お。やっと出番。

  人工魔法石だがこれ凄いぞ。

  見た目は天然と見分けがつかない上に

  純度が高く、魔力量が多い

  天然魔法石のA級以上だ」

ルシアン

 「そんな人工魔法石聞いたことないぞ。」

マリオ

 「俺も初めて見たぜ。

  こんな人工魔法石を

  作れるなんて組織は相当な研究力を持ってる。

  検査してて震えた。

  俺も研究してみたいぜ。」

ゼノが睨む。

マリオ

 「冗談、冗談ですよ。

  昔は国をあげての研究をしてたけど

  あまりにも大規模事故が多くて

  今じゃ、開発どころか関わる文献も閲覧不可

  で研究なんかしてたのがばれたら

  1級犯罪扱いで即、刑務所ですからね。。。」

カイル

 「そんなやばい人工魔法石が市場に流入したら大変なことになるぞ」

ゼノ

 「ヴィクターの話だと量産のめどが立ったて話だ。

  本格的に量産化される前につぶさないといけない。」

ルシアン

 「ヴィクター達は量産場所は知らないんですか?」

ゼノ

 「ああ。知ってるのは研究局の人間だけらしい。

 ヴィクター達は所属が研究局じゃないから聞き出せなかった。」

マリオ

 「じゃあ。魔道具から探した方がいいんじゃないか?」

カイル

 「魔道具?なんでだよ。」

マリオ

 「うーん。だってここまでの純度の高い魔法石を作るには

  魔力を極限まで安定化させる特殊な大型魔道具が必要なはずだ。」

ルシアン

 「ゼノさん。確かヴィクターは裏で違法魔道具も扱ってましたよね」

ゼノ

 「そうか。

  違法魔道具の納品先を調べたら何かわかるかもな。」

カイル

 「よし。これで人工魔法石の手がかりがつかめそうだな。

  マリオ、今度はハンカチの調査結果を頼む。」

マリオは調査報告書をテーブルに広げる。

 「OK。

  ハンカチから2種類の薬品が検出された。

  1つはインク

  もうひとつは溶解剤の一種だと思う。」

カイル

 「インク?

  ハンカチにシミなんてなったぞ。」

マリオ

 「特殊インクで魔力伝導インクだと思う。」

ルシアン

 「さっきからだと思うって

  ずいぶん自信ないじゃないか。」

マリオ

 「うう。仕方ないじゃないか

  科捜研の薬物分析のエースが不在なんだよ。」

カイル

 「薬物分析のエースって確か・・・」

ゼノがカイルの言葉を遮る

 「マリオ、それいつからだ。」

マリオ

 「え!?。急にどうしたんです。

  ええと2週間前から長期休暇に入ってます。」

ルシアン

 「ゼノさん?」

ゼノ

 「薬物分析担当……

  ジェイミー

  ジェイミー・エリオットが関わってる。」

マリオ

 「は?そんなわけないでしょ。

  いくらあんたでもうちのエースを犯罪者扱いは

  許さないっすよ。」

ゼノが顔をゆがませる。

 「俺だって最初はそう思っていたさ。」

 

ゼノがアルフレッドの調査ノートを開く

 〇月〇日

 念のため転落事故の証拠品は別々に保管する。

 片方はジェイミーに調査依頼予定

 

マリオ

 「・・・」

ルシアン

 「これって片方がハンカチ?」

カイル

 「待ってください。

  転落事故に薬物関連調査の報告なんてなかったはずですよ。」

ゼノ

 「ジェイミーに話を聞こう。」

部屋の空気が一気に張り詰めた。

ルシアンはポケットの中の懐中時計を握り締める。

兄が最後に残した手掛かりは、まだ終わっていなかった。

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