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証人の選択

連行されたレオン・ブラックは

すぐに事情聴取が行われた。

ゼノが尋問担当になり組織に関連する生きた証人ということもあり

ガレスが立ち会うことになった。

ゼノ

 「あなたの名前はレオン・ブラックでいいですね。」

レオン

 「ああ。そうだよ。

  俺は何も知らないし、罪に問われることはしちゃいない。

  早く、解放してくれ。」

ゼノ

 「何もしてないになぜ俺たちを見て

  逃げたんですか?」

レオン

 「それは。俺は新聞記者だ

  犯罪ギリギリの危ないこともやらなきゃ

  記事にならないこともある。それでだよ。」

ゼノ

 「・・・。

  君が書いた記事は実に興味深いね。

  特に最近のグレゴリー・ヘイル転落事故や

  アルフレッド・櫻塚転落事故の記事特に詳細を知りたいなあ。」

レオン

 「何を知りたいって言うんだ。

  俺は転落事故の証言者のインタビュー記事を書いただけだ。」

ゼノ

 「2件の事件は夜半に起きてる。

  その2件の証言者を見つけ出してインタビューするなんて

  どんな調査をしたんだ?

  是非、警察にも教えてほしいんだが。」

レオン

 「それは地道な聞き込みだよ。」

ゼノ

 「そうか。こっちはどうだ。

  イザベラ殺人事件の件だ。

  ローテリア大学の教授が殺された事件だ。

  当然、世間を賑わすはずが

  ほとんど話題にならなかった。」

  

ゼノがある新聞記事をレオンの前に置く

 「ある政治家の汚職疑惑に関する記事だ

  今まで誠実でクリーンなイメージで

  次期首相候補とまで言われていた

  人物に対する疑惑で世間は

  そちらに関心を持っていかれてたためだ。

  この記事も書いたのはあなたですね

  レオンさん。」

挿絵(By みてみん)

レオン

 「・・・。そんなのただの偶然じゃないか。」

ゼノ

 「偶然。違うだろ。

  全て計画だろ。

  ある組織による計画的な情報操作だ。」

レオンの顔が強張る。

 「組織?何のことだ。

  俺は組織に関わってなんかいない」

  

今まで黙って聞いていたガレスが口を開く。

ガレス

 「あんたも知ってると思うが

  組織は自分たちの秘密が公になる前に

  証人を排除している。」


 「レイモンド、ウォルター、アーノルド、ハロルド

  皆、消されたな・・・

  次はお前さんかね。」

レオンは脂汗を額に浮かべる。

 「何を言ってるんだ。

  何度も言うが俺は罪になるようなことはしてない。」

ガレス

 「どうだ。レオンさん。

  俺たちと取引しないか?」

レオンは驚きの表情をする。

 「取引・・・」

ガレス

 「そうだ。取引。司法取引だよ。

  あんたが組織の情報を話してくれるなら

  俺たちはあんたを全力で守ってやる。

  どうだ悪い話じゃないだろ。

  組織から個人で逃れるのは無理だって

  あんただってわかってるだろ。」

レオンは頭を抱える。

 『……冗談じゃない。

  俺が口を開いたら、その場で死刑宣告だ。』

レオンは先ほどのガレスの話を思い出す。

 「少し時間をくれ。」

ガレス

 「いいだろ。

  あんたの身の安全のためにも

  ここではない場所に移ってもらう。」

レオンが複数の警察官に伴われて部屋を出ていく。

ゼノ

 「彼をどこに?」

ガレス

 「悪いがお前にも教えられん。

  ただ、やっと確保できた重要証人だ。

  厳重に警護するさ。」

ゼノ

 「わかりました。

  何か聞き出せたら教えてください」

ガレスはうなずくと部屋を出て行った。

ゼノは窓の外を見ながら

 「アルフレッド。また一つ近づいたぞ」


ーーアシュフォード警察署 医務室

カイルがルシアンの手当をしている。

ルシアンはシャツを脱ぎ

カイルに背中を向けていた。

カイル

 「少し、冷たいぞ。」

カイルは魔法石を傷口に当てながら魔法式を展開。

ルシアンが顔をしかめる。

カイル

 「医療用の魔法石だ。これで回復が早くなるはずだ。

  明日には腫れも引くだろう。」

ルシアン

 「ありがとう。助かる。」

ルシアンが上着を着ようとしたときだった

カイルがルシアンの腕を掴む。

ルシアン

 「?なんだ。カイル」

カイルはルシアンの普段洋服で見えなかったので

わからなかったが腕のあちこちに

火傷のあとがあることに気付いた。

カイル

 「ルシアン。この火傷どうした」

ルシアン

 「・・・。何でもない。

  料理で出来た火傷だ。」

カイル

 「料理?お前は料理できないだろ。

  嘘ならもっとまともな嘘にしろよ。

  で何なんだこれは」

ルシアン

 「はあ。練習。魔法式の練習でついた傷だよ」

カイル

 「練習?火傷ってことは火属性魔法か

  お前の得意分野は補助系魔法だろ。

  何で攻撃魔法の練習をしてるんだよ。」

ルシアン

 「それはこの前博物館で古代火属性魔法の

  術式が刻まれた石碑を見て

  今までできなかった魔法式を

  今ならできるようになるんじゃないかと思って・・・」

カイル

 「石碑?どういうことだ?

  ・・・まあ。理由は分からないが

  お前が前に進もうとしてるのはわかった。」

カイルはルシアンにシャツを被せると

 「よし。その魔法の練習に俺も付き合うぞ。」

ルシアンは驚く

 「は?なぜおまえが練習に付き合うんだよ。」

カイル

 「俺は攻撃魔法が得意だからな。

  いろいろお前に教えられると思うぞ。

  それに俺たちは相棒だろ?

  相棒が困ってるなら助けなくちゃな。」

ルシアンは怪訝な顔をする。

 「いつから相棒になったんだよ・・・」

カイルは面白そうに笑う。

 「最初に俺の手を取ったのはお前じゃないか。ルシアン。」

ルシアンは目をそらして

 「・・・。よろしく頼む。」

カイル

 「師匠って呼んでいいんだぞ。ルシアン。」

ルシアンは軽くカイルを睨みつけ

 「調子に乗るな。」

カイルは遂に笑い声をあげて笑い始める。

それにつられてルシアンも笑う。

挿絵(By みてみん)

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