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古代術式の記憶

ルシアンは国立博物館の入場パスを購入して

博物館の中を興味深げに見ている。

ルシアンはある石碑の前で立ち止まる。

その石碑は古代術式の火属性魔法式に関するものだった。

ーー14年前

ルシアンは兄と手を繋いで花が舞い散る中を歩いていた。

兄が語る石碑にまつわる話を目を輝かしている。

幼いルシアン

 「兄さま。そのお話本当なの?」

アルフレッド

 「ああ。本当だよ。

  これは我々のご先祖様と火の神様の話しなんだよ。

  」

アルフレッドは詠唱を唱える

そうするとそこに複雑な魔法陣が現れる。

ルシアン

 「わあ。綺麗。兄さま。凄いや!」

ルシアンは魔法陣に近づき見つめる。

 「兄さま。この魔法陣ご本に書いてあった魔法式に

  似てるけど違うような?」

アルフレッドは優しく弟の頭をなでながら

 「この魔法は古代術式なんだよ。

  古代術式から今の魔法式は簡単にしたものなんだよ。」

ルシアン

 「難しいってこと?」

アルフレッド

 「そうだね。とても難しいものだよ。

  でも。僕はこの古代術式がとても好きなんだ。

  綺麗だけじゃなくとても強い力を秘めてる・・・」

ルシアン

 「・・・僕も大きくなったできるかな?」

アルフレッド

 「きっとできるよ。ルシアン」

ーー国立博物館 石碑前

ルシアン

 「結局、できないままだよ。

  兄さん・・・」

そこに後ろからいきなり首に手をわまされる。

ルシアン

 「!?」

 「やっと見つけぞ。ルシアン!」

ルシアン

 「いきなり。抱き着くな。ライアン」

ライアン

 「お前なあ。

  待ち合わせは博物館入口前だったろうが。

  なんで一人で中入ってるんだよ。」

ルシアン

 「早めに着いたから少し中を見ていただけだ。。。」

そこに3人分のパーフレットを持った

ノエルが歩いてきた。

ノエル

 「はい。二人ともどうぞ。」

ルシアン達はパーフレットを受け取る。

挿絵(By みてみん)

ノエル

 「ルシアン。その石碑が随分気に入ったんだね。

  確か有名な火にまつわる神話が書かれているんだったよね。」

ルシアン

 「ああ。古代術式の属性魔法式で

  俺の故郷にも似たようなものがある。」

ノエル

 「そうなんだあ。

  古代術式は発祥は同じだとされるからね。

  ロマンがるよね。」

ライアン

 「なにがロマンだ。俺にはさっぱりわからん。」

ライアンは不満げな表情をしている。

 「ここには俺たちの研究テーマ

  『古代術式の所有権』について資料集めに来たが

  なんで博物館なんだよ。」

ルシアン

 「古代術式は所有権の扱いが複雑だから

  多くの古代術式を所有している博物館の方に

  話しを聞きにきたんじゃないか。」

ライアン

 「そもそも何でテーマが『古代術式の所有権』なんだよ。

  俺たち法学部だぞ。

  もっと他に国際法とか刑事法とかあるだろ。」

ノエル

 「それは、僕たちのチームには

  法学部なのに魔導理論学科の最難関講義で

  専攻の学生より評判がいいレポートを

  書いてるルシアンがいるからね。」

ライアン

 「ルシアン。お前何で法学部が専攻なんだよ。」

ルシアン

 「俺はお前が法学部にいる方が不思議だよ。

  お前、体育学部の方が向いてると思うぞ。」

ライアンがルシアンをジト目で見る。

ノエル

 「まあ。まあ。二人とも落ち着きなよ。

  ライアンの家は検察家系なんだよね。」

ライアン

 「ああそうだ。家族全員検察官だ。」

 「俺は山道でも犯人を追える検察官になる!」

ルシアン

 「・・・。なんで山道なんだよ。」

ノエル

 「あ。そろそろ。博物館の方との約束の時間だ。

  2人とも行こうか。」


--国立博物館 事務室

国立博物館職員

 「皆さん。

  初めまして。保存課のアレクサンダーです。」

ルシアン

 「本日はお時間をいただき、ありがとうございます。」

アレクサンダー

 「いや。いいんですよ。

  若い皆さんが古代術式について興味を

  持って下さるのはとても嬉しいことです。」

ノエル

 「早速ですが、国立博物館の所有する

  古代術式ですが所有権は国立博物館が持たれているんですか?」

アレクサンダー

 「古代術式は古代からある術式なため

  一般に知られている。術式には所有権が存在しません。

  ただし、古文書や石碑などで特有な古代術式はその書かれたものの

  所有者が所有権を有します。」

ルシアン

 「博物館に展示されていた石碑と

  似た術式が他にあった場合どうなるんですか?」

アレクサンダー

 「古代術式から様々な新術式が生まれていきました。

  新術式なら別のルールになりますが

  ほぼ同じ術式だった場合は、その所有者との

  共同権利になります。」

ライアン

 「新術式の別ルールって何ですか?」

アレクサンダー

 「新しく生まれた術式は国際的登録機関に申請すると

  100年間の著作権・所有権が与えられます。

  」

ライアン

 「へえ。そうなんですね。

  俺も新術式作ってみるかな。」

ノエル

 「それにはまず、古代術式解読学などの

  魔導理論を理解しなくちゃいけにけどね。」

ライアン

 「・・・・。

  よし、ルシアン共同開発しよう。」

ルシアン

 「何でそうなるんだよ。いやだよ。」

ライアン

 「お前、古代術式解読学の

  授業も受けているじゃないか。

  好きなんだろ?」

ルシアン

 「それは・・・」

アレクサンダー

 「?確か3人は法学部の学生さん達でしたよね?」

ノエル

 「ええ。そうです。

  ただルシアンは法律だけでなく

  魔道理論の授業もたくさん受けているんです。」

アレクサンダー

 「そうなんですか。

  それじゃあ。折角来ていただいたので

  未公開資料や復元作業などもご覧になりますか?」

ルシアン

 「え。いいんですか?

  是非お願いします。」

ノエルは笑いながら

 「ルシアンは本当に好きなんだね。」

 

ーー修復作業部屋

アレクサンダー

 「ここでは破損してしまった。

  古文書や石碑の修復をしています。」

ライアン

 「普通の修復方法とは何か違うんですか?」

アレクサンダー

 「いい質問ですね。

  はい。通常の古文書などとの修復方法とは

  別に魔法式再現技術が必要です。」

ルシアン

 「普通の魔法式再現でも再現が大変なのに

  古代術式は複雑なのでさらに難易度が高そうですね。」

アレクサンダー

 「ええ。とても高い修復技術だけではなく

  古代術式の知識や再現知識も必要なので

  復元には時間がっかかります。」

アレクサンダーは作業中の工程を説明すると

次に未公開資料がある書庫へ案内した。


ーー未公開 保管庫

 棚には書物や石碑などが並んでいる。


アレクサンダー

 「ここには未公開の資料が保管されています。」

 「写真撮影はだめですが近くで見る分には

  構いませんので少し見て回ってください」

ルシアンは興味深げに棚を見て回る。

そしてある棚の下に紙が落ちているのを見つけ

拾い上げる。

ルシアン

 「これは!なぜここに?」

その紙に書かれた文字は兄の筆跡によく似ていた。

しっかりと確認しようとした時

アレクサンダーの声がする。

 「皆さん。すいませんが集まってください。」

咄嗟にルシアンは紙を戸棚の本の間に挟む。


ルシアンは動揺を抑えこみ。

ポーカーフェイスになるよう心掛ける。

アレクサンダー

 「皆さん。そうでしたか?

  古代術式に興味を持っていただけましたか?」

ルシアン

 「はい。

  貴重なお話や修復作業や未公開資料を

  見せていただき、さらに興味がでました。

  本日はありがとうございました。」

アレクサンダー

 「いえいえ。またわからないことなどありましたら

  遠慮なくご連絡ください。」


ーー自室(ルシアンの部屋)

ルシアンは昼間見たものを思い出していた。

ルシアン

 「あの紙に書かれていたのは、兄さんの字だった。

  なぜ、あんな場所に?」

ルシアンは博物館のパーフレットを手に取り

何かを考え始める。


ーー閉館時間後の博物館

ある特設展示の展示台の下からルシアンが出てくる。

ルシアンはあたりを見回すと

スタッフ以外立ち入り禁止のドアをくぐる。

ルシアンが数区画進むと突然警報音が鳴った。

前から警備員が近づいてくる。

咄嗟に一番近くの部屋へ飛び込む。

ルシアン

 「ベットと机が置かれていた。ここは仮眠室か」

ルシアンはベッドの下に潜り込む。

仮眠室に警備員が入ってくる。

ベッドの近くまで来て部屋の中を確認する。

ルシアンはできるだけ息をしないようにして警備員が出ていくのを待つ。

少し経つと警備員が部屋を出て行った。

ルシアン

 「やっと行ったか。

  今度迷彩魔法を覚えようかな。」

何とか未公開保管室まで来た。

保管庫には鍵がかかっている。

ルシアンは鍵解除魔法を展開する。

本来このドアには解除魔法防止がされているが

ルシアンは前回この部屋から出るときにドアに細工をしていた。

ルシアン

 「まさか。カイルから教わった魔法が役立つなんてな。」

ルシアンは教えてもらった時のことを思いだしていた。


ーーカイルの玄関ドアの前

カイルは意外にも料理が得意で

ルシアンもよくカイルに料理をご馳走してもらっている。

その日もカイルと一緒に食材を買ってきていた。

カイル

 「ちょっと待っててくれ。」

カイルはドアに手をかざして魔法式を展開した。

ドアの開く音がする。

ルシアン

 「今のは?」

カイル

 「ああ。

  ドア解除魔法の一つで内側にある術式と共鳴させてドアを解除するんだ。

  これなら対になっている必要があるから普通の鍵より安全だし

  鍵を持ってなくても開けられるから楽なんだよ。」

ルシアン

 「めんどくさがり屋のお前にぴったりだな。」

カイル

 「お前なあ。料理作ってやらないぞ。

  今日はお前の好きな海老のパエリアだけどいいんだな。」

ルシアン

 「すまない。絶対食べたい。

  謝るから食べさせてくれ。」

カイル

 「まあ。いいか。

  この魔法本当便利だからお前も覚えてみるか?」

ルシアン

 「いいのか。教えてくれ。」

ルシアンはカイルが作ってくれたパエリアを食べながら

解除魔法も教えてもらったのだった。


ーー未公開 保管庫のドアが開く。

ルシアンは素早く入ると念のため内側から鍵をかける。

急いであの紙があった棚に向かう。

本から紙を取り出し内容を確認する。

メモ

ジャマル事件の魔法痕跡除去に関わりあり

背表紙が黄色の資料ファイルに注意

ルシアン

 「背表紙が黄色の資料ファイル?」

ルシアンはその棚にある資料から

黄色の資料ファイルを探す。

ルシアン

 「あった。これだ。」

ルシアンは資料を開くと

ジャマル事件のボートの写真と魔法式が記載されていた。

資料には文化財修復の技術を応用して魔法痕跡の書き換えの方法が

記入されていた。

資料作成者はエドワード・キングスリーになっている。

ルシアンはファイルの内容をスマホで撮影する。

その時だった保管庫のドアが開く音がしたのは。

ルシアンは周りを見渡し身を隠せる場所を探す。

少し離れた場所に大判の石碑が入った箱を見つける

ルシアンはその中に身を潜める。

挿絵(By みてみん)


 「どうする。今回はどこに置く。

  見つからないようにしないといけないぞ」

 「奥にしましょう。

  確か奥の棚に余裕があったはずよ。」

 「しかし。証拠改ざん作業をここでやるのは

  気が気じゃないな。」

 「仕方がないわよ。保管物の紛失が相次いだせいで

  最近科捜研への監視が強化され影響で

  こちらに作業が回ってきたり

  資料保管をこっちに移してるんだから。」

 「まあ。ここなら関係者以外は入れないしな

  しかし、証拠改ざん作業は時間がかかるな。」

 「それでも。あの人の発明した方法のおかげで

  画期的に早くなったわ。」

 「あれは本当に凄い発明だわ。

  その発明があの方に高く評価されて

  今度、第四研究所の室長に昇格されるそうよ。」

 「そうなのか。まだ若いのに大抜擢じゃないか。」

男女は棚に持ってきた資料を置くと部屋を出て行った。


ルシアンは箱から抜け出すと

急いで保管室を出で搬入口から博物館の外へ出る。


ルシアンは今回の潜入を

ゼノやカイルに相談しようとしたが

仮にも警察官の二人に不法侵入させるわけにはいかず

1人で実行したが結果良かったかもしれない。

ルシアン

 「こんなかたちでジャマル事件の

  魔法痕跡の隠滅や第四研究所のことがわかるとは思わなかったな。」

 「それにエドワード・キングスリーの名前はどこかで

  見たきがする。」

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