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仮面の教授

--ローテリアル大学 大講義室

エイドリアンが黒板に複雑な古代式術式を書いていく

エイドリアンは正面を向くと

生徒たちに話しかける

 「今、黒板に書いた術式は古代の火属性魔法の1つだ。

  この術式から現代の派生火属性魔法式が誕生している。」

  

 「だれか、なぜ古代術式解読学が重要かを言えるかな」


生徒

 「古代術式学は現代魔法の成り立ちを知るのに

  必要だと思います。」

  

エイドリアン

 「そうだね。それも古代術式学が重要である点のひとつだ。

  古代術式学は古臭い魔法だと言う研究者もいるが

  私はそうは思わない。

  古代術式学は魔法の基礎式であるがゆえに

  新しい魔法式の発明にも重要な役割がある。」

挿絵(By みてみん)


エイドリアンが古代術式について例を挙げて説明を続ける。

エイドリアンは腕時計を見る

エイドリアン

 「さて。そろそろ時間だ。

  来週までに4大要素(火・水・風・土)の古代術式の

  特徴をレポートにまとめて提出をするように。」

生徒たちがエイドリアンの周りに集まる

ある生徒

 「教授、この後お時間をいただけませんか?

  水属性の古代術式について質問があるのですが。」

エイドリアン

 「すまない。このあと人と合う約束があってね。

  明日なら時間が取れるから14時に私の研究室に来てくれないかね?」

ある生徒

 「もちろん。大丈夫です。お伺いします。」

エイドリアンは生徒たちに声をかけながら大講義室を後にした。


ーーあるビルの一角 会議室

ビルの高層階にある

広い会議室には男性が2人と女性が1人座っている。


会議室のドアが開きエイドリアンが入ってきた。

エイドリアン

 「皆、急な招集に集まってくれてありがとう。

  至急話し合わなければいけないことができたのでね。」


 「イザベラとアーノルドのことですね。」

エイドリアン

 「ああそうだ。優秀な二人を失ったことは大きい。

  ダミアン。人材確保と研究局の局長及び第一研究室の室長を

  決める必要がある。」

ダミアン(諜報局 局長)

 「良い人材は確保が難しいですが

  既に候補者は数名洗い出しが終わっております。

  国内だけでは不足しますので、海外の研究者も含めて選定しております。」

  

 「後でリストをお送りします。

  海外の人材も含めていますので人材取得資金を

  多くいただけたらと思います。」

  

エイドリアン

 「国内での人材にも限度がある。

  資金調達の方はどうかね。ソフィア。」

  

ソフィア(資金局 局長)

 「現時点で研究局再建に必要な予算は十分確保できています。」


 「また人材資金には先日、組織傘下の貿易商にて

  大口の鉱石の売買の利益がでましたのでそちらが使えます。」

  

エイドリアン

 「そうか。ありがとう。

  ダミアン。研究局の人事は?」

  

ダミアン(諜報局 局長)

 「はい。

  新局長には第四研究室の室長のオスカー・レイン

  第一研究室の室長は新しい人材確保までは副室長が

  兼任でどうでしょうか?」

 

エイドリアンは少し考えてから

 「いいだろう。それでいこう。

  空いた第四研究室の室長はそうする?」

  

ダミアン(諜報局 局長)

 「主任研究員の彼はどうでしょう。

  優秀な人材ですので適任だと思います。」

  

エイドリアン

 「・・・彼か。

  いいだろう。彼にはこれからも組織の力になって

  もらわなければいけないしな。」

  

エイドリアン

 「さて今回の件では警察の動きが思ったより

  早く、対応が後手に回った。」

  

ダミアン

「ゼノ・ハリントンの始末に失敗したのは、工作局の失態だ。

 どうするつもりだルシエド。」

  

ルシエド(工作局 局長)

 「ゼノ・ハリントン、カイル・ローレス

  ルシアン・櫻塚の3名は必ず処理します。」

 

 「次は失敗しません。」


ソフィア

 「ルシアン・櫻塚・・・

  あのアルフレッド・櫻塚の弟までも

  われらの邪魔をするとは。

  アルフレッドがいなくなって

  計画が進めやすくなったと思っていたのに。」

  

エイドリアン

 「アルフレッドとルシアンか・・・

  じつに面白い兄弟じゃないか。」

  

 「ダミアンはルシアン達の動向を探れ。」

 

ダミアン

 「はい。かしこまりました。」


エイドリアン

 「では皆、引き続きよろしく頼む。」

一同

 「はい。総帥」


エイドリアンに一同が一礼してから退出する。


エイドリアンは窓の外を見つめた。

夜霧に包まれた街の灯りが揺れる。


ふと、一人の青年の姿が脳裏に浮かぶ。

『先生、あなたの理論は美しいが哀しい』

アルフレッドの何もかも見透かすような瞳がよみがえる。

エイドリアンは静かに目を閉じる。

「君なら私を理解できると思ったのにな……」

挿絵(By みてみん)

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