教授
「教授」
ルシアン達がアシュフォードに帰ってきてから
数日後、眼鏡も直り本格的に「教授」について
調べることになった。
「教授」は役職を示すのか役割を示すのかはわからない。
「教授」が役職だったとしても大学は数多く存在する。
今までの事件の調査資料を見返すことにした。
レイモンドの調査報告書を読んでいると
禁書の記述があった。
所有していた禁書をローテリアル大学に寄贈(譲渡)とある。
ルシアンは夜会での噂を思い出した。
レイモンドが大学関係者との付き合いが増えたと。。。
またアルフレッドの手帳のレイモンドに関する記載に
「大学内部に協力者あり」とメモがの残されていた。
ルシアンはカイルに頼み
押収されていたレイモンドの手帳を確認することにした。
レイモンドの手帳
〇月×日
例の禁書の件がやっと片付く。
早くあの禁書を処分したいところだが禁書は
管理が厳格で手続きに時間がかかる。
あの方が口添えしてくださったおかげで大分早く禁書の処分ができた。
明日、ローテリアル大学に行き直接あの禁書をお渡し(譲渡)する予定だ。
カイル
「禁書の件、知ってるか?」
ルシアン
「ああ。本来禁書の手続きは複雑なため長期間になるところが
短時間で譲渡の申請が通り、話題になっていたからな。」
カイル
「禁書は保管管理も厳格に管理するんだったよな。
ローテリアル大学で禁書管理はだれがやっているんだ」
ルシアン
「禁書自体は大学の保管庫で保管されていて
申請を認められない限り閲覧もできない。
そして禁書の責任者は・・・
エイドリアン教授だ」
カイル
「エイドリアンってあのエイドリアンさんか?
俺でも知ってる魔導理論の大家じゃないか。
まさか「教授」はあの人なのか?」
ルシアン
「・・・エイドリアン教授について調べてみよう」
2人は手分けをしてエイドリアンについて調べることにした。
ーー数日後、ルシアンの自室
2人はお互いに調査した結果につて話していた。
カイル
「完璧な人間っているんだな。。。」
「悪評ゼロ。」
「使用人にも礼儀正しい。」
「貴族連中ですら悪く言わない。」
カイル
「家柄もアステリア公国でも名門とされるヴォルフ伯爵家の当主だ。」
ルシアン
「エイドリアン教授は生徒にも優しく
だけど間違ったことに対してはきちんと指導してくれる。
頼れる先生として非常に人気だよ。」
ルシアン
「俺も何講座か教授の授業を取っているが
常に穏やかで声を荒げたり、横暴な態度などみたことがないよ」
カイル
「犯罪組織に関わるような人物には到底思えないが・・・
俺たちが探している教授は本当にあの人なのか?」
ルシアン
「わからない。。。」
その時ノックの音がしてベアトリスが入ってくる。
ベアトリス
「お話し中ごめんなさいね。
ルシアンくんにお客様なのだけどお会いになる?」
ルシアン
「客?誰ですか?」
ベアトリス
「バーンズさんというご婦人よ。ご存じの方かしら?」
ルシアンとカイルは顔を見合わせる。
カイル
「バーンズさんてあのウォルターさんの奥さんじゃないか?
どうしてお前を訪ねてくるんだよ」
ルシアン
「さあ。心当たりがないが会ってみよう。」
ーー居間
ルシアンとカイルの前にテーブルを挟んで
バーンズ夫人が座っている。
バーンズ夫人
「すみません。連絡もしないで会いに来てしまい。
どうしても直接会ってお渡ししたいものがありましたので」
ルシアン
「渡したいもの?」
バーンズ夫人
「はい。こちらになります。」
バーンズ夫人は1つの鍵をテーブルの上に置いた。
ルシアンは鍵を手にとり観察した。
鍵には銀行の印があった。
おそらく銀行の貸金庫の鍵だろう。
バーンズ夫人
「主人の葬儀も終わり、主人の遺品整理をしていたら
私宛の手紙を見つけました。」
バーンズ夫人への手紙
親愛なるシリルへ
君がこの手紙を読んでいるころ私は残念だが死への旅路へ旅立ったのだろう。
数日前から不審な人物が現れるようになった。
おそらくあの方の命令だろうう。
なぜ今になって動き始めたのかはわからないが
今思えばアルフレッド・櫻塚が最後に尋ねてきた時から
こんな日が来るのではないかと思っていた。
アルフレッドが最後に私に会いに来たのは
彼が死ぬ数週間まえだった。
私に銀行の貸金庫の鍵を預かってほしいとお願いされた、
最初断ろうとしたが。
この鍵は真実を求める者が訪れたら渡してほしいと言われ
その真剣な様子に断り切れなかった。
もし真実を求める者が訪れたらこの鍵を渡してほしい。
ウォルター・バーンズ
シリル(バーンズ夫人)
「真実を求める者はルシアンさん、
あなたのことだと思います。
受け取って貰えますか?」
ルシアン
「・・・はい。受け取らせていただきます。」
ルシアンとカイルはバーンズ夫人を見送ると
すぐに貸金庫のある銀行に向かた。
ルシアンは鍵を差し込む。
金属音が静かな金庫室に響く。
深呼吸を一つ。
ゆっくりと扉を開ける。
中にはあの破かれた調査ノートのページと事件のメモ、カフスボタンがあった。
ーー警察署内の一室
ルシアンは敗れたノートを眺めていた。
敗れたノート
私の死にはある組織が関わっているだろう。
組織を追っているうちにある人物と出会った。
彼の名はエイドリアン・ヴォルフ。
魔導理論の大家で常に紳士的で礼儀正しいが
私にはあの瞳の奥には深い闇が広がっているように感じる。
私は何度も彼を観察した。
誰からも慕われ
誰よりも理知的で
誰よりも礼儀正しい。
だからこそ
私は彼が恐ろしい。
なぜなら
人間らしさが見えないからだ。
組織についてはまだ、組織名不明、構成員多数などはわかっていない、
組織はかなりの大きさの規模だと思われる。
そして教授は幹部の可能性が高い。
ルシアン。君が真実にたどり着くことを祈る。。。
ルシアン
「兄さん。。。」
そこにカイルが部屋に入ってくる
カイル
「ルシアン。組織のことやアルフレッドの死についてわかるかもしれないぞ。」
ルシアン
「?どういうことだ」
カイル
「あの人が帰って来る。」
ルシアン
「あの人?」
カイル
「ああ。アルフレッドの一番近くにいた
ゼノ・アシュフォードが近く帰国する。」




