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18.届き先指定


翌日。


俺は罠づくりに取り掛かることにした。

まずは川へ向かう。


途中で雑草を引っこ抜いて、枝も拾う。

これらを材料に、罠を作る。


材料が集まったので、スキル発動だ。



「『ツール表示』」



材料を集めた場所を指定し、続けて絵を描く。


小魚や甲殻類なんかを獲るための、かご状の罠だ。

川の流れの逆向きに籠の入り口を向けることで、その中に閉じ込めるのだ。


逆流防止のために、弁の役割をする蓋も描いた。

残り時間50分、か。



「『実体化』」



さて、どうなる?



◇ ◇ ◇ ◇



・とある神の間



白く輝く床が一面に広がる空間に居る冥王に、1枚の設計図と依頼書が届く。



「はぁ。これは魚捕りの罠ですかね」



冥王は魚捕りの罠、と空欄に書き、サインを依頼書に書く。

依頼書と設計図は消え、冥王は神ポイントを獲得した。


【描写物実体化】スキルが依頼書承認制度をとっているのは、様々な神に監視させるためである。

というのもこのスキル自体が未だ試作品であるため、スキルが悪用されるのはどのようなケースか等のデータが無い。

なので自動管理せず神々が直々に判断を下している。


もっとも、新泉尖がそれを知る機会は無い……



◇ ◇ ◇ ◇



・洞窟付近にある小川



ポン、と軽快な音とともに籠の罠が現れた。

よしよし。


その辺の石をひっくり返す。

虫が居たので、それを石ですりつぶし、籠の中に入れる。

餌になるかどうか分からないが、何も入れないよりはマシだろう。


そして籠の中に石を入れて流されないようにする。

はだしになって川に入り、籠を川に設置し、作業完了だ。


あとは森の動物用の罠だな。


トラバサミは、うっかり人間が踏んでしまうと大惨事になる。

なので紐で足をくくるタイプの罠を作るか。


……いや待て。その前に、動物を仕留めるための刃物が要る。

近づいたら危ないから、リーチのある刃物がいいな。


できれば金属の槍か何かが望ましいが、最悪石器でも良い。

よーし、描くぞ。



「『ツール表示』」



その辺の地面を範囲指定し、続けて絵を描こうとして手が止まる。


光のキャンバスの他に光のペン、光の消しゴム。

いつも通りのツールが現れる。

それはいいのだが、いつもと何か違う。



「これは……?」



『届き先指定(ランダム)』と書かれた文字が、キャンバスの邪魔にならない所に浮かんでいる。

スキルがパワーアップ、多分レベルアップしたのだろうか。


それを触ってみる。


――――――――――――――――――――――――

届き先指定(現在ランダム)

→・ランダム(MP消費1倍)

・猫神T(指定回数0回、成功率100%、MP消費2倍)

・冥王H(指定回数0回、成功率100%、MP消費2倍)

・女神P(指定回数0回、成功率0%、MP消費0.5倍)

・魔王N(指定回数0回、成功率100%、MP消費2倍)

・樹王S(指定回数0回、成功率100%、MP消費2倍)

――――――――――――――――――――――――


リストが表示される。

ほうほう。

届き先を変更出来るのか?


成功率とあるので、スキルの成功率のことか。

で、女神Pだけ成功率0%とある。


届けるのはおそらく、俺の描いた絵のことだろう。

で、届き先の神様か魔王か知らないがそいつによってスキルの成功率が変わる。

そんなところか。


成功率の高い奴に指名する場合は当然、MP消費量も増えますよ、というわけか。


試しに使ってみよう。成功率100%の猫神Tを選ぶ。

すると、浮かんでいた文字が『送り先指定(猫神T)』と変化した。


これでそのまま描いたら、猫神Tさんの所に送られるんだろうか。


槍を描く。

残り時間25分。



「『実体化』」



さて、上手くいくか?



◇ ◇ ◇ ◇



・とある猫神Tの自宅



自宅でキャットフードをボリボリ食べている茶トラの猫神に、1枚の設計図と依頼書が届く。



「にゃー(はいはい、っと。作る物は槍。材料は土、か。

コランダム製の槍でいいよな?)」



猫神はコランダム槍、と空欄に書き、肉球スタンプを依頼書に押す。

依頼書と設計図は消え、猫神は神ポイントを獲得した。


届き先指定をした場合、依頼された神が神の間に居なくても依頼書が届く。

神によってはプライベートの時間を邪魔されたと怒り、天罰を下してくる場合がある。


それを新泉尖が知るのはまだ先の話である……



◇ ◇ ◇ ◇



ポンという軽快な音とともに、槍が出てきた。

しかもこの材質、多分あのナイフと同じだ!


ということは、金属系の描写物の場合、猫神Tに頼めば失敗しにくくなるとみた!


よーし、ナイフが欲しいからもう一回猫神Tに頼むか!


ナイフはあって困ることはないから、2本、いや3本は欲しいぞ。

材料が足りるか分からないから、2本ずつ4本描くか。


再び『ツール表示』を行った。



・猫神T(指定回数1回、成功率100%、MP消費3倍)



MP消費が3倍になっていた。

ナイフを2本描き、『実体化』し、無事に2本手に入れた。


そして次の『ツール表示』



・猫神T(指定回数2回、成功率100%、MP消費4倍)



……なるほど。指定回数が増えるほどMP消費が増えていくのか。

あまり気軽に使えないな、これは。


ナイフを2本描き、『実体化』し、無事に2本手に入れた。


これ以上スキルを使うのは、今日はやめておこう。

多分残りMPはほとんど無いはずだ。


4本のナイフは左右のポケットに仕舞っておく。

それからヴァイスに教えてもらった、食べられそうな草や根っこを、石で掘り返す。

スコップが欲しい。


食料になりそうな物は、カゴの中に入れて背負う。

そして、端材になりそうな細い木をナイフで傷つけて折る。


日が沈んできたので、俺は採取を終え、作った槍を抱えて洞窟へ帰ることにした。




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