17.地図を作る
木の枝を集め、スキルで紙20枚と鉛筆、定規を描き、実体化させた。
この事から、木そのものだけではなく、木を原料とした物さえも実体化させることが可能だと分かった。
その代わり紙はカスッカスの悪質な出来だった。
多分何か材料が足りなかったのだろう。
皿と紙、鉛筆と定規を持ち、洞窟に帰る。
何で紙かというと、ヴァイスの話をまとめて記録するため。
あと、書いて自己整理するためだ。
それと、この一帯の地図も描いてみよう。
ヴァイスに聞けば、新たな発見があるかもしれないし。
◇ ◇ ◇ ◇
夜。
ヴァイスは文字通り、目を輝かせて紙を見ている。
「オオ、人間ノ貴族様ガ使ウト噂ノ紙! 生キテイル間ニ目ニカカルトハ!」
「え、ヴァイスって生き物なのか?」
「ボクニモ、ワカリマセン!」
「だよなぁ。ま、ヴァイスはヴァイスだ。俺の友達だ」
「尖!」
がしっ。
俺達は抱擁した。
友情って素晴らしいね。
「で、今居る場所がこの辺として、こっちに森。
こっちに都市ダークフレイム、ここらに川、街道がダーっと続いて……」
「ソレハ何デス?」
椅子を台にして地図を描いていると、ヴァイスに質問された。
「地図だ。知らない?
この一帯を、空から見下ろしたら丁度こんな風に見えるだろうよ、って感じの模式図だ」
「アア、魔王軍ノ連中ガ持ッテイマシタネ。
ボクハ物陰カラ隠レテ眺メテイタダケデスガ」
「えっ、魔王軍、この辺通るのか?」
「近日、都市ダークフレイムヲ落トスツモリナノカ、変装シテ都市ニ出入リシテイルミタイデスヨ。
日中ニ動ケルモンスター仲間ニ聞キマシタ」
げ、日中に動けるモンスターも居るのかよ。
とはいえ、ヴァイスの仲間だから、それほど凶悪な奴ではないだろうけど。
「まあいい。それと俺が食料にしている木の実だが」
俺は森の一部に×印を付ける。
「この一帯はそろそろ無くなりそうだ。
俺だけじゃなく、野生動物も食ってるんだろうな。
さて、食料をどうするか……ヴァイスは普段、食事してるのか?」
「ボクミタイナモンスターハ、夜ノ星カラ力ヲ得テイルタメ、基本的ニ食事ハ不要デス。
中ニハ燃費ノ悪イモンスターモ居テ、肉ヤ植物ヲ食ベテエネルギーヲ補ッテイル連中モイマスガ」
「ってことは、人間を襲うモンスターは、夜の星の恩恵だけじゃ足りない肉食モンスター、ってことか?」
「アルイハ、自分ノ住処ヲ守ルタメニ戦ッテイルカ、デスネ」
「モンスターにも、色々居るんだなぁ。
っと、それよりも食料事情だ。
どうするかな……」
俺が食べている物はほとんど、ヴァイスに教わった木の実のみ、だ。
そういえば最近肉食ってないな。
「野生動物を狩るか、あるいは魚釣りするか」
「野生動物ハ、下手シタラモンスターヨリ強イデスヨ?
気ヲ付ケテクダサイネ」
「ああ。危険な橋は渡らない。
川と森に、罠を仕掛けようと思ってる」
イノシシとタイマンするみたいな事、俺がやれば十中八九死ねる。
やるにしても、罠でどうにかして、安全圏から仕留める方法を取るつもりだ。
さて、明日はどうするかな。




