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第7話 勇者と神獣

幻想世界

孤独でも愛するぬいぐるみたちと祖父の言葉に心を支えられてきた少年ヒナタ

彼は元の現実から、ぬいぐるみであるレオンに導かれて、この地に降り立った

全ては、幻想世界を救うため…

様々な思惑が入り乱れる中、少年の心が世界を照らし出す――

ドラゴン戦の後

激戦後の湖には


「これは…酷いね」

「ここを水源としているなら…村の人間は水不足に苛まれるだろうな」

湖には、大毒蜘蛛アリアンドリスの毒が回って、魚が何匹か浮いて死んでいる



レオンは前に出た


「何をするの?」

「罪滅ぼしだ…受け取れ!我が浄化の炎を!」

レオンの口から神聖なる炎が吐かれる

それに焼かれた湖とアリアンドリスの遺体は浄化された


「元に…戻った…」

毒が湖に回っている様子はない


だが


ブクブクブクブク


湖が沸騰していた


「あの…レオン…?」

「俺は炎の神獣…温度調整などできるわけなかろう」

全く申し訳なさを感じない表情でそう言った


そこに


「ヒナタさん!」

ルナをはじめとし、ライトとレイが駆けつけた


「すげえもん見せてもらったよ!」

「やっぱり、あの時助けてくれたのはヒナタくんだったのね」

ライトとレイは笑顔で背中を叩く


「ええと、レオンは…その…」

「答えて…ヒナタさん…!」

ルナの顔が近くなるまで詰め寄る


「レオン君は…神獣なの?」

そう問われてしばらく沈黙が包む


――なんて答えれば…また嘘つくわけにもいかないし…

そう悩んでいると


「いかにも…俺こそが炎の…"勇気"の神獣…レオンだ」

ぬいぐるみに戻ったレオンがそう口を挟んだ


「レオン!?いいの…?」

「もう誤魔化せんだろう…下手に噂を立てられるより、真実を話した方がいい」

レオンにもう隠す気はなかった


「ええと…今から話すことは村の人には内緒にしてくれるとありがたいんですけど…」

「わかった。何か事情があるんだろう?」

「まあ、みんなもびっくりしちゃうものね」

ライトとレイは頷いている


「実は……」

「レオン君が…神獣?」

「なら!ヒナタさんは!」

そうして、ヒナタは真実を語ると、伝承と重なるヒナタの存在に興味が止まらないルナ


「ただ…僕はルナさんの思うような勇者じゃないと思うんだけどな…」

「そんなこと…だって!あのドラゴンのブレスをその鉄扇で振り払ってたじゃない!?それに…それに…」

――あなたには、誰にも負けない優しさが…

そう言いかけたルナだが、ヒナタの言葉に遮られる


「あれは…レオンの力を貸してもらってたからで…僕の力じゃないんだ…」

そう申し訳なさそうに言うヒナタ

それでも納得できず、何か言いたげな様子を見せるルナ


「なら、模擬戦でもしたらどうだ?」

「審判はそこの男が務めればいいだろう…お互いの力量をぶつけ合えば、嫌でも納得するはずだ」

ライトを名指しし、自分は見物に回るレオン


「確かに…そうね…!」


シュイン


レオンの提案に乗り、腰から剣を抜くルナ


「ちょ、ちょっと待ってよ!僕!人と戦ったことなんて!」

「構えて!ヒナタさん!あなたの強さを見せて!」

剣を向けるルナに鉄扇を構えざるを得ないヒナタ


「壁よ――その身に纏え――バリアー」

レオンがそう唱えた


「これで直撃しても、かすり傷程度にしかならんだろう…存分にやるといい」

「ちょ、ちょっと!レオン!僕、心力すっからかんなんだけど!それに、一人じゃ勝てないよね!」

その場でくつろぎ始めるレオンに慌てて声をかけるヒナタ


「勝つ必要などない…ヒナタに必要なのは体術だ。この模擬戦は絶好の機会と見た」

「そ、そんなぁ…さっきレオン呼び出してくたくたなんですけど…」

ガクッと肩を落とすヒナタ


「しょうがないか…では!双方位置について!」

両者、得物を構える


「始め!」

ライトが決闘開始の宣言をした


「はっ!」

レイピアによる高速の一点突きを放つルナ

それをヒナタは


ガシン‼︎


「あぶなっ!」

鉄扇を広げて防御する

しかし、受け止め方が良くなかったのか


「うわっ!」

後ろに飛ばされるヒナタ

なんとか転ばずには済んだ


「まだまだ!これはどう!」

今度は、レイピアによる連続突きをしながら突進してきた

これにはたまらず


「わぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

背を向けて逃げ出すヒナタ


「逃げずに戦って!それじゃ力がわからないよ!ヒナタさん!」

「分かるも何もそんなの見えないよ!どう反応すればいいのさ!?」

ルナの猛撃に涙目で逃げ惑うヒナタ


「だったら、これで決める!」

「聖なる槍よ――敵を貫け――!ホーリー・ジャベリン!」

ヒナタの上空から一本の槍が高速で降り注いだ


「え!?今度は何!?槍!?」


ドカーン‼︎


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


ポヨーンポヨーンドーン‼︎


レオンの張ったバリアのおかげで傷一つない

しかし、ヒナタは地面をボールのように跳ね、大地に頭ごと突き刺さった


「…………………」

――ほ、本当に…勇者…なのかしら…

ルナは言葉を失っている


「あ、あの……引っこ抜いてくれません?」

地面から助けを求めるヒナタ


「あぁ……勝負はこれまで!」

ライトはそう言って勝負を終わらせ、ヒナタを引っこ抜こうとする


「やれやれ…心は一丁前でも、力はまだまだだな…」

レオンは呆れていた

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