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第四十六話

 お互いにウォルターさんと顔見知りだったと驚いた後、二人でウォルターさんについて色々と語り合う。


「へぇ~、イザベラとウォルター君はそんな風に知り合ったのね」


 私とウォルターさんの出会いを聞き、カトリーヌさんがニコニコと笑みを浮かべてそう言う。


「カトリーヌさんとウォルターさんとの出会いに、そんな経緯があったなんて驚きです。普段のウォルターさんの感じからは想像出来ません」

「まあ、そうでしょうね。普段のウォルター君は、優しくて気遣いの出来る良い子。でも、魔物との戦闘になった時に雰囲気がガラリと変わるの。最初にそれを見た時は、本当に同じ人なのかと思ったわ」


 カトリーヌさんが語る、ウォルターさんの戦闘をする姿に驚きを隠せない。

 話を聞いた今でも、週末に会うウォルターさんのイメージと結び付かない。

 あの合同訓練の時だって、カトリーヌさんの語る姿にはなっていなかった。もしかして、あの森に生息する魔物や動物はそこまでの相手じゃなかった?

 ウォルターさんのご実家があるベイルトン辺境伯領や、その近くにあるという魔境には、どれほど強力な魔物が生息しているのだろう。


「イザベラが何を考えているのか分かるわよ。ベイルトン辺境伯領や、魔境についてでしょう?私も数回しか行った事がないけれど、あそこで遭遇する魔物たちは、他の場所で出会う魔物たちに比べたら雲泥(うんでい)の差よ。どいつもこいつも、強力で凶悪な力を持っている魔物ばかりだったわ」


 カトリーヌさんは、真剣な表情と雰囲気でそう言う。

 ウォルターさんとの出会いの中で判明したのだが、カトリーヌさんは魔道具師であり、高位冒険者の魔法使いでもあった。

 一時期魔境に興味を持ち、ベイルトン辺境伯まで行った際に、ウォルターさんと出会ったそうだ。


「カトリーヌさんほどの魔法使いであってもですか?」


 私がそう言うと、カトリーヌさんは当時の事を思い出したのか、苦笑しながら答える。


「そうよ。それに、()()()の魔法使いなんて辺境には沢山いた。短期間の滞在だったけど、自分の未熟さや甘さ、どれだけ魔物が恐ろしいものであったのかを再認識したわ。でも、そのお蔭でまだ自分は強くなれると思ったんだけどね」

「……私から見ると、カトリーヌさんも十分に化け物なんですけど」


 本心からそう言うが、カトリーヌさんは嬉しそうにしつつも、自分なんてまだまだよと笑う。


「イザベラやお友達も、一度ベイルトン辺境伯領に行ってみるといいわ」

「辺境伯領にですか?」


 カトリーヌさんは真剣な表情と雰囲気になり、魔道具師としてではなく魔法使いとして続ける。


「あそこには、()()の魔法使いたちがいるから。イザベラやお友達にとって勉強になると思うし、世界の広さを知るには丁度いい環境でもある。それに、ウォルター君のご家族とも顔合わせ出来るわ」

「!?……確かにそうですね。カトリーヌさん、その時はご一緒にどうですか?」


 そう提案すると、カトリーヌさんはニヤリと笑った。


「行くわ。……それじゃあ、ウォルター君に贈る魔道具を選び直しつつ、お土産として渡す魔道具を選んでいきましょう」

「分かりました。カトリーヌさん、今度とも末永いお付き合いをお願いします」

「こちらこそよろしくね、イザベラ」


 私とカトリーヌさんは、互いに笑顔を浮かべて手を握り合う。

 まさか、このような場所でウォルターさんに惹かれた人に出会うとは思わなかったが、カトリーヌさんのような女傑を味方に引き入れる事が出来たのは大きい。

 これでまた一つ、ウォルターさん包囲網を狭める事が出来た。

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