カロットさんとキッチン
宿屋の物流が途絶えてしまったので食材と調理法を提供する事になったおっさん
夫妻に案内されキッチンへ行く
前にリンゴのコンポートを作らされたので場所は把握しているけどね
「とりあえず今手元にある食材を見せていただけませんか? 流用できる物もあるかもしれませんので」
「残念だけどロクな物は残ってないよ。日持ちする固いパンに干し肉と干し魚。野菜が少しとあとは調味料各種ってものだな」
ゴトゴトとテーブルに店の食材が置かれていく
とりあえず干し肉と干し魚はいらないな。外食で保存食なんて食う物ではない
調味料もこの国の物となると私には管轄外だ
使えるのは固いパンと野菜のみか
「これはキャベツみたいなもんかな」
緑色をした球体の野菜の隅を千切って口に運ぶ
「これは生食でも?」
「ええ、火を通しても食べれますが水を少しかけてそのまま食べるのが一般的ですわ」
まんまキャベツじゃねえか。食べてみたけど味もほぼ同じだ
「パンとその野菜だけ使わせて貰います。とりあえずメインを一品、サラダを一品、パンを一品で合計三品ってとこでしょう。とりあえずパンの加工から始めましょうか」
チューブのニンニクとオリーブオイル、それにバターをコンビニ通販で買って適量ボールに入れる
シャカシャカと軽く混ぜれば、あら不思議
お手軽ガーリックソースの出来上がりだ
「中々香ばしい匂いだね」
「舐めてみます?」
指ですくってノイマンさんがソースを舐める
「ああ。かなりしょっぱいな。これはパンと言うより肉とか魚向きのソースじゃないかな」
「ところがどっこいパンにも合うんですよこれが」
「カロットさん。言われたとおりにパンを丸くスライスしておきましたよ」
「ではこのガーリックソースをスプーンでパンに塗っていきましょう。こんな感じでね」
パン全体にガーリックソースが染みこむように万遍なくスプーンで塗っていく
2人に手本を見せてやると、手際よく作業をこなしてくれた
というか私より早い
フライパンに油を敷いて、ソースを塗ったパンを軽く焼いてあげればガーリックトーストの出来上がりだ
ほんとはトースターの方がいいんだけどそんなもんはないからね
「試食をどうぞ」
出来上がったガーリックトーストを皿に乗せて2人に勧める
「ザクッ。ボリボリ。うん、食感が凄くいいね。固いパンで食べるよりずっと美味しい。お酒に合いそうな味だな」
「ソースの風味がかなり強いですね。メインの料理もインパクトの強い味付けにしないと押し負けてしまいそうですね」
「問題ありませんよ。メイン料理はとても味付けが濃いので」
メインの食材を調理するために大きな鍋にお湯を沸かす
調理って言ってもお湯で茹でるだけなんですけどね
貧乏人の味方。安くて美味しいパスタを茹でまっせ




