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ハーフエルフの少女

今は夕飯の時間の筈だよな? 何でこんなところで泣いているのだろう

草場の陰でハーフエルフのエムルが泣いてるのを私は偶然見つけた

十中八九レイとかいう鱗女に意地悪されたのだろう

基本的に私は女性が泣いていてもほっておく。即座に回れ右だ

泣いている女性に対して気の利いた言葉をかける技術など持ち合わせていないのだ


昔コンビニでバイトしていた頃、女子高生のアルバイトがオーナーに怒られて休憩室で泣いているのを見た時がある。私は部屋に入って一瞬ギョっとした顔をした後に、平然を装い即座に制服に着替えて仕事に戻って行った。そっ閉じ状態である

そんな私でも、よもや6才程度の幼女なら元気づけることができるだろう

これが女子中学生や女子高生並みの年齢だったらそっ閉じだったけどな

あいつらこええんだよ


いかん、また妄想の世界に入ってしまった

馬鹿やってないで、そろそろ声をかけるとするか。大事なファーストコンタクトだ


私は極めて優秀な三つの選択肢を用意した


1、 ヘーイ、何泣いているんだい彼女? ← ちょっと軽いな


2、 何で泣いているんですか? 見つけにくいものですか? 鞄の中も~ ← 用水に謝れ!


3、オマエナンデナイテル・・・モリモナイテル・・ ← よっしゃこれでいこう


「オマエナ」


「うぅ、ヒック......ヒック......」


なんというか茶化せる雰囲気じゃないな......仕方があるまい伝家の宝刀を抜くことにするか


「やあ、朝食食べた?」


で、出たああああ! 伝家の宝刀、朝食食べた?

説明しよう、朝食食べた? と聞かれるとほぼ9割の人は食べたよと答える

そこで、すかさず私も朝食食べたんだよ! 奇遇だな君とは気が合いそうだ! と無理やり同調圧力的な物をかけて仲良くなる荒業だ

相手と同じしぐさをして好感度を上げるミラーリングみたいな物だ


「食べてないよ......ヒック......ご飯は1日1回だから......」


伝家の宝刀は抜けなかった。何というか刀を抜こうとしたら鞘がアロンアルフ〇で接着されていて取れなかった時のような気分だ。刃の無い刀などクソの役にも立たないのである


「夕飯の時間だよね? 何でここにいるのかな?」


「お、お皿をスープをよそう時に割っちゃって。ご飯は抜きなの。レイさんごめんなさいごめんなさい......」


こんな子供に飯の支度は難しいだろ。小学1年生程度ならそりゃあ皿だって落とすだろうよ

よっしゃ、おっさんがあいつ等が食う畜生飯なんかより良い物を食わせてやるとするか


手持ちの食材はバターロール3個と手から出せるから揚げか、着想は決まったぞ


私は電子パネルを出すとマヨネーズを一本と紙パックの野菜ジュースをコンビニアプリで購入する


マヨネーズ 200z   野菜ジュース 150z 合わせて350zだ


まずはバターロールを取り出しコッペパンのように切れ目を入れる

切れ目にマヨネーズを塗りたくる。最後にから揚げを2個挟んで完成だ!

から揚げのバターロールである。バターロール3個にから揚げ6個なら満腹になるだろう


「エムルちゃんエムルちゃん一緒にご飯食べようぜ」


空になったバターロールの袋の上に、から揚げバターロールを3個置いて差しだす


「・・・・・・いいの? お皿割っちゃったよ・・・・・・」


「いいとも、皿なんて割れるためにあるもんじゃないか。冷めちゃうと美味しくないぞ。早くお食べ」


エムルはこちらの顔色を覗いながらもパンに手を伸ばし口に入れる


「や、柔らかい。お肉が大きい。美味しい」


口に合ってよかった

エムルは不器用ながらに手を動かしバターロールをもぐもぐ食べていく

このぐらいの年齢だとパンすら食べるのが下手くそになるもんだ

エムルはあっという間にバターロールを完食した。水も飲まずに全部食いきるとは相当腹減ってたんだろうなぁ


「これも飲んどきな」


野菜ジュースにストローをさして渡してやる

ビタミンを取らないとやばいからな。私はビタミン厨なのだ


「その管みたいになってるのを吸ってみな」


「うん、甘い。果物の水? こんなの飲んだことない」


「口に合うか?」


「おいしいです。おじさんは何で優しくしてくれるの? わたし役立たずだよ」


「大人が子供に優しくするなんて当たり前のことさ」


1日1回の飯を罰とはいえ抜くか普通? 鬼の所業だな。このままじゃあ遅かれ早かれ使い潰されて死ぬぞこの子

私が守らざるを得んな


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