閑話 黒猫の気まぐれ日記①
たま~に閑話なんかも書いてみようかな……と思ってます♪
○月△日 晴れ 気温は……それなり
今日はルルアの花屋の手伝いではなく、俺は周辺の魔物の調査を兼ねて薬草採取に出かけた。
町から少し離れたこの森で採れる薬草は、とても品質も良くて高く売れるようだが、ある時期から魔物が出現するようになったため、町の人が薬草採取に来られなくなったらしい。
そんなわけで、俺が魔物の調査と薬草採取の依頼を受けてやってきたのだ。ルルアと別々に仕事をすることで、報酬も別で入るから路銀稼ぎにはちょうど良い。
森で魔物の気配を探ってみると、確かにいくつかの気配を感知した。ただし、ここに生息するのは下級の魔物ばかりで、人間を襲うような魔物ではない。まぁ、人間にとっては下級だろうが魔物は恐れられる存在なのだろうが。
俺は、依頼された薬草を採取しながら森の奥へと進んだ。そしてそこに、魔物が棲みついた場所を見つけた。
「おい、お前ら。まさかとは思うが……人間を襲ったりしてねぇだろうな?」
魔物たちは首をぶんぶんと振って、人間は襲っていないということを伝えてきた。ただ、人間の姿に驚いて威嚇はしてしまったようだが。
「いいか? 攻撃してこない人間は襲うな。人間も同じだ、襲ったりしない魔物を攻撃することはない。まぁ、中には一方的に攻撃するバカな人間もいるが……その場合は攻撃してもいいが、ちゃんと見極めろ」
見極めるのは難しいだろうが、やみくもに人間を襲う必要はないことは、魔物にも理解してもらわないといけない。逆に、ここに薬草を採りにくる人間にも、同じことを伝えておく必要はある。
人間も魔物も、争わないのが一番だ。
俺は魔物たちに再度、無抵抗な人間を襲うなと言い聞かせると、森をあとにした。
ちなみに、魔物と話ができるのかという疑問に対する答えは、イエスだ。
なんたって、俺は凄い猫だからな。
こうして依頼主に薬草を届けて、魔物は襲ってこないから恐れなくていいと説明すると、報酬を受け取ってルルアが待つ家に帰った。
薬草を多めに採ってきたので、そのぶんの報酬ももらえたのは予想外だった。ついでなのだから気にしなくてもいいのに、いい奴である。
気分よく家に帰ったわけだが――家の窓から煙が出ており、焦げ臭い匂いが漂ってきたことで、いい気分など一気に吹き飛んでドアを開けた。
「ルルア!」
「あ、お帰り、ロク」
のんきな顔で振り向いたルルア。俺の思考が停止する。これはいったい――
床の上に転がる黒い物体と、部屋中に立ち込める煙。そして、むせるような焦げ臭さ。その中で座り込んで本を顔に近づけるルルア。
停止した俺の思考が動き出し、俺はとりあえず窓を開けた。
ルルアが手にした本を覗き込むと、それは料理の本だった。
「何してるんだ?」
「うーん、パンケーキ以外も作りたいなと思ってさ。でも、なんか違うものが出来上がるんだよね」
「……そうか」
違うもののレベルが違いすぎだとは思ったが、ルルアの努力も認めてやろう。
部屋の片づけをして、夕飯を食べに出かけた。
きっと次は、パンケーキ以外のものが作れるかもしれない。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました!
息抜きとして楽しんでもらえたら嬉しいです…˖* ꕤ
本編の方もお楽しみくださいませ♪




