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19 リアンの報告


見回りを終えて騎士学校に戻って来た一行は反省会と報告書作成の為にミーティングルームへとやって来た。

そこでは生徒会のメンバーがミーティングを行っており当然会長を務めるエイドリアンも同席していた。


本来ならば授業の一環として行われる見回りの報告は生徒会とは無関係である。

しかしリアンはエイドリアンに関係のある本日の出来事について頃合いを見計らって兄に報告する事にした。


横柄な態度を取っていた姉に対してエイドリアンの名前を出す事で

問題の解決に至った経緯を報告したのだがエイドリアンの表情は硬い。


「俺がジョゼフィーヌを自慢していると言ったのか・・・」

「以前エド兄にベッタリだったと聞いていたからひょっとして効果あるかな?

みたいな感じで」


「何とも迷惑な話だが まあそんな事でその場が収まったのなら

嘘も方便という事で大目に見るが…… 二度と関わりたくないな」


「そんなに!?」


「もう俺たちは家を出ているんだからジョゼフィーヌが何処で問題を起こしても関係の無い事だ」


「それは言えてるけどお互い王都に居る限りは またどこかで接点が無いとも言えないんじゃない?」


「それはそうだが 東地区の商店に子爵家の娘が何をしに行ったんだ? 俺も一度付き合わされてみて驚いたがあれは身分という物を弁えていない様だったからな」


「何が目的で行ったのかは分からないけど 結局何も買う事無く帰って行ったみたい」


「どちらかのご令嬢に不快な思いをさせただけか……ベン兄が目付け役として王都に残っているはずだが あの優柔不断な性格では強くは注意できていないんだろう。両親が甘やかしすぎた事が近い将来、仇にならなければ良いがな」


「貴族学園に通ってる僕の友人達もあまりいい噂は聞かないって言ってたけど僕が気にする事じゃ無いって言ってくれてる」

「その通りだ。ベン兄が付いているんだ。俺達がどうこう言う事では無いな。それにしてもリアンを自慢する事は有ってもジョゼフィーヌとは関わるのも御免だな」


  ーーー


一方こちらはリアンが女性だと知らされたシリル・リンゼイ。

勿論アイリーンは今日の騒動に機転を利かせその場を収めてくれた騎士学校の女生徒とシリルが顔見知りという事は知らない。


急に赤くなって黙り込んでしまった兄に「如何されたのですか」と問うてみた。

シリルはそれでも暫く黙って考え込んでいたが意を決して妹に聞いてみる事にした。


「もしもアイリーンがあまり親しくない男性から ”君” 付けで呼ばれたらどう思う?」


「 ”君” 付けですか……年上とか上司の方なら有り得るのでは?」

「えっと、ーーー 男性と間違えられたとしたら?」


「・・・私を見てですか? 有り得ませんね! 失礼にも程が有ります!」


「だよね…… 今日助け船を出してくれた彼女、可愛い男の子って感じに見えなかった?」


「可愛い・・・男の子ですか? ーーー えっ、男の方だったんですか?」


「いや、アイリーンが女性だったって言ったんじゃないか」


「ええ、確かに女性だった……と思いますわよ。でもお兄様のお知り合いの方だったんですか?」


「顔見知り程度で今まで男性だと思ってたから……」

「 ”君” 付けで呼んでいたと?」


おかしいとは思っていた。

初めて会った時も合同合宿の朝も一人だけ他の仲間より遅れて来ていた。

常に裁縫道具を身近に持っていて… ”エイドリアン・リトレー” と

特別に親しそうだった。


そしてジョゼフィーヌ・リトレーは彼女を知らないのに

彼女はエイドリアン・リトレーの妹の性格まで知っていた・・・


そこまで考えて 何か胸の奥がモヤモヤするのを感じる。


「お兄様、どうかされたのですか?」


「いや、なんでもない。今度会ったら勘違いしてたことを謝らないといけないな」


勘違いして ”君” 付けで名前を呼んでも顔色一つ変えずに微笑みながら返事を返してくれた彼女。また近いうちに会う事が出来るのだろうか?


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