閑話 メルのプレゼント2
引き続きです。
微エロがあります。
「それでベガ様、結局解決策というのは何ですか?」
「かかか、簡単なことよ。魔物を使った料理を作ればよいだけじゃ」
「……なるほど」
ベガの答えに簡潔に理解を示すスコットであったが、問題はある。
そのことに気付いているスコットはどうして説明しようか悩む。彼とベガの間にある上司と部下の関係ゆえ、簡単に言葉にできなかったのだ。
代弁して突っ込むのは勿論、行軍を指揮していたこの二人。
「確かに、ベガちゃんの言うことは一理あります。しかし」
「全ての魔物が食べられるとは限らない。オークだって数に限りがあり、魔物であるからこそ、それだけ危険も高くなる」
レオジーナとスレインは口をそろえて反論した。
繁殖力が強いゴブリンを人々が食べないのは人型という理由も少なからずあるが、もっともな理由は料理できないからだ。
「……オークであれば何とか……香草で匂いを消すことが出来ますが……」
「ゴブリンなどの魔物など……とてもではないですが、食べられるものじゃありませんよ」
その言葉は実際にゴブリンを食べたからこそ言えることだった。
実際に新兵だったころの二人は魔物狩りして食べていた。その時に実験と称してゴブリンを食べたわけだが――。
「「泥と汗が混ざった味」」
新兵だったころの苦い経験として二人はいつまでも記憶していた。
「ふむ、それは理解しておるよ」
丁度苦い味を思いだしていた二人を見ていたベガは扇子で口を隠した。
もし、ゴブリンなどの低俗な魔物などが食料として扱われていたのなら、兵站という概念が無くなってしまうのは明白だ。
何かしら理由があるのはベガも聞かずとも察していた。
「とはいえ、それは我々が有している知識だけの判断じゃ。だからこそ、試す価値はあると思うぞ?」
「……我々の知識だけ?」
「どういう意味でしょうか?」
スコットとメルは同時に疑問を投げかける。
食とは文化によって生まれるもの。ならば、異なった文化によっては今まで食べられないとされていたものは食に代わるかもしれない。
例えるなら、エスカルゴしかりタコしかり。
「つまり?」
「つまりじゃ。エルフ族の食文化がこの問題を解決する鍵なのじゃよ」
扇子で指したベガの先には若いエルフを指導するシュタイヤの姿があった。
「なるほど、それで私たちの食文化を知りたいと?」
「はい、どんな些細なことでもいいので教えてもらえませんか?」
顎に手を添えたシュタイヤしばらく考える。
メルたちが望む食材は美味でかつ、沢山の人に提供できるほどの量があるもの。
都合よく、そんなものは存在しないと思っていたメルに若干の諦めが漂った時。
「ありますよ。とは言え、倒すのに苦労はすると思いますが「ほ、本当ですか?!」……」
最後まで話を聞かないのはメルの悪い癖である。
浮足立つメル一行はシュタイヤに矢継ぎ早に尋ねた。
「それで場所は?! 場所は何処なんですか?!」
「えっと、確か私たちが住んでいた森の深くで……」
そう説明していたシュタイヤは確かに眉をひそめていたのだが。
「ありがとうございます! では一緒に来てください!」
「え!?」
笑顔でシュタイヤの手を引くメルはやはり、最後まで話を聞かなかった。
そう、メルらは知らなかったのだ。
これから戦う魔物の名前は“コカパス”という名前の恐ろしい魔物だと言うことを。
一行はハーフエルフの住まう大森林の奥へと向かった。
途中、詳しい情報を得るべくハーフエルフの里へと寄ったのだがそこは割愛させてもらう。
今更後戻りはできないし、これくらいしか案が無いのは明白であったため“彼ら”は仕方なく“着る”しかなかった。
「深い森じゃのう」
「泉があるのはこの先です。ここからは奴の縄張りなので襲ってくる魔物は少なくなると思います……」
「……」
一行の中にイナバはいなかった。
それは砦の管理――書類仕事――という重大な、押し付けられた用件があったため。
普段であればこのメンバーに入っていても可笑しくない人物であったために……残念この上ないことだった。
無言のまま歩くメル、先頭で笑うベガは隣のハーフエルフと談笑する。
「それにしても恐ろしい魔物じゃな。像ほどの巨大な鶏に“タコの触手”のような尻尾を持つ魔物とは……」
「はい、非常に厄介な魔物です」
「……」
それは丁度、コカトリスとオクトパスを合わせたような魔物。
コカトリスは尻尾がヘビとされているがこの魔物は“コカパス”であり、尻尾がタコの触手となっているのが特徴だ。
石化させるなどの恐ろしい攻撃はないが――。
「恐ろしいのぅ。まさか衣服や防具を溶かしてくるとは……」
「……!」
我慢の限界が訪れたメルはそのままベガの前に躍り出る。
ベガ以外の者たちは全員、体をマントで覆っていたのだ。それは寒さ対策という理由もあるが。
「どうして……どうして、ベガちゃんは“これ”を着ないのですか?!」
「仕方なかろう。我の装備には既に対策が施してある。それとも何か? メルはスッポンポンになっても平気なのか?」
「っ!」
躍り出たメルに丁度風が吹き、マントがめくれる。
防酸対策を施した装備――水着――をメルらは着ているのだ。
コカパスの退治はハーフエルフ族の伝統的な行事の一環とされている。対策の一つや二つは既に持っているのだ。
とは言え、それは貴重な装備であり数が限られる一品。
人体に影響が無いことから恥部を隠すだけの水着型になるのは仕方のないことだった。
理解はしている。
しているのだが。
「それにしても、良い体つきじゃのぅ」
「ぅぅぅ」
恥じらうメルは俯き、マントで体を隠した。
メルの体を一言で表すなら未完成の女神と表現できるだろう。
未成年で未発達の体はそれだけ可能性を秘めており、強いて完成されている点があるとするならば見事な巨乳であろう。
「恥ずかしぃ……」
メルの両の手では隠しきれないほどのそれ。
女性の象徴にして高くそびえる山に、一滴の――滴が落ちればなだらかに――なめるように滴は落ちる。
肌がそれだけ綺麗だと言うことと、その形が如何に整っているかというのを悪戯に落ちてきた滴は静かに証明した。
勿論メルの美を伝えることが出来るお尻もその滑らかさを持っているが、強いて言うのなら。メルの美を象徴するのなら、やはり豊満で水を滴らせる巨乳が一番であろう。
必死に紅くなった顔を隠し、自らの体を隠そうとするメル。
だが、逆にそれによって体を揺らし、可愛さと見えそうで見えない絶対領域を主張した。マントの上からでも分かるタワワな果実は性的興奮を与え視線が集中し、余計にまたメルはマントで隠そうと体を揺する。
完全なる逆効果で、その繰り返しになるのだがメルは分からない。
「仕方ないですよ。メル様」
「そうですよ、メル様。子どもたちの為にも頑張りましょう」
「ううぅ…………はぃ」
励ますのは同じ羞恥心を持つレオジーナとスレイン、スコットだ。
レオジーナもまた鍛え抜かれた――美を集めた体を隠しながら行進していた。
武器を携え、腰だめに剣を持つ彼女は女々しい真似はできず、マントを着ていることは着ているが肩にかけている程度しかきていなかった。
「……何ですか?」
長身のレオジーナは紅い髪を素肌に重ねながら歩く。
見事なプロポーションであり、引き締まったお尻と無駄のない腰回り。
巨乳と呼ばれるメルの部類ではないが、それでも天を突くように乳は上を向き形は整っている。
なめるようにツルツルとした肌に若干の汗を滴らせる彼女は力強さを秘めており、全てにおいて引き締まった――女性の強さを象徴した。
「ふぅ……」
拭った汗とその横顔は大人の色気を纏い、肌に張り付くような紅い髪は白い肌にマッチしていた。
湿った髪を煩わしくかき上げるたびにレオジーナは色香を纏う。
それでもそれは湿りけを帯びた髪であるからして何度掬い上げても胸と背中につく。
レオジーナは不快感があるから――肌に髪がまとわりつくから髪を掬っているだけなのだが傍から見るにそれは色香を振りまく大人の女性であった。
「……暑いですね」
そして忘れてもらっては困るのはこのお方。
男性はフンドシ姿で戦場に赴いた。鍛え抜かれた体は騎士を長年務めた故の結果で、スレインが誇るのは最も――。
以下省略。
「着きました。ここがコカパスの根城です」
何だかんだで、一行は森の奥にある泉に到着し、今も水で戯れているタコの触手の尻尾を持つ巨大な鶏を狙うのであった。
というわけでサービス回でした。
だが、ベガ。
手前はダメだ。
ベガ「!」
次回はポロリがあるかも




