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さよなら、オリーブビーチ  作者: 花守郁
第四章:旅立ちの汽笛
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07.

「お姉ちゃん!」

「澪~」

 私は高松港についてすぐ、姉と合流した。こちらで製菓の専門学校に通っている姉は、姉妹だねと私の進学を応援してくれていた。

「元気だった?」

「入試に備えて体調は万全だよ!」

「あはは。それは頼もしい!」

 姉は行こうか、とカバンを持ってくれた。これから夜ご飯を一緒に食べて、ホテルのチェックインを済ませてもらうのだった。

「お姉ちゃん、私うどん食べたい!」

「あら。単価安くて助かるわ~。いい妹ね」

「トッピングもりもり!」

「前言撤回するわ」

 姉のドライな反応が久しぶりで、とても楽しい。水斗と航はなんだかんだ優しいので、さっぱり切り捨てられる感じが新鮮だった。


「澪は高校の先とか考えてるの?」

 食事を終え、ホテルまで歩いて移動している最中、姉が突然質問してきた。

「高校の先?」

「専門とか、短大かな」

「えっと…」

 正直、そこまでははっきりと考えていなかった。高校で過ごしていればおのずと決まるだろうと楽観視しているところもある。

「具体的には入試終わってからかもね。でも面接とかで聞かれるかもしれないし、少し答え用意しておいた方がいいんじゃないかなって」

「なるほど」

 おそらく、姉が専門の面接で聞かれたことなのだろう。より具体的なプランを用意している方が、意識が高くてよく見えるのは間違いないと思った。

「ありがとう、さすがお姉ちゃん」

「困ったらうちの専門の話出せばいいと思うよ」

「頼りになる~~!」

 姉の話という手もあるのかと、ひとつ話題の引き出しが増えたことに、思わず拍手してしまった。

両親が姉に付き添いを頼んだのは、こういうことかと理解する。同じ業界の経験者のアドバイスをもらえるのは確かに強い。心から家族に感謝した。

そのあとも参考になる話を二、三ほどありがたく拝聴して、無事ホテルにチェックインした。

「じゃ、お姉さまに出来ることはここまでだ。妹よ」

「ありがとうございました、姉上」

 ルームキーを渡され、深々と頭を下げながら腕を伸ばし、うやうやしく受け取った。はたから見ればなにかの授与式の様相だったと思う。

「がんばりな」

 姉はくしゃくしゃ、と頭を撫でてくれた。あたたかく、そして心強い激励に心が震える。

「…うん!」元気いっぱいに、そう返答した。

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