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銀の怪盗は真夜中に覚醒する  作者: 黒瀬 蓮
動き出す気持ち

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50/65

相反する二人の俺

翌朝――


カーテンから入る日差しで目が覚める。


「ふわぁぁぁっ よく寝たーー」


ベッドから起き上がり大きく伸びをする。


「ん……?」


(何だ?この違和感?)



ふと視線を左に向けると――



「……っ!?」







隣で俺(?)がスヤスヤと寝息を立てている。


挿絵(By みてみん)



「は?」



「……はあああぁぁぁぁん?」



俺の叫びが部屋中に響く。




「……シルバー、うるさい!」


時計からログチーの声が聞こえる。



「いやいやいやいやいやいや……」


(落ち着けるハズがない……)




一旦、頭の整理をしてみる。


昨日ピアスを使って分身にせものを出した。


で、シルバーになって散歩した。


戻ってきて、疲れてそのまま寝た。


朝起きたら、にせものがいる。←今ココ







分身コピー!!消してなかったーー!!」



「……てか、どうやって消すんだ?」


腕を組みながら、首を傾げる。



とりあえず、気持ち良さげに眠る自分にせものを見てちょっとイライラした。



「おい、起きろ!にせもの


「……ん」


目をこすりながら分身にせものが起きる。


「シルバー様、おはようございま……」


その後、分身にせものは、ハッとなり、

ベッドから降りて土下座する。


「寝ていてすみません……」


「…………」


深いため息をつきながら


「それ、とりあえずやめろ!」


「なんかすっげぇ凹むわ!」




「……あとさ」


「もう出番終わったし、帰ってくんない?」




そう伝えると

なぜか、分身にせものは、首を横に振った。



「は?」


「いやいやいや、言い方か?」


「俺の言い方が悪かったのか?」


頭をボリボリと掻く。


「えーっと、ありがとうございました。

そろそろ消えて、いや、戻ってもらえませんか?」


分身にせものは、そんな俺の言葉を無視し、

何故か学ランに着替えている。



「ちょ、ちょっと待て!」


「何してるんだよ!それ、俺の制服」


分身にせものはニッコリ笑って

部屋を出ていった。



「は?」


「はあああああああん?」



「紫音ー?」


母さんの声がする。


思わず両手で口を塞ぐ。


「……あら、紫音おはよう、何かあったの?」


母さんの声が聞こえる。

どうやら分身にせものを俺だと思ったみたいだ。


(クソッ、どうする?)


「とりあえず、消さないと……」


クロノスの説明書を読む。


「……えーっと何なに、」



分身は時間を設定しなければ24時間消えない。

もしくは頭に気絶するぐらいの衝撃を与える。

※ただし術者本人も多少ダメージを喰らう。


「は?」


「……はああああああん?」


思わず説明書を破り捨てたくなったが

一旦気持ちを落ち着けるように深呼吸した。





「ログチー」


「んー?」


「学校に潜入して、アイツを止める」


「えー?別にほっといても大丈夫じゃない?」


「だって、シルバーずっと寝てるし〜」


クスクスと時計から笑い声が聞こえる。


「うるせぇ!さっさとしろ!」


「衣装はそうだな、掃除のバイトみたいな感じで。

あとメガネな」


「はいはい」



俺は、階下の様子を伺いつつ、

俺は窓からチェーンを伝って外に出た。


一階の窓から、家の中を覗く。


「……クソッ、俺の、朝飯……」


腹がグゥーと鳴る。


(はぁ……何やってんだか)


家から出た瞬間に殴りつけようと思っていたが

今日に限って、アイツが来た。



「よぉ、紫音、一緒に行こうぜ!」


(大地ー!!お前……空気を読めー!!!)


大地が一瞬、ビクッとした。


分身にせものは、大地の言葉を聞き

嬉しそうにコクンと頷く。


「……っ!?」


大地が思わず固まる。


「どうした?紫音?やっぱり頭でも打ったのか!?」


分身にせものの身体を揺する大地。


分身にせものがニコっと笑う。


「心配してくれて、ありがとな!」


(……なんだ?親友が可愛い……?キュン)


大地が顔を左右にブンブンと振る。


「紫音どうした?いつもなら、うっせぇ!

顔近づけんな!汗臭ぇ!とか言って、めちゃくちゃ俺を蔑んだ目で見るのに!?熱でもあんのかー?」


(俺の印象……って一体……)


「ごめんな!大地、俺、素直じゃなくって……」


分身にせものは、照れ臭そうに呟いた。


ゾクゾクッ

背筋に悪寒が走る。


待て待て待て待て……

てか、大地わかるだろー?

それは偽物なんだ、俺じゃない!



「紫音、何か今日、かわ……

いや、なんでもねぇ」


(アイツ、なんで顔が赤くなってるんだ?)



不安を感じつつ、鈍い親友にイライラしながら

俺は怪しまれないように、二人を尾行した――

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