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銀の怪盗は真夜中に覚醒する  作者: 黒瀬 蓮
運命の再会?

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42/66

やっぱり運命!?

「……シルバーっ!」


「いつまで浸ってんのさ?」


「……っ!?」


ログチーの声でハッとする。


「……別に浸ってねぇし!」


「……シルバー」


「……なんだよっ」


「甘あぁぁぁぁぁぁい!」


「ログチー、お前いい加減にしねぇと壊すぞ?」




腕時計は静かになった―





時刻は7時30分


「やべっ」


慌てて制服に着替える。


小さなメモが落ちる。


そっと拾って、机の引き出しにしまう。


「……」


両頬をパンっと両手で叩く。


「……よし、行くか!」






校門近く―


「紫音、オーッス」


大地が後ろから元気にかけよってくる。


「……はよー」


欠伸をしながら返事する。


「土曜日楽しかったな!白石可愛かったー」


にやける親友。


「……まあ、良かったんじゃね?」


適当に合わせる。


(……おれはその後散々だったけどな)


「あ、そういえばさ」


思い出したように大地が言う。


「んー?」


「今日なんか、転校生くるらしいぞ!」


「転校生?こんな時期にか?」


「ああ……親の事情みたいだけどさ」


「親の都合か……なんか大変だな……」


「可愛い子だったらどうする、紫音?」


呆れた目で大地を見る。


「……どうするも何もねぇよ」


「美少女でもか?」


「別に、関係ねぇし」 


ふいと、横を向く。


「胸がメチャクチャデカくても?」


少し頬を赤く染めながら、大地を見る。


「……見たのかよ?」


「……例えばの話じゃん……」


「……興味ねぇ」


(もう色々いっぱいいっぱいなんだよ!)


「……てか、お前は白石だろ?」


「そうだ!俺は白石一筋だ!」


横目で大地をみながら


「……お前声デカいって!!」


大地は慌てて自分の口を塞ぐ。


そんな話をしながら、教室へ向かった。





教室―


ホームルーム前の教室はザワザワとしていた。


自席に着き、カバンを横にかけて、

机に突っ伏す。


「……だるっ」


山田ナオが横から話しかけてくる。


「……紫音、相変わらず眠そうだな」


「……まあな」


適当に返す。


(なんか調子悪ぃ……)


熱は下がったはずなのに、

頭の中から消えない……

朝日の中で笑っていたアイツの顔。


『……今度こそ、運命だよね?』


(消えろ!雑念!)


机の角に思い切り頭をぶつける。


「……何やってんだ俺」


小さく呟く。


ナオが怪訝そうに見る。


「……?」



ガラガラッ


教室の扉が開き、担任が入ってきた。


「おい、お前ら席つけー」


ザワついていた教室が、

少しずつ落ち着いていく。


俺は机に突っ伏したまま、ぼんやりと

その声を聞いていた。


「じゃあ、蒼乃、入ってこい」


その声と同時に、

教室の空気が少し変わった。


静かに開く扉。


転校生がゆっくりと教室に入ってくる。


教室がざわつく。


「うわ、可愛……」


「モデルみたい」


男子たちの声が飛び交う。


担任の横に並んだ転校生は、明るく名乗った。


「蒼乃 空です。

 よろしくお願いします」


(あおの、そら……?)


思わず顔を上げる。


空は、教壇の横で小さく会釈していた。


その視線が、

まっすぐこちらへ向く。


「……あ」


思わず目を逸らす。


再度机に突っ伏す。


(マジかよ……)


嫌な予感しかしない。


山田ナオが横から肩を叩く。


「おい紫音」


「……何」


「お前、顔死んでるぞ」


「……気のせいだ」


担任が教室を見回しながら


「じゃあ蒼乃の席だけど――」


「黒川の後ろでいいか」


クラスの女子がざわつく。


「いいなー!」


「ずるーい!」


クラス男子はひやかすように


「そこ代われ!」


「ラッキーじゃん!」



「……うるせぇよ」


面倒そうに返す。


空は静かにこちらへ歩いてくる。


コツ、コツ……


足音が近づくたび、妙に落ち着かない。


そして―

俺の横を通り過ぎる瞬間。



「……また会えたね」


小さな声。



「ゴフッ!」


思わずむせる。


「紫音!?」


山田ナオが心配そうに声をかけてくる。


「お前、やっぱ風邪引いたか?バカなのに?」


「うるせぇ……!」




後ろの席に座った空は、

微笑みながら、

まっすぐ前を見つめていた―

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