朦朧とした意識の中で……
ここ、どこだ……?
暑さも、寒さも感じない。
風もない。
ただ⸻
何もない空間が広がっている。
「……」
わからないまま、前に進む。
歩いても、歩いても、景色は変わらない。
同じ風景が続いている。
たまらなくなり、腕時計に話しかける。
「……おいログチー、どうなってる?」
「……」
返事はない。
いつもなら、すぐ返ってくるのに……
「……おい、無視すんなよ」
「……」
腕時計を軽く叩く。
「……なんだよ、寝てるのか?」
「……」
反応はない。
「……は、はは……なんだよ、怒ってんのか?」
「……」
ログチーは答えない。
「……ログチー……?」
そっと腕時計をなぞる。
「……ッ!」
時計の針が止まっている⸻?
呆然とその場に座り込む。
「……はは、俺、一人かよ……」
乾いた笑いが、虚しく響いた。
⸻
どれぐらい時間が経っただろうか。
少し息を吐き、立ち上がる。
「……出口を探そう」
無意識に呟き、前を向いて歩き出す。
とりあえず前へ。
相変わらず、周りの風景は変わらない。
時間の感覚もない。
どれぐらい歩いたのかもわからない。
スマホは圏外表示
時間は11月8日9時44分から変わっていない⸻
体力が限界に近い。
意識が朦朧とする。
頭の中で、色んな思考が巡る。
腹減った……
……なんで、こんな……
身体が……重い……
足が、痛い……
……視界が揺れる。
足がもつれて、前に倒れる。
……俺は……ここで……
……死ぬのか……?
意識が段々と遠のく……
……疲れた……眠い……
……ログチー……
そのまま、意識が途切れた。
……
…………
声が聞こえてくる。
「紫音、バスケやろうぜ!」
大地?
「紫音、いい加減にしないと遅刻するわよ?」
母さん?
……戻ってきたのか?
……うっ……身体が動かねぇ……
目が開かない。
「夢と現実は曖昧なもんじゃ……」
じいちゃん!?
手が届きそうで、届かない。
声が出ない……
「シルバー、大丈夫?顔悪いよ?」
ログチー?お前どこ行ってたんだよ!
てか、人の顔面に文句つけんな!
それを言うなら、顔色だろっ?
…………
身体の感覚がふわっと浮いたような気がした。
⸻
???
「……ん」
……知らない……天井……?
「……ここは……?」
「……まだ夢の中にいるのか?」
ほっぺたを思い切りつねる。
「……痛っ」
「……夢じゃない」
勢いよく飛び起きる。
「……うわぁっっ」
ログチーがベッドの下にポテンと落ちた。
「ログチー!」
「シルバー!!」
ログチーが泣きながら、身体に抱きついてくる。
「……シルバー、無事で……」
「良かったあああ……」
頭をかきながら、ログチーをポンポンと叩く。
「……お前も無事で良かった」
視線を逸らし、照れくさそうに呟く。
そして、思い出したようにログチーに言う。
「……てか、ここはどこなんだ?」
周りを見渡す。
無駄な装飾が一切ない、質素な部屋。
「……シルバー、ここはね……
ログチーが言いかけた瞬間、
ドアから何者かの気配がした⸻
続き、気になりますか?
気になる方はリアクションしていただけたら
嬉しいです。(冗談です。すみません。)




