「金が貯まったら」は、いつまでも来ない
金が貯まったら、会社を辞めてビジネスを始めよう。
あんなことや、こんなことをやってみよう。
そう思いながら、もう半世紀近く生きてきた。
でも、そんな日はいつまでもやって来なかった。
宝くじも当たらない。
株も仮想通貨も、多少は増えた。
でも中途半端すぎて、とても独立できるような状態じゃない。
先にも書いたが、私はどんどんアホになっている。
昇進はしている。
昇給もしている。
でも、それはすべて、いまの会社の中で仕事ができるようになったにすぎない。
似たような会社に転職すれば、そこそこの給料はもらえるかもしれない。
でも、結局また同じことの繰り返しだろう。
住む場所を変えたらリフレッシュできるかもしれない。
せいぜい、その程度の違いしか思い浮かばない。
なぜ、「金が貯まったら」はいつまでも来ないのか。
たぶん、それは。
金が貯まったら始める人生に、具体性がないからだ。
これは以前、若い部下と話したときのことだ。
「カーレースに興味があって、やってみたいんです」
「へえ、やればいいじゃない」
「いや、お金がないんで」
「やりたいなら、お金がなくても始める方法なんていくらでもあるだろ。うちの会社のAさんがやってるって聞いたことあるよ」
「いや、お金が貯まったらやろうと思うんで」
「Aさんに話しかけるのが恥ずかしいとか、勇気がないってこと?それって、本当にやりたいことなの?」
「いや、本当にお金ないんで。実は投機もやってるんです。これが当たればって思ってて。半年前に買おうと思ってたやつが、いま10倍くらいになってるんです。あのとき買っておけば、いまはやれたと思うんですが、いまはお金がないんです」
「まず先にやりたいことに動く。そのあとにお金じゃない?順番、間違えてると思うよ」
……。
それは、まさに自分に言ったひと言だった。
何を偉そうなこと言ってるんだか。




